小学生の激しい癇癪で子育てが限界…親が知っておきたい対応法と座談会のご案内

更新日:2025.09.01
小学生の激しい癇癪で子育てが限界…親が知っておきたい対応法と座談会のご案内

毎日の子育てに疲れた親御さんへ

「夜中に泣き叫んで眠れない」
「兄弟への配慮で自分の時間がほとんどない」
「近所への迷惑が心配で外出も気になる」

小学生の激しい癇癪を持つ子どもを育てる日々は、想像以上に大変です。
親御さんの中には、「もう限界…」「このままでは子育てを放棄してしまいそう」と感じる方も少なくありません。

毎日の生活は、子どもの泣き叫びや怒りに対応するだけで精一杯。
つい自分を責めてしまったり、怒りすぎて自己嫌悪に陥ることも…。
でも、どうか一人で抱え込まないでください。

このレポートでは、癇癪を持つお子さんの特徴や親御さんの悩み、具体的な対応のヒント、そして安心して話せる意見交換会のご案内をまとめています。
読み進めることで、「うちだけではないんだ」と少しでも安心していただければと思います。

「うちだけではないんだ」と少しでも安心していただければ:カウンセリング(子どもの癇癪(かんしゃく))

激しい癇癪とは?子どもの特徴を知る

小学生以上でも起こる癇癪は、赤ちゃんの単純な泣き方とは違います。
特に淀屋橋心理療法センターで扱うケースは、一般的にイメージされる“癇癪”よりもはるかに強烈で、親御さんの生活に深刻な影響を与えるレベルです。

  • 「今じゃなきゃ嫌だ」と譲らない
  • 強い「こだわり」を持ち、思うようになるまで泣きわめく
  • 「感情の大爆発」「不機嫌」
  • その場に合った行動をとるのがとても苦手
  • 言葉で自分の気持ちをうまく伝えられない

激しい癇癪とは?子どもの特徴を知る:カウンセリング(子どもの癇癪(かんしゃく))

こうした行動は、親のしつけが原因ではありません。
親御さんが「手がつけられない」と感じるのは自然なことであり、ご自分を責める必要はありません。

さらに、段取りや予定が崩れた瞬間にパニックになるケースもあります。
これは、お子さんの持つ特性のひとつであり、成長や経験を通じて少しずつ対応力を身につけることもできるのです。

親御さんの悩み・苦しみ

親御さんの悩み・苦しみ:カウンセリング(子どもの癇癪(かんしゃく))

激しい癇癪を持つ子どもを育てる中で、親御さんはさまざまな不安や疲れを抱えています。

  • 夜中に泣き叫ばれ、十分に睡眠がとれない
  • 「近所迷惑では・・」と気が休まらない
  • 他の兄弟への配慮でさらに神経を使う
  • 怒りすぎて自己嫌悪に陥ることもある
  • 「誰にも話せない」と孤独を感じる
  • ギブアップ寸前まで追い込まれる

親御さんから届く声には、このようなものがあります。

「この癇癪はいつまで続くのでしょうか?」
「私の育て方が悪いのでしょうか?」
「周りの人に言ったら変に思われないか不安です」

毎日の激しい癇癪への対応は、心も体も限界を超えるほどの負担です。それでもここまで向き合い続けてこられたこと自体が、親御さんの大きな力と愛情の証です。

泣き叫ぶ子が“言葉で伝える子”へ──親御さんとカウンセラーで育むお子さんの成長

カウンセラー

福田俊介(ふくだ しゅんすけ)

臨床心理士・公認心理師(国家資格) オレゴン大学卒業(University of Oregon Bachelor of Science) 自動車関連会社勤務後、兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 人間発達専攻 臨床心理学コース卒業 不登校過食症リストカット で高い治療成績を上げています。
大阪府公立学校スクールカウンセラー

2025年7月28日(月)に行われた激しい癇癪のお子さんを持つ親御さん向けの治療説明会では、臨床心理士・福田俊介は、事例発表の中で次のようなケースを紹介しました。

あるお子さんは、激しい癇癪をおこしていた頃、「今すぐチョコレート買ってこい!」と夜中に泣き叫んで手がつけられなくなってしまっていました。

けれど親御さんが根気よく対応を続けるうちに、少しずつ「わかった、じゃあ明日ね」と言葉で返せるようになっていきました。

さらに時間が経つと、自分から交渉して折り合いをつけられるように変わっていったのです。
こちらのケースを通して臨床心理士・福田俊介はこう語ります。
「この変化は、単に癇癪が減ったということではなく、“気持ちを伝える力”や“交渉する力”が育ってきている証なんです」と。
とはいえ、こうした変化を親御さんだけで支え続けるのは簡単なことではありません。

当センターでは、お子さんの日々の小さな成長を一緒に見つけ出し、次の一歩をどう支えていけばよいかを伴走しながら考えています。

「昨日より泣く時間が短くなった」「今日は“わかった”と親御さんの言葉を受け入れた」

そんな一歩一歩を親御さんと共に喜び合いながら、お子さんが“泣き叫ぶ”から“伝える”、そして“交渉する”へと進んでいけるよう寄り添っています。

臨床心理士・福田俊介はこれまでのカウンセリングを振り返り、こう結びました。
「一番印象的なのは、やはり癇癪の酷かったお子さんに“交渉する力”が育っていく瞬間です。
激しい癇癪をお持ちのお子さんは、自信が持てなかったり、すぐ諦めたり、逆に感情を爆発させたりしてしまいがちです。

ところが、少しずつ“言葉で相手を説得する力”を身につけ、気持ちを伝えながら折り合いをつけられるようになる。

その姿を親御さんと一緒に実感できるとき、これこそが私にとってカウンセラーとしての最も大きな喜びです」

親御さんからのQ&A

親御さんからのQ&A:カウンセリング(子どもの癇癪(かんしゃく))

参加された親御さんからは、次のような質問が寄せられました。
ここでは、それに対する臨床心理士・福田俊介の回答をご紹介します。

Q1. 癇癪は本当に落ち着くのでしょうか?

A.「治す」というよりも、親御さんの対応でお子さんが成長することで、日常生活が安定します。
お子さんが自分の気持ちを言葉で伝えられるようになり、癇癪の頻度や強さは大きく減ります。

Q2.うちの子だけがこんなに激しいのか不安です。

A. 激しい癇癪を持つ子は珍しくありません。
「うちだけではないんだ」と知ることで、安心される親御さんも多くいらっしゃいます。

Q3. 叱った後に自己嫌悪に陥ります。

A. 親御さんのお気持ちは自然な反応です。
大切なのは、その後の対応です。言葉で交渉できるようになることで、お子さんも落ち着きやすくなります。

意見交換会のご案内

意見交換会のご案内:カウンセリング(子どもの癇癪(かんしゃく))

9月8日(月)には、逃げ出したいくらいの子どもの癇癪激しい癇癪 親御さんの心を軽くするための意見交換会を開催します。

  • 日時:2025年9月8日(月)10:30~13:30
  • 費用:無料
  • 対象:激しい癇癪を持つ子どもの親御さん
  • 内容

    • 福田俊介による事例とその解説・アドバイス
    • 日常で使える対応法の具体例紹介
    • 親同士で悩みを共有

同じ悩みを持つ親御さんと話すことで、孤独感が和らぎ、「自分だけではない」と安心することができます。

意見交換会では、淀屋橋心理療法センター所長 精神科医師・福田俊一と臨床心理士・福田俊介も参加し、質問にもお答えします。

こちらからの回答だけでなく、親御さん同士の声の共有も大切にしています。日常で感じているお困りごとや疑問をお聞かせいただければと思います。

参加申し込み・お問い合わせ

意見交換会への参加やご相談は、公式ホームページからお申し込みください。
[申し込みフォームはこちら]

一人で抱え込まず、少しずつ前に進む

一人で抱え込まず、少しずつ前に進む:カウンセリング(子どもの癇癪(かんしゃく))

お子さんの激しい癇癪は、親御さんにとってとても大きな負担です。

しかし、親御さんがお子さんのもち味を理解し、対応の工夫を学ぶことで、少しずつ日常は落ち着いてきます。

一人で悩む必要はありません。
意見交換会やカウンセリングを通じて、お子さんとの関係を少しずつ前向きに変えていきましょう。

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激しい癇癪(かんしゃく)をカウンセリングで解決する家族療法
               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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