2024年5月13日(月)淀屋橋心理療法センターにて、「お子さんの激しい癇癪を解決する家族療法説明会」を開催しました。
子どもの癇癪とはどういうものなのでしょうか。
厳しく対応しても癇癪を起こす。優しく対応しても癇癪を起こす。
昼夜を問わず、キレる・暴れる・泣き叫ぶ。
くつろぎの場であるはずの家の中がピリピリした雰囲気になり、ご家族は身体も心も疲弊してしまうことでしょう。子どもさんの心が安定し、家の中に穏やかな雰囲気が戻ってくるには、何が必要なのでしょうか?
「お子さんの激しい癇癪を解決する家族療法説明会」では、事例を通してそのヒントが語られました。
目次
子どもの癇癪(かんしゃく)とは?
「癇癪(かんしゃく)」という言葉の意味を辞書で調べてみると、『ちょっとしたことにも感情を抑えきれないで激しく怒り出すこと。また、そういう性質や、その怒り』とあります。
あなたは「癇癪」と聞いてどんなことをイメージしますか?
例えば、小さな子どもが欲しいものを買ってもらえず、駄々をこねて泣き叫んでいる… スーパーのお菓子売り場などでたまに見かける光景ですね。「癇癪」と聞くと、そんな「小さな子どものちょっと困った行動」をイメージする方もおられるのではないでしょうか。
しかし一言で「癇癪」と言っても、内容は実にさまざまです。
うまく言い返せないと、顔面が高潮し、物を投げたり手を出したりしてくる。
欲しいものが手に入らないと、買ってもらうまで床を転げまわり、泣き続ける。優しく断っても大暴れ。叱るとますますエスカレートする…。
成長して身体が大きくなり、力が強くなるほど大変です。
時には自傷・他害、大きな事故や事件、警察沙汰にまで発展しかねないような深刻なケースも存在するのです。
癇癪に悩む家族を孤立させる周囲の批判
愛する我が子から激しい怒りを向けられる、暴言を浴びせられる… 想像するだけでも胸がぎゅっと締め付けられる思いがします。
子どもの癇癪に耐えるだけでも疲弊してしまうのに、周囲から「親の育て方が悪いのではないか、甘やかしているからではないか」など、心無い言葉をかけられることもあるでしょう。
また、早朝・深夜の癇癪による大声や激しい物音で、「ご近所から非難や好奇の目で見られているのでは」と気になって、ご近所付き合いも避けるようになってしまうかもしれません。
辛くても誰にも相談することができず、周囲から孤立してしまうのではないでしょうか。
ご家族の心労と孤独感は想像するに余りあります。
癇癪を持つ子どものカウンセリング事例
今回の「子どもさんの激しい癇癪(かんしゃく)を解決する家族療法説明会」では、ある小学生の女の子の事例を取り上げ、癇癪とその対応について理解を深めるという内容でした。
小学3年生のミサキちゃん。
不登校で昼間も部屋のカーテンを閉め切り、思い通りにいかないことがあると、深夜であろうと早朝であろうと激しい癇癪を起こして、落ち着いて話し合うこともできない状態でした。
癇癪を治めるには親の接し方がポイント
ミサキちゃんのご両親が、淀屋橋心理療法センターの家族療法カウンセリングを受けはじめて3ヶ月が経った頃です。ミサキちゃんの様子に変化が見えてきました。
ご両親が、カウンセラーのアドバイス通りにミサキちゃんに接することで、癇癪は和らぎ、ミサキちゃんの状態はどんどん良くなっていったのです。
それまで閉め切っていた部屋のカーテンを開け、ご両親との会話も増えていきました。
「ママ大好き!」「ありがとう」などと、優しい言葉をかけてくれるようになりました。
ご両親はどんなに嬉しく、安心したことでしょう。
癇癪を持つ子にしつけは必要?
そんなミサキちゃんの様子を見て、もう大丈夫だろうとご両親は先を急いでしまったのでしょうか。
「早くしつけをしないと大変なことになる」と周囲の人から助言されたこともあり、ご両親は「癇癪が治まってきたから、そろそろミサキのしつけをしなければ」と考えたのです。
ご両親の接し方が変わると、あっという間にミサキちゃんは癇癪を起こすようになり、今までにないほど荒れて、心を閉ざしてしまいました。
部屋のカーテンを閉め切り、「出ていけ!」とご両親を家から追い出してしまう出来事もありました。この時のミサキちゃんには、“しつける”というやり方が合わなかったのです。
カウンセリングで接し方のコツをつかむ
その後、再びカウンセラーのアドバイス通りにご両親が対応すると、癇癪は落ち着き、ミサキちゃん本来の明るさと生きる強さを取り戻していきました。
カウンセリングによって親が接し方のコツをつかみ、態度を変えずに子どもに接する努力を続けると、子どもの心はまるで鏡のようにそれを映し、変化が現れます。
大好きな両親が、ありのままの自分を見て受け入れてくれるのか、そうでないのか。子どもには敏感に伝わるものなのかもしれません。
癇癪に悩むのは私ひとりではない
ミサキちゃんのお母さんが「リフレッシュすることを自分に許せた」と感じた出来事がありました。ある自助グループに参加したことがきっかけで、「私ひとりだけがしんどいのではない」と思えたのです。
お母さんは気持ちにゆとりができ、ミサキちゃんに対しても余裕を持って接することができるようになりました。その結果、ミサキちゃんの状態はどんどん安定していきました。
「ママと一緒に寝るの、めっちゃ嬉しい!」と小学3年生の女の子らしい可愛い言葉が飛び出すようになり、家族の間に穏やかな雰囲気が流れるようになりました。
癇癪の改善にカウンセリングが有効な理由
もちろん、すべてのケースがこのミサキちゃんの事例とまったく同じように進むわけではありません。 しかし、多くの子どもさんの癇癪が、淀屋橋心理療法センターのカウンセリングによって改善しました。
カウンセリングで対応を見極める
当センターではカウンセリングを通して、一人ひとりの子どもさんのタイプや性格を考慮し、その子がどこでつまずいているのか、どうしたらその子の良いところを伸ばすことができるのかを見極め、最もその子に合った対応の仕方を親御さんに丁寧にアドバイスします。
カウンセラーがアドバイスした方法で、親御さんが根気よく子どもさんに向き合うことで、癇癪を解決する鍵がきっと見えてくることでしょう。
カウンセリングには子どもの来所は不要
当センターのカウンセラー 福田俊一、福田俊介が行う家族療法は、多くの場合、子どもの来所なしで行います。 親御さんとのカウンセリングだけで子どもさんの問題を解決していくのが特徴で、家族療法の中でも珍しい手法です。
子どもが来所しなくても良いのは、親御さんにとっても子どもさんにとっても負担が少なく、大きなメリットになります。「癇癪がひどくて、子どもを連れて行ける状態ではない」という場合でもご安心ください。
癇癪にひとりで悩まず ご相談ください
子どもの癇癪を解決する糸口
「こんなに大変なのにカウンセリングだけで解決するのだろうか?」 「こんなにひどい状態なのは自分の家だけではないだろうか?」
もしあなたが今、子どもさんの癇癪で悩んでいるのなら、ぜひ一度、淀屋橋心理療法センターの家族療法カウンセリングを受けることを考えてみませんか。
まずはお気軽に「子どもの激しい癇癪を解決する家族療法説明会」にご参加ください。説明会では事例を通して、癇癪を持つ子どもにどう対応すれば良いかのヒントになるお話をします。
カウンセラーの話や他のご家族のお話を聞くだけでも、視野が広がり、子どもの癇癪を解決する糸口が見えてくるかもしれません。
オンラインカウンセリングや事前相談も
遠方の方や家を空けられない方のために、オンラインカウンセリングも行っています。
「こんな些細なことで相談してもいいのだろうか?」 と迷う場合も、お悩みはご家庭によってさまざまですから、遠慮なくご相談ください。
また、本格的なカウンセリングを開始する前の事前相談も受け付けています。子どもさんの状態について丁寧に聞き取りをし、しっかりと親御さんにご納得いただいてからカウンセリングを始めることができるので、お気軽にご連絡ください。
大切な子どもさんのために、ご家族のために。
ひとりで抱えず、一歩踏み出してみませんか。
淀屋橋心理療法センターでは、「お子さんの激しい癇癪を解決する家族療法説明会」を定期的に開催しております。開催の日程等は、HPや淀屋橋心理療法センター公式LINEでお知らせ致しますので、ぜひご登録をお待ちしております。
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