摂食障害(過食症・拒食症)の家族療法

ここ十年間で十倍に増えた摂食障害(過食症・拒食症)

淀屋橋心理療法センターで二番目に相談の多い摂食障害(過食症・拒食症)が、ようやく一冊の本にまとまりました。店頭に本が並んだとたんにテレビ局から取材依頼が舞いこんでくるなど好調な一歩をふみだすことができました。そこで今回はこの本の内容を簡単にご紹介します。

幅ひろい年齢層からひろい上げた6つの症例

ケース1:思春期の摂食障害 過食症 16才

食べることとやせることで頭がいっぱい(素直な良い子から脱皮、自己主張できだした)

ケース2:OLの摂食障害 過食症 22才

職場のストレスから過食に(仕事にやりがいを見つけるまで)

ケース3:おだやか家族と摂食障害 過食症 20才

家族への気づかいが噛み合わずに過食に(両親に言いたいことがやっと言えた)

ケース4:いじめと摂食障害 過食症 17才

中学時代にいじめられた心の傷から過食に(支えあって親子の信頼を取り戻す)

ケース5:自分さがしの旅と摂食障害 拒食症 31才

やせに生きがいを見いだした15年(バイト料で両親にプレゼントをするまで)

ケース6:夫婦の葛藤と摂食障害 過食症 36才

家事・育児・仕事と三重ストレスから過食に(気づきと歩み寄りで話し合える夫婦に)

小学生の高学年にもみられる発症の低年齢化が心配

「私もあんなスマートなからだになりたい」と、ダイエットをはじめる年齢が低くなっている。正しいダイエットもしらず、むやみに食を減らすことから拒食症になったりする。

「食べたい。でも太るのは恐い」

過食症をブリミアという。お腹をすかせた牛のように大食いするという意味がある。食べずにいられない食への衝動。また食べたあと必ず「またやってしまった」と、自分の意志の弱さから自己嫌悪に落ち込んでいる。そんな自分に追い打ちをかけるように「出さなければ太る」恐怖が襲いかかる。おう吐でだすためトイレやお風呂にかけ込んだり、下剤や利尿剤を使ってだそうとする。

養護の先生によって発見されることが多い

体操の時間にめまいや貧血で倒れたり。また顔色もよくないし、最近急激にやせてきたりしたときは要注意。足やほっぺたがむくんでいないか気をつけて。過食症の30%の子どもにこのむくみがみられる。ポケットに下剤を持ち歩いている子もいるのでそれとなく気をつけてみよう。

摂食障害 過食症の早期発見チェックリスト

食べ物のことばかり話題にする。

たくさん食べているのに、すこしも太らない。

食べたあと、必ずトイレに行って長時間出てこない。

「食べだすと止まらない」とか「食べだしたら止めてね」と言う。

食べたあと、ゆうつそうにふさぎこむ。

「ケーキは○○のでないと」とブランドにこだわる。

「自分がきらい」と、自己否定感が強い。

「迷惑かけてる」「申し訳ない」など、気づかい発言が多い。

なんでも完璧でないと気がすまない性格だ。

自分を抑え、まわりにあわせる気づかいが強い。

摂食障害 拒食症の早期発見チェックリスト

顔色が悪く、さいきん急激にやせてきた。

体育の時間によくふらついて保健室にくる。

体重計にのって、何度も体重をはかる。

○○キロ増えたとかやせたとかにこだわる。

傍目にはやせているが、自分では「太っている」と思いこんでいる。

お弁当(給食)を食べるのが遅い、または、よく残す。

食物のもつカロリー値をよく知っている。

カロリー値の低いものばかりを食べる。

やせてきたのに身体の病気がみあたらない。

身体を人一倍動かして、よく運動する。

2019.04.17  

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

1.小学生の不登校

原因不明の不登校 「いじめはないみたいだし、勉強にもついていけてるはずなんだけど・・」。小学生の我が子が登校をしぶりだしたものの、はっきりした原因がわからない。原因がわからないから強く押していいものか、無理をさせない方が […]

2.心身症タイプの不登校

「心」のストレスが「身体」にでる「心身症」 古くから「病は気から」と言われるように心と身体は密接に結びついていて、互いに影響を与えあっています。では、心のストレスが身体の症状となって現れる心身症はどうして起こるのでしょう […]

3.摂食障害(過食症・拒食症)の家族療法

ここ十年間で十倍に増えた摂食障害(過食症・拒食症) 淀屋橋心理療法センターで二番目に相談の多い摂食障害(過食症・拒食症)が、ようやく一冊の本にまとまりました。店頭に本が並んだとたんにテレビ局から取材依頼が舞いこんでくるな […]

4.対人恐怖症・対人緊張症タイプの不登校

「対人恐怖症・対人緊張症」とは・・・ 「人と目が合わせられない」「周囲の視線が気になる」「人と話をするとドキドキする」「自分の態度が相手に不快感をあたえているのではないか」。このように、人と接する時の辛さ・しんどさを訴え […]

5.非行タイプの不登校(非行っぽい子の意外な素顔)

「非行」は「怠け」? 学校はちょくちょく休むし、来たかと思えば遅刻に早退。まじめに勉強する気もないみたい。おまけに茶髪・ピアスに服装違反。きびしく注意しても効き目なし。親の注意もなんのその。いつも帰りは午前様。いったいこ […]

6.不登校…休み始めたらすぐ動く!

「見守りましょう」の落とし穴 新学期のスタートをきっかけに再登校できる子もいれば、機会を逃して休み続ける子や、新しい環境になじめず休み始める子もいます。とりわけ、不登校に縁のなかった親御さんにとっては新学期早々のつまずき […]

7.明るい不登校

急増する「明るい不登校」 不登校になった初めのころは部屋にこもったり、親と口をきかなかったT夫。今ではTVをみて笑ったり、雑談もできるほどに落ちついてきた。気分のムラもなく学校に行っていないことを除けばいたって普通。そん […]

8.家庭内暴力(子が親や兄弟姉妹へ暴力をふるう)タイプの不登校

内面(うちづら)と外面(そとづら) 家庭で荒れる子の多くは、学校ではおとなしく目立たない子が多いようです。注意をしても反発する様子もないし、口ごたえもしない。むしろ扱いやすい子かもしれません。ところが、家庭での様子をきく […]

9.いじめ不登校

「長いものには巻かれろ」 ひと昔前ならクラスに一人二人は「正義の味方」がいたものです。それが今では「長いものには巻かれろ」主義が横行し、いじめられた子をかばうとその子までがいじめられてしまう世の中になってしまいました。「 […]

10.ぎりぎりタイプの不登校(高校生のギリギリ再登校)

ギリギリ再登校を願う気持ちに変化が・・ 三学期に入り、あっという間に二月三月・・。とうとう学年末を意識する時期になってしまいました。これまで「一日でも早く再登校を」と望んでこられたご両親や先生方。不登校が長期化してこの時 […]

関連記事

2009.02.04

質問4:父親をきらう、悪く言う

Q4:「お父さんきらい。顔をみるのもいや」と、父親をきらっています。仕事から帰ってきても「お帰り」も言わず、プイッと部屋に入ってしまったりします。父親は父親で「いつまで食べ吐きやっとるんや」と批判的です。あいだにたって母 […]

立ち直りかけたとき、うつの波が押し寄せて

第一志望の大学に合格しました!と、喜びもつかのま 中学一年のとき、ダイエットから過食症におちいってしまった。食べたり吐いたり、こんな繰り返しがもう七年も続いている。楽しいはずの青春を、自分はいったいなにしてるんだろう。着 […]

2023.04.06

学生・社会人の一人暮らしは
過食症を治す上での大きなチャンス

当センターのように、親子の対話を通じてお子さんの過食症を治す方法では、一人暮らしというのは、過食症を治す上でとてもチャンスになります。 なぜならば、一人暮らしを開始すると初めて経験することが色々とあるため、話題が増えてコ […]

記事一覧へ