痩せることに執着する気持ちをケアする

★「過食症を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を5月17日に開催しました★

<ダイエットは本能との闘い>

「私は太っている。痩せたい。どうしても痩せたい。スリムになれば明るい未来が待っているはず。どうすれば良いのだろう?」 ダイエットに関する情報は世に溢れています。ネットで徹底的にリサーチし、手探りで、ありとあらゆる方法を試します。

しかし・・・食欲という強力な本能との、辛く長く果てしない戦い、ほとんどの時間は勝てたとしても、最後には負けてしまう。「ああ、もうガマンできない!」そして、「どうしてこんなに食べてしまったんだろう、なんて自分はダメなんだ・・・」と自己嫌悪。そしていつのまにか、痩せる事が人生の何よりも優先される、一種の「ダイエット教」の虜になってゆくのです。

ダイエットは本能との闘い

所長で医師の福田俊一によれば、過食症は、服薬やダイエット法、あるいは栄養指導ではなかなか改善しない場合も多いのです。説得や叱責は高確率で失敗に終わります。 ではどうすれば良いのでしょうか?過食症の子は、ダイエットが心の拠り所になっているので、それに代わる「精神的な柱」を見つけられるよう支援し、痩せる事に執着する気持ちをケアする。一人で柱を作り上げるのは困難なので、母と子の共同作業で作っていく、ここがポイントなんですね。

服薬やダイエット法、あるいは栄養指導ではなかなか改善しない場合も多い

<ケース紹介>

 続けて、臨床心理士の福田俊介から、当センターのカウンセリングで、薬を使わず過食症が治癒した2つの事例が紹介されました。

• 「過食した後に家族に当たり散らす20代女性のケース」
• 「真面目で優しくNoと言えない30代女性のケース」

筆者が関心をひかれたのは、摂食障害の子は顔色を読むことに長けているので、親が興味がないのに、子どもの話に「興味があるフリ」をしてもバレてしまう。なので、まずはお子さんの趣味にもっと興味を持つようにする。また「約束」をとりわけ重視する人が多いので、たとえ口約束であっても守らないと信頼を損ねやすい、という点です。

また、2つ目の「優しすぎてノーと言えず、損な役目を押し付けられやすい女性」のケースでは、弱気な娘に業を煮やした母親が、「そんなのは断りなさい!」「言い返しなさい!」などと忠告していましたが、それは効果がないので止め、別のアプローチをして頂きました。そのことで、お子さんは自分を上手に主張できるようになりました。

どちらのケースも、本人の性格に合った対応をする事で過食が徐々に減って、最後には止まり、イキイキと毎日を過ごす事ができるようになったのです。

本人の性格に合った対応をする事で過食が徐々に減って、最後には止まり、イキイキと毎日を過ごす事ができるように

<Q&Aコーナー>

「娘は3年前からダイエットをはじめ、大量に食べては毎日のように吐いているが、仕事はできていて、恋人や友達も居るし、ハッキリ自己主張し、自信もあるように見える。どこに問題があるか良く分からないが、どう考えれば良いか?」という問いに対し、所長からは、「典型的なケースではないが、ダイエットを契機に痩せる事に執着しているのは同じ。お子さんへの接し方に改善の余地はあるはずなので、母子の会話を見直し、よりお子さんのエネルギーが出せるようになる喋り方を身につけて貰えるよう支援します。」という回答がありました。

お子様の過食に悩まれている親御さん!どうか勇気を出して、当センターまでお電話ください。経験豊富なスタッフが、親身にお話を伺います。一本の電話・・・・それが、解決への大きな一歩になります。

2022.06.17  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》公認心理師 益子玄一郎

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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