【不登校】ニキビが気になるから行けない・・実は

更新日:2014.10.16

不登校の子の中でも中学生・高校生といえばまさに思春期ど真ん中。そんな子たちの中に、「外出する時はマスクを欠かせない子」が時々おられます。

いくら母親が「暑いでしょー、マスクとったら?」と言っても、「いや!ニキビがあるから!」と、外出時は暑い時でもどんな所に行くにもマスクをつけたまま。母親からみたら気にするほどのニキビでもないのに・・。また、ニキビを理由に学校に行けないと言われてしまうと放ってはおけないのは親としては当然のこと。ニキビの治療に皮膚科に行く子もいれば、病院に行くのを嫌がり市販薬で治したがる子もいます。いずれにしても、親からすれば子どものニキビは、気にするほどではないぐらいごくごく小さなものなのです。

理由はともあれ、不登校は不登校。不登校が長引いてきて、ようやくカウンセリングに相談に来られる親御さんが多いのです。淀屋橋心理療法センター不登校専門外来では、マスクを手放せない子をはじめ、パーカーを目深(まぶか)にかぶる子、親からみたらうっとうしいぐらいに前髪をのばしている子など、「」や「見た目」のことを気にする子の相談が多数よせられています。

マスクのメリットはなんといっても、顔の半分が隠れること。思春期の不登校の子は単純にニキビだけを気にしているというよりは、「自分の顔を見られなくない」という心理が強く働く子が多いようです。たいていは、対人関係で何らかのトラブルがあったり、友だち関係で浮いてしまっていたり、中には「自分自身に自信がもてない」という子など様々です。そんな場合は、いくら「ニキビ」「マスク」という話を親子でしたところでラチがあかないというのが現実です。いわゆる「対人恐怖症・視線恐怖症・対人緊張症」という問題が根本にある場合が多いのです。

不登校のカウンセリングは、子どもさんの対人関係をはじめ、どんな話題をどのように発展させていけばマスクの必要性がなくなっていくのか、どんな話題が出てくれば再登校が見えてくるのか、子どもさんの抱えている悩みや問題点について、具体的で効果的な話ができるようにと導き根本的な解決をめざすカウンセリングです。

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2014.10.16

1.【不登校】ニキビが気になるから行けない・・実は

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