【好評につき第2弾】カウンセリング 失敗しやすい例~こんなところに落とし穴が!?

更新日:2026.10.05
【好評につき第2弾】カウンセリング 失敗しやすい例~こんなところに落とし穴が!?

淀屋橋心理療法センターのホームページには成功した事例がたくさん紹介されていますが、カウンセリングが失敗に終わってしまうケースも存在します。

今回は、前回好評だった カウンセリングに失敗しやすい例 3選 に続いて、「こんなことが失敗に繋がるの!?」という意外な落とし穴を、カウンセリング事例を通して臨床心理士・福田俊介がご紹介します。

ぜひ前回の記事とあわせてご覧ください。

この記事の執筆者
カウンセラー:福田俊介(ふくだ しゅんすけ)
福田俊介(ふくだ しゅんすけ)
臨床心理士・公認心理師(国家資格)。家庭内暴力をはじめ、不登校・過食症・リストカットにおいても高い治療成績を上げる。大阪府公立学校スクールカウンセラーとして現場に立ちながら、養護教諭や行政機関の専門職向けに研修・講演も精力的に行っている。

カウンセリング失敗は、なんといっても“親の油断”にあり

カウンセリング失敗は、なんといっても“親の油断”にあり:カウンセリング(失敗しやすい例)

カウンセリングでお子さんの状態が良くなってくると、必ずといっていいほど起きてしまうのが

「親御さんの油断」

親御さんの気が緩んだときに何が起きるのかというと…

1.カウンセリングで身に着けた良い対応を怠ってしまう→2.親子トラブルが起きていた当初の対応方法に戻る→3.お子さんが調子を崩す:カウンセリング(失敗しやすい例)

せっかくコツコツと上手に積み上げてきた積み木が、ドドドドド…と音を立てて次々と崩れていってしまう…。そのような非常にもったいない状況となってしまいます。

「油断」は、誰もが陥りやすいカウンセリング失敗の代表格。

実際に当センターでカウンセリングを受けたお母さんの実体験手記でも、
ちょっとした気の緩みから娘さんが荒れてしまった話が詳しく描かれています。

では、今回のテーマである「カウンセリングの意外な落とし穴」とはいったい…?
カウンセラーが厳選した3つの事例を、さっそく見ていきましょう。

カウンセリング失敗例①:子どもとカウンセラーを強引に会わせようとした

カウンセリング失敗例①:子どもとカウンセラーを強引に会わせようとした:カウンセリング(失敗しやすい例)

――難しい相談内容になればなるほど、お子さん本人が当センターに来所しても埒が明かないことが多い。

残念ながら、それが現実です。

淀屋橋心理療法センターは基本的には親御さんのみカウンセリングを受けるスタイルですが、その手法をいくら説明しても、なんとかお子さんとカウンセラーと引き合わせようとする親御さんがいます。

その背景には、おそらく、
「カウンセラーとお子さん本人が会ったら解決が早くなるんじゃないか」

という親御さんの期待があると思います。

あるとき、不登校のお子さんをもつお父さんがカウンセラーにこう言いました。

うちの息子が福田先生にぜひ会いたい、とても聞きたいと言っています。
そこまでおっしゃるんだったら…。

いざ息子さんが来所すると…

・・・・・・・・・。

あまりしゃべらないのです。

君のお父さんによると、君が僕にすごく会いたがっていると聞いたんだけど…。
そんなこと言ってません…。
お父さんが、俺の知り合いにカウンセラーがいるから会ってみないか、と言ったから、「うん」とだけ言った。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。

カウンセラーにお子さんを会わせたい! という気持ちから、
話をすごく盛ってしまう親御さんがいます。
しかし、強引に会わせようとしても現実はうまくいかないものです。

突然見知らぬカウンセラーを目の前にして、
「実は…」と心のうちを喋り始めるお子さんは果たしてどれほどいるでしょう。

なぜお子さん本人の来所がなくても問題解決に導くことができるのか。
当センターを創立した精神科医・福田俊一がyoutubeで解説しています。よければご覧ください。

カウンセリング失敗例②:奥さんを守りすぎたご主人

:カウンセリング(失敗しやすい例)

カウンセリングを行うなかで、奥さんのことが大好きな優しいご主人にお会いすることがあります。しかし、奥さんのことを守りすぎると、どうなるでしょう。

カウンセラーは、カウンセリングを通してお子さんへの関わり方を教えます。
2回、3回とカウンセリングを重ねるなかで、

頭では理解してるけどなかなか実践できません…

という方は一定数いらっしゃいます。

お母さん、ここは大事なところなんです。頑張って身につけてくださいね

すると、優しいご主人が…

先生、これ以上妻に言わないであげて。

一生懸命頑張っているけど報われない奥さんを目の前に、
ご主人からしたらいてもたってもいられないのだと思います。

しかし、ご主人がそうやってカウンセラーに釘を刺してしまうと、カウンセラーは奥さんに対してアドバイスができなくなってしまいます。

その結果、

1.奥さんの対応が変わらない→2.子どもが元気にならない→3.結局奥さんは傷つく:カウンセリング(失敗しやすい例)

という負のループに陥ってしまいます。

ご主人の役目はカウンセラーに釘を刺すことではありません。
家事を手伝ってあげる、奥さんの悩みや愚痴を聞いてあげるなど
ほかの場面で奥さんをサポートいただけると嬉しいです。

ほかの場面で奥さんをサポートいただけると嬉しい:カウンセリング(失敗しやすい例)

親御さんとカウンセラーが同じ目標に向かって、一丸となって頑張っていきましょう。

カウンセリング失敗例③:子どもの同棲、結婚を機にパートナーへ丸投げ

カウンセリング失敗例③:子どもの同棲、結婚を機にパートナーへ丸投げ:カウンセリング(失敗しやすい例)

娘が結婚することになったのでカウンセリングは辞めます
彼氏と同棲するそうなので、私もひと安心です。

お子さんが結婚・同棲したら、もうパートナーに任せたらいいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実際、親御さんの肩の力もふわっと抜けるのでしょう。
カウンセリングにもピタッと来なくなってしまうのです。

カウンセラーとしては、
「もう少しカウンセリングに通ってくれたら再発しにくい、安定した状態が望めるようになるのにな…」
と思うことは正直あります。

一緒に住む人ができたら、結婚したら、不安定で成長途中だった人間の心はしっかりと安定するのでしょうか。

一緒に住む人ができたら、結婚したら、不安定で成長途中だった人間の心はしっかりと安定するのでしょうか。:カウンセリング(失敗しやすい例)

実際に、娘さんの結婚を機にカウンセリングを終了した親御さんがいらっしゃったのですが、しばらくして、お困りごとを抱えていたご本人の旦那さんから「妻の状態が悪いんです…」と困り果てて相談の問い合わせが来たこともありました。

ご本人の旦那さんから「妻の状態が悪いんです...」と困り果てて相談の問い合わせ:カウンセリング(失敗しやすい例)

お子さんが結婚・同棲しても、本質的な解決には至らないこともあります。ぜひ、カウンセラーが「カウンセリングを卒業しましょう」とお伝えするまでカウンセリングを継続してみてほしいなと思います。そのときには、また違う景色が見えてくるはずです。

また違う景色が見えてくるはず:カウンセリング(失敗しやすい例)

カウンセリング失敗例④:子どもの受験が終わり、モチベーションダウン

カウンセリング失敗例④:子どもの受験が終わり、モチベーションダウン(失敗しやすい例)

受験が終わると、お子さんの問題そのものはまだ解決していないにもかかわらず、親御さんのカウンセリングへのモチベーションが下がり、来所されなくなってしまうことがあります。

特に多いのが、大学受験が終わったタイミングです。

ある男の子は、イライラすると物を投げたり、壁に穴を開けたり、親御さんに暴言を吐いたりすることがありました。

ある男の子は、イライラすると物を投げたり、壁に穴を開けたり、親御さんに暴言を吐いたり:カウンセリング(失敗しやすい例)

高校3年生のときからカウンセリングが始まり、大学受験が終わるまで、ご両親はとても熱心にカウンセリングに取り組んでくださいました。

私は以前から、ご両親にこうお伝えしていました。

「カウンセリングのゴールは、大学に合格することではありません。息子さんがイライラしたとき、暴力的な行動に頼らず、自分の気持ちを適切に表現できるように成長させましょう」

ところが、希望していた大学への合格が決まると、ご両親はカウンセリングにぱったりと来られなくなりました。

ところが、希望していた大学への合格が決まると、ご両親はカウンセリングにぱったりと来なくなり:カウンセリング(失敗しやすい例)

いつしかご両親の中で、カウンセリングのゴールが「息子さん自身の成長」から「大学に合格すること」へと、少しずつ変わっていっていたのかもしれません。

それから3か月後、ご両親から再び連絡がありました。

それから3か月後、ご両親から再び連絡があり:カウンセリング(失敗しやすい例)

大学に合格した直後は、本人もとても機嫌よく過ごしていたそうです。しかし、しばらくすると大学生活に不満を感じるようになり、授業を欠席することが増えていきました。

さらに、深夜や早朝など時間に関係なく親御さんに電話をかけ、
「お前たちのせいで、俺の人生はうまくいかない!」
と怒鳴ることも増えていったそうです。

「お前たちのせいで、俺の人生はうまくいかない!」:カウンセリング(失敗しやすい例)

受験合格は、一つの大切な節目です。しかし、それがカウンセリングのゴールとは限りません。

高校から大学へ、大学から社会へと環境が変われば、新しいストレスや人間関係の問題に直面することもあります。

大切なのは、目の前の受験を乗り越えることだけではなく、お子さん自身が、思い通りにならないことやストレスに直面したときにも、それに対処しながら社会に適応していけるように成長することです。

そのため、受験が終わったときこそ、「合格したからもう大丈夫」と考えるのではなく、当初の問題がどこまで改善しているのかを振り返り、 カウンセリングを終えるタイミングを慎重に判断することが大切です。

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

シリーズ記事は見つかりませんでした。

関連記事

2023.11.30

淀屋橋心理療法センター ほのぼの日記:ごほうびの使い道は何にする?【その2 戸塚&原田編】

淀屋橋心理療法センター ほのぼの日記 ごほうびの使い道は何にする?【その2 戸塚&原田編】 淀屋橋心理療法センターほのぼの日記【ごほうびの使い道は何にする?】 第二回 「なんでもいいから、これで好きな事をしてきて […]

2024.07.11

アメブロはじめました!淀屋橋心理療法センタースタッフおすすめ【Ameba記事5選】

今回は、淀屋橋心理療法センターのアメーバブログ、通称“アメブロ”をご紹介します。 スタッフが日々の生活で気付いたこと、育児の悩み、心に響いた出来事、本やマンガを読んで感じたこと、当センターの様子などなど。ゆったりと軽やか […]

2021.04.20

Instagram始めました

いつもホームページをご覧いただき、ありがとうございます。 実は淀屋橋心理療法センター、Instagramもやっています。当センタースタッフが撮影した季節のすてきな写真を掲載するアカウントは以前からあったのですが、この度ス […]

記事一覧へ