12月09日(金)に、
不登校を乗り越えるための
親御さん向けカウンセリング説明会を開催しました。
※本文の中に、“治療”という言葉を使用する場面がありますが、
“病を治す”という意味ではなく、
“お子さんの心を元気にして、不登校を克服する”という意味合いで使用しております。
見守るだけで再登校できる子・できない子
「お子さんが不登校になり、親御さんはさまざまな努力をされていることでしょう。
今まで、どんなことをしてこられましたか?」
※説明会冒頭 臨床心理士・福田から参加者の方への問いかけ
参加者の方は、
「無理やり登校させないようにしているけれど、それでいいのか不安です・・・」
「学校に行けなくなり始めたころから、体調不良を訴えるようになったので病院に連れて行くと、
生活リズムを規則正しくするように言われ、それ以外は見守るように言われました。
でも実際はなかなかうまくいかなくて・・・」
このように答えられる方が多くいらっしゃいました。
インターネットで調べたり、
病院や専門機関などに連れて行くと、
「見守りましょう」とアドバイスされる親御さんは少なくないでしょう。
しかし、それだけでうまくいくの?と疑問に思われたことはないでしょうか。
確かに、見守っていたら再登校につながったというケースもあります。
しかし、再登校につながらず、
不登校のまま何も変わらなかったというケースも多く存在するのも事実です。
「“見守る”だけで再登校できる子とできない子には、
明らかな違いがあります」
と、臨床心理士の福田俊介は語ります。
ここで、どうして再登校と自主性が関係あるの?と思われた方もいらっしゃるでしょう。
その詳しい理由は、ケース紹介でお話しました。
ご興味のある方は、ぜひ、説明会にお越しくださいね✨
臨床心理士・福田俊介によるケース紹介
《ケース1》
友達が多く、しっかり者で元気な中学生の女の子が突然不登校に・・
《ケース2》
親の言う事を聞かず、興味のあることしかしない高校生の男の子
※ケース紹介では、当センターで治療を受けられた方が、どのように回復されていったのか
個人情報に配慮しながら紹介させていただいています。
ケース紹介では、違った個性を持つ2人のお子さんがどのように回復していったのか、
カウンセラーのアドバイスとお子さんの段階的な変化(自主性の成長と再登校に至るまで)について、
具体的に詳しく紹介しながらお話ししました。
当センターの記事をたくさん読んでくださっている親御さんは既にご存知だと思いますが、
お子さんが自分で考え、行動できるようになる(自主性が成長する)には、
治療的な正しいステップで、お子さんが親御さんに語れるようになることがとても大切です。
今、お子さんはおしゃべり上手でしょうか?
好きなこと・夢中なことについて、際限なく語れるでしょうか?
もし、たくさん語れているのであれば、
その語りを(治療的に)さらに伸ばして、説明上手にさせてあげることで、
お子さんはどんどん自信をつけていき、自主性も伸ばせるでしょう。
今は会話が少ないお子さんだったとしても、
お子さんの性格に合った対応を、親御さんに粘り強く実践していただくことで、
口数の多い子に比べて時間はかかりますが、自信を取り戻し、自主性を伸ばすことは可能です。
自主性が伸び、お子さん自身の視野が広がってくると、
今まで心の中で燻っていた不満や不安・弱音などを親御さんに語りながら、
1つずつ心の整理をしていくことができるようになります。
不登校を克服するには、そこがキーポイントになるのです。
親御さんが一番気をつけなければいけないのは、
お子さんの気分に振り回されないことと
治療への高いモチベーションを維持することです
(臨床心理士・福田俊介によるケース紹介より)
説明会では、お子さんがどのように回復していくかというお話とは別に、
お子さんの不登校解決のために、親御さんが気をつけなければいけないことについても語られました。
まず、親御さんにご理解いただきたいのは、
不登校のお子さんが完全に回復するまでの道のりは簡単なものではないということと、
順調に回復しているように見えても、右肩上がりに良くなっていくわけでもないということ。
私たちが相手にしているのは、ロボットではなく、意思を持っている人間(お子さん)です。
機嫌が良い時もあれば、悪い時もあります。
穏やかさを取り戻していたのに、親御さんと突然衝突してしまったり、
明るく会話できるようになっていたのに、急に会話が少なくなったり、
少しずつ登校でき始めていたのに、急に「行きたくない!」と拒否することもあるでしょう。
大切なお子さんのことですので・・・焦ってしまったり、戸惑ってしまいますよね?
ですが、焦る必要は全くありません。
お子さんが順調に回復している時に、少しでもお子さんに良くない反応が出ると、
それを大きな悪い出来事(悪化しているのでは?)と親御さんは感じてしまいがちです。
親御さんが、お子さんの悪い出来事(反応)に気を取られてしまうと、
その裏で起きている、お子さんの小さな良い変化(回復の兆し)に気づくことができなくなってしまいます。
そして、「このままカウンセリングを続けてもうまくいかないのでは?」
というマイナスな気持ちに支配されてしまう事が少なくありません。
この親御さんの不安や戸惑いは、治療の効果を下げてしまうだけではなく、
親御さんの心を折ってしまい、治療自体を中止してしまうきっかけになりかねません。
そうなってしまえば、今まで親御さんが頑張ってきたことが無かったことになってしまいます・・・
「先生、最近は悪いことばかりが起きて、子どもが良くなっているようには思えません」
と、カウンセリング中に親御さんから相談されることは良くあります。
そんな時カウンセラーは、
お子さんの小さな良い変化(回復の兆し)を親御さんと一緒に探します。
親御さんだけでは気付けなかった小さな変化も、
カウンセラーが一緒だと気付くことができたりします。
すると、自然と親御さんの不安は落ち着くことが多く、
親御さんは下がってしまったモチベーションを上向きにすることができます。
お子さんの不登校からの完全回復という大きな目標を達成するには、
親御さんが、お子さんの気分の浮き沈みに振り回されずに
モチベーションを高いまま長く維持し続けるということがとても重要です。
そのための親御さんへのフォローも、当センターでは大事にしています。
子どもの不登校はカウンセリングでなおるのか?
記事のタイトル:子どもの不登校はカウンセリングでなおるのか?
この問いの答え:
当センターの場合は、
大切なのは、親御さんが途中であきらめてしまわないこと
お子さんの自主性を伸ばし、問題解決に向かって動き出せるように成長させること
スタッフとして参加した私は、そんな風に感じた説明会でした。
この度は、当センターの不登校を乗り越えるためのカウンセリング説明会に
ご参加いただきましたありがとうございました。
参加してくださった親御さんにとって、良いきっかけとなりましたら幸いです。