「元気」と「精神的成長」は違います

~「不登校を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を開催しました!~

当センターでは、小春日和の3月15日、「不登校を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を開催しました。勉強会は、まず当センターの所長で医師の、福田俊一の話から始まりました。

小春日和の3月15日、「不登校を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を開催。

<不登校についての考え方>

不登校には、以下のような、対立する2つの考え方があります。

  • 長く休ませるのは良くないので、できるだけ早く学校に戻すべき。
  • 急かさず、本人の自主性を大切にし、学校以外にも居場所を作るべき。

この考え方には、「性格」という視点が抜けています。お子さんの性格によって登校刺激を与えた方が良い場合と、そうでない場合があるのです。当センターでは、独自の性格分析の手法を活用し、お子さんの性格に合った方法で再登校に導きます。

<不器用な子が力をつけるには>

適当で要領が良い子よりも、真面目で不器用な子の方が不登校になりやすい傾向があります。しかし、不器用な子は、その子の性格にピタッと合った対応をすると、元々低かった自己肯定感が上がってきて、良い持ち味が出てくるようになります、という内容です。

<元気と成長は異なる>

続けて、臨床心理士の福田俊介から、当センターのカウンセリングで不登校が解決した2つの事例が紹介されました。

ひとつの事例紹介の途中、「カウンセリングが功を奏し、元気になってきたお子さんが再び引きこもってしまったのは何故だと思われますか?」という問いかけが福田からありました。会場からは、「学校で嫌な事があったから」「親の気が緩んだから」などの回答を頂きました。福田からは、「それらも正しいです。ただ私が強調したいのは、このケースの場合、お子さんは元気にはなってきたものの、精神的な成長が不十分だった。“元気”というのは不安定で、先週元気だったとしても、今週は調子を崩しているという事がよくあります。元気だということと、成長しているということは異なります。」というコメントがありました。

<質問コーナー>

「不登校の子供に対し、『あなたは学校を休んでいるけど、お母さんは頑張って勉強会に行ってくるからね』といった、ネガティブな声掛けをついついしてしまうが、どうしたら良いか?」というご質問を頂きました。

心に余裕がなくなると、一言多くなってしまう事もありますよね。所長からは、「どんなセリフに傷つくか、傷つくポイントはお子さんによって違うので、よく観察して、見極めることが大切です。」という回答がありました。

勉強会のアンケートを拝読した所、「解決事例の紹介が具体的でとても参考になった」「実行可能な対応方法が紹介されていて良かった」「質問コーナーで個別に回答して頂き満足した」などのご感想を頂戴しました。

公認心理師である自分にとっても、「不器用な人は最初のうちは器用な人に負けていても、考える持続力があるので、何年かするとそれが蓄積になり、器用な人をしのぐ力に」などの話題で新たな気づきが得られた勉強会でした。皆様にはお忙しい中ご足労頂き、誠にありがとうございました。

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

2022.04.13  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》益子玄一郎

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