【不登校】高校入学早々に「やめたい!」と言い出す子
四月も二週目になると、すでに高校の「入学式」を済まされた子も多いことでしょう。不登校の子の親御さんにとって「高校入学」は、「願ってもないやり直しのチャンス」である一方、「高校でもまた不登校になってしまうのでは・・」と不安がぬぐえないなど様々でしょう。
それでも、なにしろ「入学式」という第一歩を踏み出してくれたとしたら、「このまま何とか卒業まで・・」と、つい期待感も生まれてしまうのではないでしょうか。
そんな中、たった一日や二、三日学校に行っただけで「やっぱりあの高校はイヤ!。やめたい!」と言い出す子がいます。親御さんが慌てて理由をきいても「とにかく合わない!」「あんなん違うねん!」と曖昧な返答しかせず、必死で説得しても「イヤや、もう通信(通信制高校)にかわる!」「やめて高認(高等学校卒業程度認定試験)とって大学いくし!」と頑なな態度を変えてくれないのです。
当センターの不登校のカウンセリングにも、入学してすぐに不登校になってしまった子や、高校に入学したものの上記の事例の子と同じように、すぐに「やめたい」と言い出す子のご相談はけっこうあります。
入学してすぐに高校を嫌がる子で多いのは、「受験する高校の決め方が不本意だった」「早く友だちを作ろう・クラスで目立とうとしてテンションを上げすぎた」「期待が高すぎて、理想通りの高校でないことがわかりショックが大きかった」・・などが発端である場合が多いようです。
こんなことも、中三の時にカウンセリングに通っていただいていたら、ある程度は高校のスタートの切り方が予想できるようになります。そんな時は「こんな心配があるので、このような先手を打っておきましょう」「こうなった時はこうしましょう」といった相談が親御さんとカウンセラーとの間で事前にできることもあるのです。
2015.04.24 著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一
記事内容の監修医師
淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一
- 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
- 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
- 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
- その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
- 著書多数。
シリーズ記事
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2015.04.24
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