「睡眠障害」は一般的に「眠りたいのに眠れない」「いつも眠たい」「せっかく早く寝たのに途中で目が覚めてしまう」など、いわゆる「不眠症」のように自分の意に反して睡眠がうまくコントロールできない場合に使われます。
しかし、不登校のカウンセリングで親御さんから「いくら注意しても子どもがなかなか寝ないんです」「ゲームやネットとか朝方までやって、いつも寝不足なんです」といった相談をよくお受けします。さらに「これは睡眠障害でしょうか?」とも・・。
確かにインターネットやゲーム機・スマホなど便利なものが普及するほど、楽しいことに時間をかけてしまい寝る時間が遅くなっているのは事実でしょう。しかし、その子が「不登校」となると話は別です。不登校の小学生・中学生・高校生など、たくさんの不登校の子たちの声をひろってみたところ、意外な発言を耳にすることがあります。それは・・
「寝たくない!。寝たら明日がくるから!」なのです。
ユニークな表現ですが、意外と多くの不登校の子がこのように言うのです。これは「『寝落ち』するまでネットゲームやスマホを手放さない子」と同じような心理状態だと考えられます。いわゆる翌日の登校のことを考えると気持ちが重たくなり、眠ってしまって明日(登校当日)になってほしくないのです。
不登校のカウンセリングでは、一生懸命に早く寝かしつけようという親御さんの気持ちを踏まえつつ、なかなか寝ようとしないのは翌日の「登校不安」からきているということを説明します。そして、登校不安の解決や解消の方に重点をおいた方が早く寝付けるようになる上、不登校問題も解決しやすいという「一石二鳥」案をお勧めしています。
2014.06.18 著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一
記事内容の監修医師
淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一
- 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
- 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
- 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
- その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
- 著書多数。
シリーズ記事
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2014.06.18
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