【不登校】「何でもきいてやりなさい」の注意点

不登校のご相談で来所される親御さんによると、病院のカウンセリングやスクールカウンセリングなどでは、「見守りましょう(従来からよくあるアドバイス)」は元より、「(ゲーム・スマホは)好きなだけやらせなさい。そのうち飽きるから」とか「子どもの言うことは何でもきいてやりなさい」と言われることがあるようです。

当センター不登校のカウンセリングの視点は少し違います。しかし、当センターに来所される前に別のカウンセリングを受けてこられた親御さんは、一定期間そのような対応をとって来られたわけです。その結果「ネット・ゲーム依存がひどくなりました」「何でも子どもの言うがままにきいてやってたら、月に何万円もかかるようになりました」と、アドバイス通りにやったら子どもさんの状態が悪化したために、当センターに来てみる気になったという方がたくさんおられます。

ゲーム依存・ネット依存はこれまでも記事として何度も取り上げていますが、「子どもの言うことを何でもきく」という点には注意が必要です。特に「何でもきいてやる」を「子どもの要求を何でものんでやる」と解釈してしまうと大変です。不登校の子の頭の中は不安でいっぱい。その不安を紛らわそうとネットやスマホに依存するだけでなく、不安な気持ちが「物欲」に向き、その要求をのんでしまうと、「不安を紛らわせるための物欲=買い物・お金」になってしまう恐れがあるのです。

「欲しい理由」や「ルール決め」等についてしっかり話をし、かつ、それを得ることで不安が「解消」して再登校できるならまだしも、登校不安を紛らわせるための要求であれば、その要求水準(欲しい物の数・金額)だけがどんどん上がってしまいかねません。当センターでお勧めしている「きく」は、あくまで「聴く」であり、物欲に関しても「(欲しい)気持ちはわかってやる。しかし、買ってやるかどうかは別」という形にもっていきます。

関連記事

『過食症と拒食症』危機脱出の処方箋 第4話(お父さんが恐くて・・・)

『過食症と拒食症』 ― 危機脱出の処方箋 ―  福田俊一、増井昌美著 (星和書店、2001)より 本書は淀屋橋心理療法センターで治療したケースをもとに執筆、星和書店より出版したものです。本文のなかから症例や治療のポイント […]

1.根性論でたたき出そうとしたが、裏目にでて

来所してから三年がたって 洋次は現在27才。来所したときは24才だった。治療を開始して三年が経過したわけだが、来所した当時をふり返ると、立ち直りへの歩みは決して早いほうではない。しかし洋次から受ける印象はころっと変わった […]

2011.09.17

1.「お父さんお母さん、そんなに気づかわれるとよけいしんどいわ」

子どもの一言一言に耳をそばだてる両親 「腫れ物にさわるような親の接し方は、息苦しくて」と清香(大学一年、19才)は言った。お父さんもお母さんも、清香の過食症をなんとか治してやりたいと必死だ。両親はセラピストから「できるだ […]

シリーズ記事

2015.07.16

1.【不登校】「何でもきいてやりなさい」の注意点

不登校のご相談で来所される親御さんによると、病院のカウンセリングやスクールカウンセリングなどでは、「見守りましょう(従来からよくあるアドバイス)」は元より、「(ゲーム・スマホは)好きなだけやらせなさい。そのうち飽きるから […]

コラム一覧へ