【不登校】「やるべきこと」VS「やりたいこと」

更新日:2020.05.09

不登校の子にとって「やるべきこと」は何といっても「登校すること」、次に「勉強」でしょうか。また、ご家庭によっては、これに加えて「早寝早起き」「三度の食事」「毎日の入浴・歯磨き」「外出・運動」などを重要視される親御さんも多いかもしれません。これらが大体「定番」と言っても良いかもしれません。

一方、不登校の子どもさんにとって「やりたいこと」とは何でしょうか?。「ゲームがしたい」「フィギュアを集めたい」「○○のライブに行きたい」「カラオケに行きたい」「友だちと遊びたい」「パソコンを組み立てたい」「YouTubeで動画を観たい」など、子どもさんの年齢・性別・趣向によって異なってくるでしょう。

一概には言えませんが、「やるべきこと」を優先するがあまり、子どもさんの「やりたいこと」を全て禁止したり否定してしまうと、再登校についてはマイナスに働くことがあります。もちろん、好き放題やらせて「ネット依存・ゲーム依存」になってもこまりますし、「○○買ってくれたら(学校に)行く」という「行く行く詐欺(サギ)」には注意が必要です。

重要なポイントは、子どもさんの「やりたいこと」が、再登校の「モチベーションアップ」「やる気スイッチ」につながるかどうかです。そのあたりを、カウンセリングを通じて子どもさんの情報をしっかり集めた上で見極めていきます。

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2015.06.23

1.【不登校】「やるべきこと」VS「やりたいこと」

不登校の子にとって「やるべきこと」は何といっても「登校すること」、次に「勉強」でしょうか。また、ご家庭によっては、これに加えて「早寝早起き」「三度の食事」「毎日の入浴・歯磨き」「外出・運動」などを重要視される親御さんも多 […]

関連記事

2015.07.16

【不登校】「何でもきいてやりなさい」の注意点

不登校のご相談で来所される親御さんによると、病院のカウンセリングやスクールカウンセリングなどでは、「見守りましょう(従来からよくあるアドバイス)」は元より、「(ゲーム・スマホは)好きなだけやらせなさい。そのうち飽きるから […]

2021.08.23

「不登校を乗り越えるため親御さん向け勉強会」を開催しました!

「不登校の子ども、見守るだけ本当にいいの?」 長い夏休みも終わりを迎えようとしています。 今年の休みは自粛中ということもあり、なかなか予定を立てられなかったかたも多いのではないでしょうか。 7月30日に開催した不登校勉強 […]

2020.12.15

不登校を乗り越えるための 親御さん向け勉強会」を開催しました!

2020年も残すところあと数週間となりました。今年は、日々の生活スタイルが急速に変わった1年でした。きっと多くの方が戸惑い、これから先、当たり前の暮らしが戻ってくるのか、不安に思われているのではないでしょうか。そんな中、 […]

記事一覧へ