【不登校】「仕事をしている母親」と「不登校の子」

更新日:2015.03.12

2月に「川崎市中一少年殺害事件」が起こり、現在も捜査が進んでいる最中です。この中一の被害者少年のお母さんも仕事をされていたことは報道の通りです。川崎市は大阪からは離れているとは言え、決してよそごとではありません。しかも殺人(殺害)事件です。

母親からすると・・、仕事をしているため

子どもの登校時間より先に出勤するので、登校したかどうか確認できない

休んでいる子が(仕事中のため)昼間に何をしているかわからない

仕事から帰ってからも夕食の準備に追われてゆっくり子どもの話を聴いてやれない

・・・。これは、当センター不登校のご相談にこられた親御さんの声のほんの一例です。しかし、最近は本当に多くの親御さん(母親)が仕事をされているんだなと感じます。

また、母親の中には、

子どもの登校を見届けてから出勤しているのに、私(母親)が出勤した後に帰ってきてしまう

朝から家を出て、夕方帰ってきていたが、どうも公園やショッピングセンター・ゲームセンターで時間を潰して帰ってきていたようだ

など、たとえ母親が勤務時間を工夫してもこんなことをする子まで。不登校の子の行動・実情は実に多様なのです。

しかしながら、私どもの不登校のカウンセリングの経験の中では「母親が仕事をしている子=不登校になりやすい」はあまり因果関係がないように思います。母親が専業主婦で家にいても学校を休む子は休むのです。

カウンセリング中、「子どもを再登校させるためには仕事をやめた方がいいんでしょうか?」と、このようなご質問をよくお聞きしますが、そのほとんどは「ノー」といって良いでしょう。「仕事を続ける・辞める」でなく、工夫したり改善できる部分はもっと他にあるのです。

また、仕事をしているがために、子どもと話(会話)をする時間が少ないという点に問題意識を持っておられる親御さんもおられますが、実際には「(会話する・一緒にいる)時間の長さ」というよりは「短い時間でも、いかに大事な話ができるか」ということがポイントなのです。対応のコツさえつかめば、一日30分や1時間ぐらいでも十分ということがよくあります。

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2015.03.12

1.【不登校】「仕事をしている母親」と「不登校の子」

2月に「川崎市中一少年殺害事件」が起こり、現在も捜査が進んでいる最中です。この中一の被害者少年のお母さんも仕事をされていたことは報道の通りです。川崎市は大阪からは離れているとは言え、決してよそごとではありません。しかも殺 […]

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