友だち・社会性関連:集団のルールが守れない

更新日:2019.04.17

『集団のルールが守れない』(別冊PHPより)

個性の強い子に多いと言われますが、そうではなくて「個性を集団のルールにあうように、出し方をしつけ てもらえなかった」のではないでしょうか。

幼いころおもちゃを独り占めするとか、いやなことがあるとすぐ叩くとか、なかなかみんなとうまく遊べない 子がいます。一人っ子であったり、おばあちゃん子であったりすることが多いので、そのせいだろうと思われが ちです。が、本来子どもとはそういう我のかたまりが自然な姿なのです。「好きなおもちゃで遊べないと、つま らないでしょ」「叩かれると、痛いし、イヤなのよ」と、子どもがしたことで、相手がどんな気持ちになるか、 そのつど教えてあげましょう。

自我を出し、思う存分発揮することでその子の個性がぐんぐん伸びていくのですが、そのプロセスでまわりの 人に迷惑をかけたりイヤな思いをさせたりしていたら、伸びた個性は宙に浮いてしまいます。どこかで他人への 思いやりやルールを守る大切さを感じとれないと、結果として社会に適応できない個性になってしまう恐れがあ ります。

ただ納得しないと動けないという子もいます。そのルールを「確かに守ることが大事だ」と、きちんと説明し てもらえないまま、守ることだけ子どもに押しつけているということはないでしょうか。こんな場合、芯に強い ものをもっている子ほど、「守れない」ではなくて[守らない」、という反対行動にでることがよくあります。

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

1.友だち・社会性関連:集団のルールが守れない

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