【不登校】「何でもきいてやりなさい」の注意点

更新日:2020.05.09

不登校のご相談で来所される親御さんによると、病院のカウンセリングやスクールカウンセリングなどでは、「見守りましょう(従来からよくあるアドバイス)」は元より、「(ゲーム・スマホは)好きなだけやらせなさい。そのうち飽きるから」とか「子どもの言うことは何でもきいてやりなさい」と言われることがあるようです。

当センター不登校のカウンセリングの視点は少し違います。しかし、当センターに来所される前に別のカウンセリングを受けてこられた親御さんは、一定期間そのような対応をとって来られたわけです。その結果「ネット・ゲーム依存がひどくなりました」「何でも子どもの言うがままにきいてやってたら、月に何万円もかかるようになりました」と、アドバイス通りにやったら子どもさんの状態が悪化したために、当センターに来てみる気になったという方がたくさんおられます。

ゲーム依存・ネット依存はこれまでも記事として何度も取り上げていますが、「子どもの言うことを何でもきく」という点には注意が必要です。特に「何でもきいてやる」を「子どもの要求を何でものんでやる」と解釈してしまうと大変です。不登校の子の頭の中は不安でいっぱい。その不安を紛らわそうとネットやスマホに依存するだけでなく、不安な気持ちが「物欲」に向き、その要求をのんでしまうと、「不安を紛らわせるための物欲=買い物・お金」になってしまう恐れがあるのです。

「欲しい理由」や「ルール決め」等についてしっかり話をし、かつ、それを得ることで不安が「解消」して再登校できるならまだしも、登校不安を紛らわせるための要求であれば、その要求水準(欲しい物の数・金額)だけがどんどん上がってしまいかねません。当センターでお勧めしている「きく」は、あくまで「聴く」であり、物欲に関しても「(欲しい)気持ちはわかってやる。しかし、買ってやるかどうかは別」という形にもっていきます。

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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