「いつかやろうと思っていたギターをついに始めました!」
「コーヒーミルを購入し、一から丁寧にコーヒーを淹れることにハマっています!」
コロナ禍で自粛が求められる今、なにかと我慢することが多い毎日ですが、「これを機会に」と新しい趣味を見つけたり、今まで出来なかったことを始められるかたも多いようです。
中には、「子どもと一緒にシイタケときくらげの栽培に挑戦している」という面白そうな話もあり「私も何か挑戦してみたい」という気持ちになりました。
多くのかたが新しい挑戦をしている今、当センターが新しく始めたこと・・・
それは、2021年4月23日(金)に開催された「摂食障害を乗り越えるための親御さん向け勉強会」です!
当センターに多く寄せられるご相談の一つが、「摂食障害」(過食症・拒食症)についてです。
「摂食障害という病気は治りやすいか?治りにくいか?」と問われると「治りにくい」と所長の福田俊一は考えます。その「治りにくい」とされる摂食障害とはいったいどのような病気なのか?家族はどう向き合っていけばよいのか?それらについて悩みを抱える親御さんたちと話せる機会があればと思い、今回このような新しい試みを行うこととなりました。
晴れた日の午前中、少人数で適度な距離を取ることや、常に換気をすることを意識しました。そして、「みなさん、今日はアットホームにね!」という所長の第一声(…しかし初めは、所長もまだ少しカタいような…?!)から始まり勉強会はスタートしました。
プログラム
- 所長福田(医師)からの挨拶
- 摂食障害 ~キレイに解決する場合とこじれる場合~ 所長福田より
- ケース紹介 ~家族の接し方によって摂食障害が解決したケース~ 臨床心理士の福田俊介より
- 今日からできること 所長福田より
- 親御さんの質問コーナー
このような流れで、勉強会は進みました。
摂食障害になるお子さんは、親からの愛情をしっかり受けている場合が多いと所長福田は感じています。そう話す所長福田の言葉で印象的だったのは、
「仲の良い家族の中にある不自由」
です。それは、一体どういうことなのでしょうか。子どものストレスや摂食障害と、どう関係するのでしょうか。私を含め、会場にいる親御さんたちに刺さった言葉であると感じました。
また、摂食障害についての所長福田の考え方や、摂食障害の歴史についてなど、普段テレビや本ではなかなか知ることができないような話もたくさんあり、親御さんたちが「うんうん」と頷く場面も見られました。
摂食障害の治療と、かつて所長が読んだ少年漫画(主人公の前に無敵の相手が現れる。見えているつもりで攻撃しているはずが、実は光の屈折であり、そこに相手はいない…という内容)を紐づけた話では、摂食障害がいかにみえづらい敵であるかが理解できました。目的をとらえ、どこに治療の焦点を置くかが、大切なポイントなのです。
臨床心理士の福田俊介からは、2つの事例を紹介させていただきました。
・真面目で優秀な女の子。ストレスが多く、対人緊張。
・家族に当たり散らす女の子。
1例目では、優しくて常に周りに気を遣っているため、ストレスを抱え込んでしまう女の子のお話。
2例目では、過食を家族のせいにしてしまい、その度に喧嘩になる。しまいには家出をし大変なことになってしまった女の子のお話をご紹介しました。
2例とも、どの家庭でも普通に起こりうるような親子のやりとりやエピソードが多く、効果が表れなかった2か月間の話や、トラブル発生の話、そしてついにたどり着いた解決するまでの流れが、より身近に感じていただけたのではないかと思います。
また、摂食障害の治療において、親御さんの協力がいかに効果を発揮するかを理解しやすい話でもありました。
私は今回の勉強会で、所長や臨床心理士の話だけではなく、来ていただいた親御さんたちからも多くのことを学ばせていただいたと思います。なぜなら、所長から親御さんに問いかける質問に対し、とても丁寧に答えてくださった言葉、親御さんからの質問コーナーでの、一つ一つの質問やそのやりとりに、親御さんたちの想いを強く感じることができたからです。新しい発見もたくさんありました。
親御さんたちと、医師・臨床心理士とで、活気のある話し合いができたことを嬉しく思います。
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勉強会を終えた後、スタッフみんなで反省会を行いました。
「もっとこうすれば良かったのではないか」
「あの時こんな話をしたらもっと良く伝わったかな」
など、様々な意見が出ましたし、改善点もたくさんあります。悔やまれることも多いのですが、学ぶことがたくさんあったので「摂食障害の勉強会をやってよかった!」というのが全員一致の答えでした。今回の勉強会での反省を生かし、次回は更によい勉強会を企画して、また皆様をお迎え出来たらと思います!