過食症は治らない? いいえ、家族療法で克服できます

<過食症を乗り越えるための親御さん向け勉強会を開催しました>

寒空に雪がちらちらと舞う1月18日(火)に「過食症を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を開催しました。過食症に限定した勉強会は2回目となります。

今回もお子さんの過食症に悩んでおられるお母様、お父様に参加して頂きました。

過食症を乗り越えるための親御さん向け勉強会を開催しました

<過食症は治らない?>

過食症は10代から20代の女性が発症する割合が高いですが、男性や小学生が発症することもあります。決して他人事とは言えないのです。

軽い気持ちで始めたダイエットがきっかけで、過食症になる方も少なくありません。
痩せたら周りから「綺麗になったね」と褒められたことが嬉しかったなど、そんな小さなことがきっかけとなって発症する方もいます。

過食症は治らない?

ですが、その過食症をきれいに治すことはとても難しいされています。
「20年間、過食嘔吐を繰り返してきたという方もいらっしゃいます」と当センター所長で医師の福田俊一は話しました。
その方は結婚したら治るだろう…、子どもを産んだら治るだろう…と思っていたけれど、全く治らなかった。ずっと家族に隠しながら過食を続けていたそうです。

今、過食症で悩んでおられるご本人さんや親御さんの中には「もう過食症は治らない」と諦めている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

<なぜ過食症は治りにくいのか?>

例えばまず、どこをどう変えればいいのか分かりにくいというのが一つあります。ご本人も親御さんも手立てを見出せず、時間ばかりが過ぎてしまっていることでしょう。
他には、本人は食べることを何とかコントロールしようとするが、どんどん泥沼にはまってしまう。そのコントロールに人生の大半を費やす方もいます。
また対人関係がストレスになっているけれど、今いる環境から抜け出すこともなかなか出来ない。そこから抜け出すためにはプラスのエネルギーが必要です。しかし、本人は視野が狭くなっていたり、自信を無くしていたり、うつ気分に支配されていたりして、プラスのエネルギーを生み出すことは難しい。

それから親御さんをはじめとする周りも、どう援助してあげたらいいのか分からない。周りが治ったと思っても、本人が隠れて過食していることがある。親御さんが優しくたくさん気を遣って接しても治らない。明るい家族を築いても治るわけではない等々・・・。

なぜ過食症は治りにくいのか?

<過食症と家族療法>

そんな過食症を克服するには、グッと自分の背中を押してくれるようなプラスのエネルギーが必要です。しかし前述のように、本人が自らそのエネルギーを生み出すことは難しく、しんどくても我慢し続けてしまいます。 そこで当センターでは家族療法治療法をとっています。一人では難しくても、家族の援助があれば、プラスのエネルギーを育てていけます。

勉強会では所長の福田から、親御さんが今から出来ることをお伝えしました。「え、そんなところから?」と驚かれるアプローチだったかもしれません。過食症の治療イメージが変わられた方もいらっしゃったのではないでしょうか?

過食症と家族療法

<臨床心理士 福田俊介による 過食症を克服したケース紹介>

勉強会では、臨床心理士の福田俊介が【過食症を克服したケース紹介】も行いました。

・過食した後に家族に当たり散らす20代女性
・「NO」と言えず、ストレスで過食が止まらない女性>
という2つのケースを紹介しました。

どちらのケースも、当センターのカウンセリングに通われたのは親御さんのみでした。

なぜ、お子さんご本人へのカウンセリングではないのか、不思議に思われる方もおられるかもしれません。その理由をお知りになりたい方は、ぜひ勉強会に参加いただきたいと思います。

臨床心理士 福田俊介による 過食症を克服したケース紹介

<親御さんが良かれと思ってやっていることが、お子さんには合っていないかも>

臨床心理士の福田俊介からは、自身の会社員時代の話もありました。
新入社員の時、先輩の役に立ちたいと思って、頼まれる前から仕事を手伝っていたら、「余計な事をされたら困る」と後で怒られてしまった。
良かれと思ってやったことが、裏目に出てしまったという内容です。実はこれと似たようなことが親子間でもよく起こりますと続けました。

親御さんはお子さんのためを思ってやってきたけれど、それが逆にお子さんの自己肯定感を下げてしまったりする。

紹介したケースでは、お母さんが“優しく、前向きな子に育ってほしい”という思いから、「文句はあまり言わない方がいいよ」と教育してこられました。そのことが原因の一つとなり、娘さんは家族に愚痴を吐き出すことができず、苦しんでいたことが分かりました。

福田の会社員時代の例では、先輩に「困る」と言われたので「やらない方が良いんだな」と分かりました。
しかし、摂食障害の方々は言葉で表現するのが得意ではない方が多いので、親御さんが気づかないまま、お子さんに合わない対応を続けておられることがよくあります。

これはボタンの掛け違えのようなものです。
どちらが良い悪いではないのです。
その掛け違えに気付くためには、第三の目が、特にプロの目が必要です。

親御さんが良かれと思ってやっていることが、お子さんには合っていないかも

<質問コーナー>

勉強会の後半には、質問コーナーを設けており、親御さん一人ひとりのご質問にお答えしています。
「おだやかな性格の娘でしたが、学校に行かなくなって、文句ばかり言うようになったのですが・・・」
「進学先について悩んでいて・・・」
「娘が一人暮らしをしたいと言っているのですが・・・」
「自己否定の発言ばかりで、どうやって聞いてあげたらいいですか?」などなど
親御さんからいくつもご質問いただき、お答えしました。

質問コーナー

<過食症に振り回される人生から抜け出して>

私たち淀屋橋心理療法センターは、過食症に苦しんでいる方および親御さんからのお問い合わせを、日々いただいています。

一人でも多くの方に、過食症に振り回される人生から抜け出していただきたい。

そして、過食症に苦しむお子さんにどう対応したら良いのだろうと、悩まれている親御さんのお力になりたい。 その機会を少しでも増やすために、当センターは勉強会を開催しています。

家族療法という治療法に少しでもご興味持たれましたら、事前相談や勉強会へご参加いただければ、大変うれしく思います。

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記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

2022.02.10  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》池尾有希子

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