不登校の解決だけでなく、今後、何があっても立ち直れる力をつける

第10回 不登校を乗り越えるための親御さん向け勉強会が行われました

今回の勉強会は、冬休み前ということもあり
年末の親御さんの忙しい時期をずらして、12月17日に行いました。
おかげさまで、こちらが準備していた席数を超えるお申し込みがあり、
年内にカウンセリングの予約を取って帰られた方もおられました。
冬休みの数週間を有意義に使っていただきたいと思いました。

どうなったら不登校が治ったといえるの?

お子さんが不登校になった場合、親御さんの立場からされると、
”いつになったら学校に行ってくれるのか?”が、一番の問題と思われている方が殆どでしょう。

当センターでの不登校が治ったという認識は、
学校に行くことができなかったお子さんが、学校に行くようになったというだけではなく、
不登校という人生のピンチを乗り越える力が付いたかどうかです。

ですから、いつになったら学校にいってくれるのか?で終わるのではなく、
お子さんが人生に行き詰まっても、立ち上がり方が分かるところまでカウンセリングを行います。

どうなったら不登校が治ったといえるの?

お子さんが自分で気づく

多くの不登校のお子さんにとって、自分を知ることは難しいと所長の福田は言います。

親御さんが、「何かあったの?」「どうかしたの?」とお子さんに質問しても、
お子さん自身、学校に行けない理由がわからないことがとても多いようです。

そういったお子さんが、自分は何に困っているのかに気付き、
話すことができる様になり、解決策を考え出す為にはどの様にすれば良いか?
親御さんへ対応のポイントをお話ししました。

お子さんが自分で気づく

臨床心理士 福田俊介による事例紹介

【ケース1:中2の3学期、元気だったのに突然不登校になった女の子】

こちらのケースでは、お母さんが娘さんに工夫して対応されたポイントを3つに絞って話しました。

そのうちの一つをご紹介しますと、<先にご褒美を与える>でした。
今までお母さんは、学校に行ったり宿題をするなど何かを達成した後に、ご褒美を与えていましたが、
「甘やかしていいのか?」と不安に思われていました。
しかし、こちらが「それで大丈夫です」と丁寧に説明をし、お母さんがアイドルグッズを買ってあげると、
それに気を良くした娘さんが変わっていきます。

その後、お母さんはカウンセリングを進めていく中で、ご自分と娘さんの性格の不一致に気付かれ、
対応を変えられたことによって、娘さんが本当の気持ちをお母さんに話すようになりました。

少しずつ登校し始めたのはもちろんの事、
なによりも、娘さんが自分らしく生きていけるようになったケースでした。
最後には、お母さんと娘さんとが分かり合えていたんだなとわかる暖かいエピソードもありました。

先にご褒美を与えるというふうに、順番を逆にしたのは、このケースのお子さんにはその方が
合っているとカウンセラーが判断したからです。

娘さんが自分らしく生きていけるようになったケース

【ケース2:発達障害と診断されたゲーム依存の男の子】

こちらのケースでは、解決に向けてのヒントとして、親御さんが○○○を控えるという話でした。

まず、親御さんに○○○を控えてもらうことをお伝えすると、
「え?良いんですか??」と驚いた様子でおっしゃいました。
息子さんに合った対応はどういうものかを説明をし、親御さんがそのようにされると・・・
表情が乏しかった息子さんの顔が少し穏やかになり
たまに親御さんに話しかけてくるようにもなりました。

その後、カウンセリングに通っていただくにつれて、
息子さんの目に力が出てきて口数が増え、元気になっていきました。
それと共に、ゲームをする時間は減っていき、学校に徐々に行ける様になりました。

どちらのケースも、カウンセリングが始まった最初の1か月から2カ月は大きな変化はなく、親御さんにとって我慢の日々でしたが、やがて波がありながらも再登校へと向かうことができたケースでした。

親御さんにとって我慢の日々でしたが、やがて波がありながらも再登校へと向かうことができた

ご質問のコーナー

・起立性調節障害と診断され、朝が起きれないお子さんの様子をみて、
 ガッカリされるお母さんの姿に、「何もわかってない」と子どもが怒る
・子どもが「スマホを返してくれないと学校に行かない」と言う
・子どもの本意でない学校だった
・昼夜逆転していて朝起きることができない
といったお子さんの様子に、どう対応すればいいでしょうか?とご質問をいただきました。

カウンセラーは時間の許すかぎり親御さんのご質問にお答えしました。
ただ、「もっと質問のコーナーを伸ばして欲しい」と言うご意見を多くいただきました。

カウンセリングにおいで頂けたら、
それぞれ家庭の状況に応じた的確なアドバイスをさせて頂きます。

カウンセリングにおいで頂けたら、それぞれ家庭の状況に応じた的確なアドバイスをさせて頂きます。

<「見守りましょう」には続きがあります>

”子どもを見守る”には続きがあると所長の福田は言います。
見守ったからと言って、どんどんしっかりしてくるのか?
ぐんぐん、自主性が伸びてきたか?
見守るが単なる標語になっているのではないか?

見守ることで家庭が平和にはなりますが、それだけでは足りない事も多いのです。
お子さんが自分から動くようになるには順番があり、
親御さんは見守るだけではなく、自主性をのばす必要がありますとのことでした。

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記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

2022.01.17  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》戸塚光子

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