摂食障害 痩せる事への執着

~「摂食障害を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を開催しました~

当センターでは、去る7月27日(火)に、「摂食障害を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を開催しました。勉強会は、まず当センター所長、福田俊一の話から始まりました。

<摂食障害は病気というより信仰>

摂食障害の根本にあるのは、痩せる事への非常に強い執着で、病気というより宗教に近い。宗教なら、どうすれば脱出する事ができるのか。心の支えが欲しいというのが動機なので、痩せる事に代わる第二の支柱を作る事に成功すれば、完璧だ。ただ、第二の支柱を作るのは、容易ではない。そのために、カウンセラーの助けが必要だ。

摂食障害の患者さんは、自分が無いかのように優しく、他人に合わせようとする性格の方が多い。その反面、根っこには譲れない激しい何か、秘めた頑固さと一途さがある事が多いので、この性格を上手く活かして治す、という内容です。

<具体的な解決事例>

続けて、臨床心理士の福田俊介から、当センターのカウンセリングで摂食障害が解決した2つの事例が紹介されました。

過食した後に家族に当たり散らす20代女性

社会人のAさんは、食べ過ぎては母親に当たり散らす日々。家にある食品は全て食べてしまうので、買い置きが出来ない。母親は仕事と親の介護で非常に多忙だったが、当センターのアドバイスにより、Aさんの性格に合った対応をとる事で、好転する。あることを契機にAさんが家出するなど危機的状況になるものの、その後も対応を続けた結果、過食は治まり、家族との関係も良好になった、という内容です。

妹に沢山食べさせようとする拒食症の大学生

ダイエットを契機に拒食症になったBさんは、自分が安心するために、毎日、妹には沢山食べさせようとする。当センターのアドバイスにより、ご両親がBさんの性格に合わせた対応を続けると、ご両親との会話が増え、表情も明るくなった。しかし、体重減少は、すぐには止まらない。その後も粘り強く対応を続けた結果、体重が増加し始め、妹との関係も良くなった、という内容です。

<お子さんが一人暮らしの場合でも治るのか?>

参加者の皆様からは多くのご質問を頂きました。「過食症の娘は一人暮らしだが、家族療法の適応になるか?」とのご質問に対し、所長の福田の回答は、適応になる。過去のケースで、海外留学中の娘さんに対し、母親が日本から国際電話で対応し、完治したケースもある。ご両親とお子さんが離れて暮らしている場合には、距離感をうまく利用する、という内容でした。

また、「②の拒食症の事例で、心が元気になったのに体重が減り続けたのはなぜか?」というご質問に対し、所長の回答は、精神面の改善と身体面の改善にはタイムラグがあるのため、という内容でした。

皆様には、酷暑の中ご参加頂き、誠にありがとうございました。

2021.08.09  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》益子玄一郎

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