リストカット(自傷行為)

リストカット(自傷行為)

リストカット(自傷行為)
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これまで特に大きな問題を起こす子どもではなかった。
しかしある日、子ども部屋のゴミ箱に血のついたティッシュがあるのを見つけた。
子どもを問いただすと、実は手首を切ったのは一回だけではなかった・・・

一体何が起きてるんだ、と頭が真っ白になる。
何か辛い経験をしたんだろうとは思うが、
だからといって自分の体を傷つける、そんな我が子のことが理解できず。
一体何を考えてるんだ、何かの病気か、と怖く感じてしまう。
リビングの机に何本もの刃物が並べて揃えられていた日もあった。

それまで比較的平和だった家庭において、
突然このようなことが起こり、
「もうどうしたらいいのか分からない」と困惑された親御さんが
当センターにこれまでたくさん来所されました。

このページはリストカット(自傷行為)をしている方の親御さん向けに書いています。
そのためリストカットをしているご本人が読むと
納得できなかったり違和感を感じる部分もあるでしょう。
ご本人への記事は今後執筆する予定です。

目次

こんなことでお困りではありませんか?

  • 子どもがリストカットをしているが、本音で喋ってくれない
  • 子どもが悩みを抱えているようだが、昔から相談をしてこない
  • 子どもがリストカットをしていることを学校の先生やスクールカウンセラーに打ち明けたら、学校が大騒ぎになって子どもが全く本音で喋らなくなってしまった
  • 病院で境界性パーソナリティー障害と診断されたが、その後特に解決するための具体的なアドバイスはもらえない

このようなことで行き詰まりを感じた親御さんが当センターにいらっしゃいます。

なぜリストカット(自傷行為)をするの?

どうしようもない感情の嵐から解放されるためにするようです。
リストカット以外に楽になる方法を知らないのかもしれません。
ご家族は、なぜそんなことをするのかと理解に苦しみますが
リストカットをする人の中には「血を見たらホッとする」と言う人もいます。

ご本人(お子さん)にはリストカットが「私にはこれしかない」「これが私の救いだ」となっている人が多いのです。

ちなみに手首を切る自傷行為をリストカット、腕を傷つける場合はアームカット、足を傷つける場合はレッグカットなどと呼びます。

どんな人がリストカットするの?

  • 「悩んでいるが、親には相談できない」「親は分かってくれない」と思っている人
  • 言葉で苦しみを上手に表現するのが苦手な人
  • 職場や学校などで、ずっと緊張状態が続いている人(リラックスするのが苦手)
  • 無理の上に無理を重ねる頑張り屋さん
    (ただし、本人は頑張っているという自覚がない場合が多く、さらに自分を追い詰める傾向にある)
  • エネルギーが少ない自分に鞭打つ人もいる

※ ただ困ったことに、周囲の人からは本人の頑張りが見えず、だらしない部分ばかりが見えていることがあります。

リストカットをする子の天国と地獄

やっと子どもの心が落ち着いてきて、元気になってきたと親には見えたのに突然リストカットをする事があります。

例えば、前の日の晩はニコニコと元気で明るかったのに
次の日の朝にリストカットしているなんてことがあります。
親とすれば、何が何だか分からないといった感じになるのです。

リストカットの直接のきっかけは?

  • 職場や学校での人間関係
  • 恋愛のもつれ
  • 頑張れていないと自分を責める
  • 親がスマホを取り上げた
  • ブログやHPなどで他の人がリストカットしているのを見た …など

リストカットに関する誤解

以前は、人の気を引くためにリストカットをするという説もありましたが 多くの場合、注目されたいためにやっているわけではありません。 ただし、恋愛がらみの場合は相手の気を引こうとしてリストカットする時もあります。

また、多くの人は死のうとしてリストカットをしているわけではありません。
リストカットをしているご本人に聞いてみたり
リストカットをしている人たちのブログを見ると
「生きるためにリストカットしているんだ」と明言している人も多く見られます。

付随する問題

うつ 不登校 摂食障害 過呼吸 OD(オーバードース)など

当センターの治療方針

当センターの治療方針の最大の特徴は、ご本人抜きで、親御さんにアドバイスを差し上げることだけで解決できるということです。

親御さんもしくはカウンセラーが
「なんでリストカットしたくなるの?」「何か悩みがあったら教えてくれないかな?」とご本人に聞いても、なかなか教えてくれない場合も多いのです。

また、最初の1〜2回は親に言われてカウンセリングに来たとしても治るまで継続してカウンセリングに来てくれるかどうかも分かりません。

そしてカウンセリングで、表面的な悩みは打ち明けてくれたとしてもそのずっと奥深くにあるものを聞き出すのはなかなか難しいものです。

では、どのようにしてリストカットを治療していくのか

実は、リストカットをする人は、言葉で自分の気持ちを表現するのが苦手だったり
親に対して相談しないという人がとても多いのです。
【言葉で表現するのが苦手な人が、自分の気持ちを言葉で表現できるようになる】
【親に上手に相談できるようになる】
お子さんがこれらのことができるようにお手伝いするのは、当センターがとても得意とするところです。

当センターでは、まず親御さんにお越しいただき、お子さんへの関わり方について、カウンセラーが具体的にアドバイスさせていただきます。

その結果として、お子さんは言葉で自分の考え・怒り・悲しみ・不安を表現できるようになり親御さんに秘めていたことを打ち明けるようになっていきます。
そして親子の相性が今よりもっと良くなってくると、お子さんは頭の中を整理することができ、エネルギーが沸いてきて、ついに自分の無理しているところに気づき始めます。
そのように成長していく中で、リストカットをしなくなっていくのです。

話は逸れますが・・・
日常のなかで、親に悪気がなく、むしろ子どものためを思ってやっていることがかえって親に相談しづらくなったり、自分の言葉で表現する力の成長を阻んでしまっている場合もあるのです。

また、お子さんはリストカットの傷を見せにくる子ですか?それとも隠そうとする子ですか?
どちらか見極めてお子さんに合った対応を判断いたしますので、詳しく話をお聞かせください。

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長年のリストカット治療実績

リストカット(自傷行為)は、現代じわじわと増えてきた症状の一つです
淀屋橋心理療法センターでは20年以上前からリストカットの相談を受けてきました。

従来リストカットは境界性パーソナリティー障害(境界性人格障害)で、治りにくい症状であるというレッテルを貼られていました。 しかし当センターでは、リストカットには独特の傾向があることを発見し、独自のカウンセリングを考案してきました。
それに基づいて治療すると、大変成果があがるのです。

そしてこれらの事例をもとに書いた本『克服できるリストカット症候群』(星和書店)の出版にもこぎつけることが出来ました。

当センターで解決した事例

事例1 〜母のみ来所したケース〜

リホさん(仮名)は中学生の女の子です。
穏やかで優しく、友達からは「いつもニコニコしている子」と言われています。
そんなリホさんが不登校になり、リストカットもするようになっていました。

リホさんのお母さんも穏やかで、子ども思いの人でした。
リホさんが何か言いたそうなのには気づいておられたのですが、なぜかリホさんが親御さんに悩みを打ち明けることはありませんでした。
親御さんは色々な角度から、リホさんの悩みを聞き出そうとしましたが、本音で話してくれる気配は一向に現れません。

しかし、カウンセラーがアドバイスさせて頂いた通りに、親御さんがリホさんへの対応を変えてくださると、色んなことを吐き出せるようになりました。
「小学校は6年間ずっと楽しかったと言ってたけれど、本当は小学校4年生の時、仲間外れにされて楽しくなかったんだ」というような
今まで言えなかったことをいくつも言い始めたのです。

また、リホさんが友達の文句を言っている姿を親御さんはあまり見たことがありませんでしたが
「○○ちゃんはいつも自分の意見を通そうとして、自己中やからイラつくわ」
とお母さんの前で言うようになってきたのです。

そしてこれまで心に秘めて言えなかったことがお母さんに言えるようになっていく中で、リホさんのリストカットは徐々になくなっていきました。

リストカット克服後、面接室でお母さんがおっしゃられました。
「娘も楽になったでしょうし、私も楽になりました。それと、娘が本音で喋ってくれるようになったので、前よりも娘のことがよく分かるようになりました」

事例2〜母と娘が来所したケース〜

20代の会社員 ミカコさん(仮名)は
適応障害と診断され、仕事に行けなくなりました。
それだけではなく、実はリストカットもするようになっていました。

ミカコさんのお母さんは子ども思いで、とても真面目な人でしたが
ミカコさんがお母さんに悩みを打ち明けることはこれまでありませんでした。
面接室でお二人の姿を見ていると
お母さんと話す時に、なぜかミカコさんが少し緊張したような様子で接していることが印象的でした。

カウンセリングで、親御さんがミカコさんの性格が分かり、その性格に合った対応をアドバイスされて取り組んで下さいました。

すると、実はミカコさんが職場で常に緊張し続けていることが分かりました。
例えば、仕事の間じゅう“この作業が終わったら次はあの作業”など、一秒の休息もとることなく、高い緊張状態で働き続けていたのです。
それは自分の任された作業が終わった瞬間でさえも、ホッとすることなく、すぐに他にできる作業はないかと探して、また作業を始めるといった様子でした。
カウンセラーもミカコさんの頑張り過ぎの状況に驚きましたが
このことに、お母さんやミカコさん本人でさえ、何年も気づいていませんでした。

そして自分が気を張り詰めた状態で仕事をしているということに気づけたミカコさんは、そのことを上司に相談したところ、上司から「トイレに行った時に少しそこで休憩してみたり、倉庫に荷物を取りに行った時に少し遠回りしてみたり、そういうことを皆しているよ」など教えてもらいました。

でもなかなかすぐに行動は変えられません。
しかし、【上司に相談できたこと】そして【上司からのアドバイスを実践しようとしたこと】が、以前のミカコさんとの大きな違いでした。
実践には苦労しましたが、何ヶ月か経つと上手に力を抜くことが出来るようになっていきました。

以前のミカコさんだったら、少しの間でさえ力を抜くというのはあり得ないことでした。
力を抜く自分を許せなかったのです。
しかし肩の力を抜くことができるようになると、リストカットすることは徐々になくなっていったのです。

そしてその後、ミカコさんは職場に復帰することができました。
待合室でお母さんと一緒にいても、以前のような緊張した姿はなく、リラックスしてお母さんと談笑して過ごされていたのが印象的でした。

ミカコさんがリストカットを克服した後、お母さんから当センターにお手紙が届きました。
「娘は自分のどうしようもない辛さを分かって欲しくて、死ぬ気で訴えていたんだなということに気がつきました。本当にありがとうございました」

事例3〜強迫的に頑張りすぎる子 男の子のリストカット(自傷行為)〜

健太郎くんは超進学校に通う高校2年生
とても成績が良いのですが、
成績が落ちるのではないかということを恐れ、
寝る時間を削って強迫的に勉強しています。
特に、学校や塾の試験1週間前からは睡眠時間3時間で頑張り続けます。

「そんなに無理しなくていいんじゃない」
「もう寝たら?」
「少しは休憩した方が効率が上がるんじゃない?」

と、これまで親御さんは何度も伝えてきたのですが、
健太郎くんは全く言うことを聞こうとしません。

まるで何かに取り憑かれたように勉強している健太郎くんに
お母さんは「見て。このテレビ番組面白いよ〜」
などと明るい雰囲気で話しかけるのですが、
健太郎くんは、それには乗ってこず、
食事を食べ終わるとすぐに自分の部屋に戻って勉強を始めます。

お母さんは明るく振る舞ったり、質問することで会話を広げようと
様々な工夫をされていたのですが、どの対応も健太郎くんの歯車とは噛み合ないのです。

親御さんとの会話は、全く無いわけではありません。
ただ、その会話のほとんどは試験の順位テストの話、
「同級生の誰々には負けたくない」というような内容ばかりでした。

ある日のテスト前、
徹夜をしている様子の健太郎くんの部屋をノックすると、返事がありません。
お母さんが部屋に入ると、椅子に座って目を閉じている健太郎くん。
そして、その周りには血の付いたティッシュが散乱していました。
血の付いたカミソリが机の上に転がっています。
お母さんが健太郎くんがリストカットをしていることに気づいた瞬間です。

リストカットをしていることや、
睡眠時間を削ってまで勉強していることを問いただして良いのか?
注意した方が良いのか?
親御さんはとても対応を悩まれたそうです。

親御さんはとても対応を悩まれたそうです。

そして、リストカット(自傷行為)について相談できるところを探され、
当センターに来所されました。
カウンセラーは親子の歯車がしっかりと噛み合うように、アドバイスを始めました。

– 親御さんが当センターに来所されて2か月経った頃 —

個人差が大きいのですが、健太郎くんの場合、
2か月ほど経った頃から分かりやすい変化が見え始めました。

夕飯の時に、いつものように勉強の話をし、
そのまま自室へ戻るのかと思ったら
健太郎くんは、少しだけアニメの話を親御さんとしてから
自室に帰って行ったのです。
この頃から、ほんの少しですが健太郎くんの表情が柔らかくなってきました。

— 当センターに親御さんが来所されて3ヶ月経った頃 —

食事が終わってからも、
少しテレビのバラエティ番組を見て
「ハハハハ」と笑う日が出てきました。

「殺伐とした雰囲気がなくなり、
 家庭の雰囲気が少し穏やかになってきました」

とお母さんがおっしゃいました。

— 当センターに親御さんが来所されて4ヶ月経った頃 —

健太郎くんの同級生で、成績が学年トップクラスの武田くんという子がいます。
「武田みたいに上手く力を抜いて、でも成績はトップクラス。
あいつみたいなやり方を真似したいな」

このように言い始めました。

これまで親御さんが「力を抜くことも大事よ」と何度言っても
一度も聞こうとしませんでした。
しかし、健太郎くんの性格だと、親が教えてあげようとするよりも、気づかせてあげる方がうまくいくのです。

健太郎くんの雰囲気が増々穏やかになり、
家庭の雰囲気が明るくなってきた頃、
親御さんがとても驚いたことが起こりました。

いとこの結婚式が予定されていたのですが、
それに健太郎くんが「やっぱり行く」と言い出したのです。
親御さんが「本当に大丈夫なの?」と確認すると
「1日ぐらい勉強しなくてもどうってことないやん」
という返事が返ってきました。
これには親御さんはびっくりされたようです
“頑張り続けないといけない”という強迫観念に
圧倒されなくなってきました。

他には、学校から帰ってくると、台所のお母さんのところに寄ってきて
「今日のご飯は何?」と聞いてきたり、
食事中は「いつもと味付けが違うね。何を使ったの?」
こんな事も聞いてくるようになりました。
だいぶ健太郎くんから張り詰めた緊張感がなくなってきました。

ただ、テスト前など、頑張り過ぎた時はリストカットをするのが続いています。

— 当センターに親御さんが来所されて5ヶ月経った頃 —

朝、いつものように出かけて行った健太郎くんから
お母さんに電話がかかってきました。
「今、駅にいるんだけど、しんどい。今週は学校休んでいい?」

「今、駅にいるんだけど、しんどい。今週は学校休んでいい?」との電話。

親御さんは健太郎くんがこのまま学校に行かなくなってしまうのでは
と心配されましたが、「いいよ」と返事。
でも、とても心配で、親御さんから当センターに電話があり、
その日の晩に緊急面接を実施しました。

親御さんは学校に行けるのか心配でしたが、
翌週の月曜日は、学校に行くことができました。

自ら“休む”と決断できたのは成長です。
また、休んでいる間に色々と考え過ぎたりした訳ではなく、
しっかりとリフレッシュして、休みを“休み”として活かせました。

これは最高のシナリオです。

この日を境に、
リストカットをするということは、ほとんどなくなりました。

カウンセラーは親御さんに伝えます。
「まだまだ油断は出来ません。
今後も不安に圧倒されて無理をする。
その結果、リストカットをしてしまう可能性は十分あります。
今のうちに彼をもっと成長させましょう」

— 当センターに親御さんが来所されて6ヶ月経った頃 —

これまで同級生に悩みを相談している様子のなかった健太郎くんが、
どうやら同級生に相談していることが分かってきました。

成績がトップクラスの武田くんに勉強のやり方について相談していて、
「英語はここがポイントだから他は捨てた方がいい」
「この教科はここは勉強しなくていい」

などということを教えてもらって実践しているようです。

以前は、
同級生に対してとても強いライバル心と緊張感を持っている様子でしたが
穏やかな表情で
「◯◯高校に入って良かった。
相談したり将来のことを語り合える仲間ができて良かった」

と言い出しました。

また塾の話では、
「益子くんがね、福田さんに告白しようとしている」
「湯浅君が原田さんから LINE を聞き出そうとして失敗した」

などの恋愛話なんかについても、食事中にしゃべりだしました。
一見、何気ない会話に思われますが、
これは勉強ばかりしていた健太郎くんの視野の広がりを示しています。
また、雑談をすることで勉強のやる気が高まる性格傾向の子は少なくありません。

— 当センターに親御さんが来所されて7ヶ月経った頃 —

ある日、模擬試験前、
いつものように睡眠時間3時間で勉強するのではと、
お母さんは心配されていましたが、
案の定、健太郎くんは深夜4時になっても眠る気配はありません。
お母さんが「今日はもう寝たら」と伝えると、
最初は「いや、そんなの無理だよ」と言っていたのですが、
しばらくしたら「じゃあ、今日は早く寝るわ」と言ったのに
お母さんは驚かれました。

また、第一志望の○○大学法学部は B 判定でした。
以前の彼だったら 、
A 判定じゃないということにとても落ち込んだり、
パニックになっていたかもしれませんが、
彼は「悔しいなぁ」と言って、
そんなに引きずった様子はありませんでした。

— 当センターに親御さんが来所されて8ヶ月経った頃 —

受験が近づいてくると、 健太郎君は口内炎ができたり体調を崩すことが増えてきました。 しかし、以前と全く違うのは、予定通りにならなくても、パニックになることは無くなりました。

受験が近づいてくると、
健太郎君は口内炎ができたり体調を崩すことが増えてきました。
しかし、以前と全く違うのは、予定通りにならなくても、パニックになることは無くなりました。

受験前だけども、漫画の新刊が出たらそれは読んでいたり、
勉強の合間にリビングにやってきて、
ニュースに関する話題や、
「塾の池尾先生は優しい穏やかな人だけど、意外にもプロレスがメッチャ好きなんだって」とか
「塾の戸塚先生が綺麗な女の人と駅のホームを歩いているのを見た」
というような話をして、ニヤリと笑うと
トントントンと軽い足音でまた自室に戻って行きます。
「しゃべることでストレスを発散してるのかな」
お母さんは感じられたそうです。
頑張りながら、上手に息抜きできるようになってきました。

—その後—

健太郎くんのリストカットが止まり、彼の精神的な成長に安心された
親御さんが当センターに来所されなくなってから、数カ月経った頃。
お母さんから電話がありました。
健太郎君が第一志望の〇〇大学法学部に見事合格したとのことでした。

“不安に圧倒されない”“うまく力を抜く”“適切な人に相談する”
このように着実に成長した彼は、
超難関と言われる大学に入ってからも
そして、その卒業後もうまくやっていくのではないだろうかと思われます。

*この記事は、当センターにご相談に来られたケースを基に書いておりますが、個人が特定されないように書いております。

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リストカット勉強会レポート

最終更新日:2024.4.21

こちらの記事の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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