ゲームをうまく利用した、ゲーム依存症の治し方

— 視点を変えることでお子さんは成長できます ―

5月27日(金)に、
ゲーム依存でお困りの親御さんへの勉強会を開催しました。

今や一般的に知られるようになった“ゲーム依存”は、
2019年、WHO(世界保健機関)により
「ゲーム障害」の病名で国際疾病として認定されるほど、社会的な問題となっています。

当センターでは、今まで「ひきこもり勉強会」と併せてゲーム依存のお話をしておりましたが、
ゲーム依存単体でのご相談不登校の子のゲーム依存のご相談など
多岐にわたるご相談が寄せられているため、
今回は、ゲーム依存に的を絞った勉強会を開催致しました。

ゲーム依存解決のために

あなたが夢中になっていることは何でしょう?
アニメ、読書、アウトドア、お裁縫・・・ 夢中になれるものは人それぞれ

適度な夢中は、人生に彩りを与えてくれるもの。
「それ、面白そうだね!」「おすすめ教えて!」と、
自分の夢中に興味を持ってもらえるのはとても嬉しいですよね。
でも、その夢中が度を越えてしまって、他の生活に支障をきたしはじめたら・・・
自分自身で軌道修正することは、かなり難しいでしょう。

お子さんのゲーム依存は、まさにそんな状態です。
そんな時に、ご家族の本気の手助けがあったなら・・・
ゲーム依存は必ず解決することができます。

ゲーム依存は必ず解決することができます。

ゲームを“やめさせる”のではなく、“うまく利用する”

ゲーム依存を解決するためには、
親御さんが、お子さんとゲームを引き離す努力をするのではなく、
お子さんの性格をきちんと理解して、雑談を大切にすることがとても大切だと
所長で医師の福田俊一は語ります。

子どもの性格をきちんと理解する・・・どうやって?
当センターでは、治療を開始する前に、
親御さんにお子さんのことについて詳しくお聞きし、独自の診断方法で、
カウンセラーがお子さんの生まれ持った性格(気質)を分析します。
その上で、親御さんにお子さんの性格(気質)に合った対応方法をアドバイスします。
まずはじめに、親御さんにはお子さんとの会話(雑談)を活性化させることに
注力していただきます。それが、問題解決への第一歩です。

子どもはゲームに夢中なのに何を話したらいいの?
会話のきっかけはゲームの話題
お子さんが夢中になっていることに、親御さんが興味を持ってあげることがとても大切です。
お子さんのことを知るために、ゲームをうまく利用するのです。
はじめのうちは、簡単に話に乗ってきてくれないかもしれません。
たくさん会話できるようになるには、コツがあります。

親御さんの中には、お子さんのゲーム依存を治すために、
お子さんをどうにかゲームから引き離そうと、
時間制限を強要したり、ゲーム機を取り上げたりする方も少なくありません。
それでうまくいけば良いのですが、
残念ながら、その方法ではうまくいかないことも多く、
お子さんは、自分をゲームから遠ざけようとする親御さんの対応に反発して
癇癪を起したり、心を閉ざすことがよくあります。
こういうお子さんたちに、最も効果的な治療の第一歩は、
お子さんの夢中なことについて興味を持ち、お子さんの話を適切に聞いてあげることです。
夢中なことを認めてあげることは、
お子さんの自尊心を育て、話す力を養うことにつながります。

ゲームに対して嫌悪感のある親御さんは多くいらっしゃると思いますが、
お子さんのゲーム依存を治す踏み台として、
まずは、ゲームをうまく利用してみませんか?

親御さんがお子さんとの会話のコツをつかむと、
お子さんはどんどん元気に話をしてくれるようになります。
そうして、会話(雑談)を活性化させることで、ゲーム依存解決の糸口が見えてくるのです。

会話(雑談)を活性化させることで、ゲーム依存解決の糸口が見えてくるのです。

お子さんの“元気”はゲーム依存解決への通過点

こう語るのは、臨床心理士の福田俊介です。

当センターでカウンセリングを始めてしばらくすると、
ゲームの話題などをきっかけに、お子さんが元気よく話してくれるようになります。
「最近、息子との会話が増えて、とても元気になってきました!もう大丈夫そうです」
と安心しきった様子でお子さんのことについて語られる親御さんはとても多いです。
お子さんが元気になっていく姿は、親御さんにとってとても嬉しい事ですよね。
ですが、これはゲーム依存解決への通過点であって、ゴールではありません。
ここからが勝負なのです。

少し元気になってきたとしても、親御さんが油断せずにしっかりとお子さんへの対応を
続けてくださる(会話のコツをしっかりと守ってくださる)
ことで、
何かに躓いたときに自分で対処できるようになる強いお子さんに成長することができます。

当センターでは、お子さんが一時的に元気になるだけではなく、
将来、自分らしい生き方ができるように、
何かに躓いても自分で立ち上がれる(気持ちの整理をつけたり、上手に立ち回れる)ように、
お子さんが精神的に成長することをゲーム依存解決のゴールと捉えています。

自分らしい生き方を見つけるための“見えない手助け”

お子さんが精神的に成長するために重要なことは、

・ お子さんが自分自身で成長したと思えるような成功体験 ・ 自己肯定感を大きくすること ・ 他人に強制されるのではなく、自分自身で成長すること

それをお子さん1人で成し遂げるのは、とても難しく困難なことです。
誰かの手助けが必要です。
でも、お子さん自身がカウンセリングを受けたり、
あからさまに他人から手助けされたりするのは、拒否されてしまうことがとても多い。

それであれば、お子さんが気づかないうちにどんどん成長できるような手助けをしてあげよう
というのが、当センターの治療方針の一つであり、強味です。

親御さんが普段の生活で、お子さんへの接し方を変えることで、
お子さんがどんどん元気になり、
「なんだか最近、自信が持てるようになったな」
“自分の力で成長した”とお子さん自身が感じることがとても大切なのです。

そんな風に、お子さんに“見えない(気づかれない)手助け”をしてあげられるのは、
親御さんをはじめとした、お子さんに身近なご家族にしかできません。

見えない(気づかれない)手助け”をしてあげられるのは、親御さんをはじめとした、お子さんに身近なご家族にしかできません。

お子さんのために変わろうとする親御さんの想い

今回の勉強会でとても印象的だったのが、勉強会に参加された親御さんの熱心な姿です。
お話を伺うと、勉強会に参加される以前にも、インターネットや本などで勉強されたり、
お子さんのゲーム依存解決に向けて試行錯誤されているということでした。

熱心に勉強されているので、本当にたくさんのことをご存知なのですが、
得た知識の効果的な使い方がわからないというのも、親御さんの悩みのようでした。

せっかくたくさんの努力をされているのですから、
上手に使えるようになるためのコツさえわかれば、お子さんはどんどん成長することができますよ。

上手に使えるようになるためのコツさえわかれば、お子さんはどんどん成長することができますよ。

人生にいきづまることは、成長のチャンスでもあります

お子さんは、まだまだ成長の途中です。
いきづまった時にどう解決すればいいのか
自分らしく強く生きるためにはどうすればいいのかを、これから学んでいきます。

私は勉強会に参加して、親御さんが “見えない手助け”をしてあげることで、
“自分にはどんな生き方ができるのか”
“どんな自分ならイキイキと毎日を過ごしていけるのか”をお子さん自身で考える力がつき、
お子さんのこれからの可能性をグンッと広げてあげることができると感じました。

ジメジメと蒸し暑い梅雨の時期から急に真夏のように暑くなり、
そして、あっという間に夏休み
心と体のバランスが崩れやすいこの時期だからこそ、
親御さんからお子さんへの効果的な手助けが大切です。

次回のゲーム依存でお困りの親御さんへの勉強会は、8月30日(火)に開催を予定しております。

この度は、当センターの勉強会に足を運んでいただきましてありがとうございました。
この勉強会が、皆さまにとって良いきっかけとなりますように。

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2022.07.04  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》原田友美

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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