Q4:「お父さんきらい。顔をみるのもいや」と、父親をきらっています。仕事から帰ってきても「お帰り」も言わず、プイッと部屋に入ってしまったりします。父親は父親で「いつまで食べ吐きやっとるんや」と批判的です。あいだにたって母親の私はどうしたらいいでしょうか?
ケースの状況説明
「『私が過食してるとき、台所に入ってこないで』って言ってるのに平気で入ってくる。お父さん大嫌い」と、過食症の娘(19才)は言います。「お父さんの食べ方、あれなーに。肱ついたりして」とか「なんで自分でできることやらないで、お母さんに頼むの」と言ったりして、父親に対していつも批判的です。父親は「なんでオレのほうをあんな冷たい目でみるんだ。朝の挨拶だってろくにしないじゃないか」と、怒っています。娘が過食症になってから父娘のあいだがぎくしゃくして、あいだにたっているお母さんはハラハラと気のつかい通しです。娘の方について一緒になって悪くいったほうがいいのか、それとも「悪く言うのはやめなさい」と止めたほうがいいのか迷っておられるようです。
A:アドバイス
過食症になると、今までどうもなかった父娘関係がぎくしゃくしだすということはよくあることです。本人が言っていることを聞いていると確かにもっともなこともありますし、まったくの言いがかりだったり過剰反応だったりすることもあります。お母さんのお迷いへの答えとなると思いますが、「嫌い、腹がたつ」という娘さんの気持ちを聞いてあげるということは大切です。賛成するでなく否定するでなく、ただひたすら聞いてあげるという姿勢でいいでしょう。聞いてもらうだけでスッキリするということもよくありますので。
父親と娘のあいだに問題があったとしても、それが「なんとかしたい」優先順位の一番になってしまうと問題ですね。ちょっとしたアドバイスで良くなるのならいいのですが、なかなかそうはいかないでしょう。父親との関係は悪くてもそこにあまりエネルギーをさかず、母と娘の二者関係に焦点をあてていくほうがいいでしょう。それだけでも過食症の改善をうながすことはできますので。