【不登校】朝に腹痛や頭痛を訴えて学校を休む子(心身症タイプの不登校)

更新日:2013.12.05

淀屋橋心理療法センターのカウンセリングでは、いろいろなタイプの不登校の解決のお手伝いをしています。その中で「朝になると腹痛や頭痛を訴えて登校できなくなる」という「身体に何らかの症状が現れる子」のご相談はとても多いのです。

その多くは心理的な要因で発症している場合が多いのですが、あいにく当センターでは医学的な検査はできません。もし子どもさんが腹痛や頭痛を訴え、症状が何日も続く場合は内科・小児科などの医療機関(クリニック・病院)にて検査をうけていただいた上で当センターを受診していただけると安心です。「(医学的には)問題なし」となった場合は、いわゆる「心身症タイプ」の不登校の傾向があるかどうかを初めてカウンセリングに来所された時に問診にてチェックさせていただきます。

心身症タイプ」の子には独特の性格や持ち味の子が多く、それはとても学校などの対人関係の場において「とても優しい子・気遣いのできる子」という印象を持たれる場合が多いようです。また、心因性のストレスによる腹痛や頭痛ならば、欠席が決まったら治まってきたり、お昼ぐらいには自然と症状がなくなる子が多いようです。ところが、次の日の朝になると「お腹が痛い・頭が痛い」という症状が現れるのです。ところが、土日など学校が休みの日には不思議と症状が出ないのです。

このような場合は「登校しなければ」と、意識すると強いストレスを感じ、自然と身体が反応していると考えられます(実際には、本当に症状が出て苦しい場合と、学校を休むための言い訳に使っている場合の二つのケースがあります)。

このような「心身症タイプ」の不登校の子は、カウンセリングによって一定の方向に導いてやれば比較的短期に症状が改善することが望めます。当センターの家族療法によるカウンセリングで親御さんに対応の主役を担っていただくのが理想的でしょう。

また、心身症タイプの不登校の子の中には、自分のストレスを言葉で説明するのが苦手だったり、ストレスそのものに対しての自覚や認識がない子も意外と多いのです。そのため、不登校の子が自己ストレスをしっかりと言語化できるようにするためにも、親御さんにカウンセリングで頑張っていただきます。

親の対応によって「子どもの症状は治まる」上に、「ストレスを違う形で発散する方法を見つけることができる」となってくれば、不登校の原因や再登校についての不安などについても、しっかりと相談できるようになってきます。

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2013.12.05

1.【不登校】朝に腹痛や頭痛を訴えて学校を休む子(心身症タイプの不登校)

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