
「朝、会社に行きたくない」
「職場でどうも調子が出ない」
「周りの人たちに迷惑をかけて申し訳ない」
「自分が情けなくなる」
「気持ちが落ち込んで、どうにも回復できない」…
それは、うつ病の症状かもしれません。
うつ病は、仕事のよくできる知的な人や責任感の強い人、また仕事に熱心な人ほどおちいりやすく、昇進や転勤・転宅など急激な環境の変化によって生じるケースも多いようです。淀屋橋心理療法センターでは、うつ病になってしまったご本人はどうすればよいか、家族やまわりの人達はどう対応すればよいかを、総合的にアドバイスしています。
まずは、うつ病の症状や原因、治療方法などについてみていきましょう。
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目次
うつ病とは
うつ病は、単なる気分の落ち込みではなく、日常生活に支障をきたすほどの強い気分の落ち込みや意欲の低下が続く病気です。
ストレスの多い現代において、誰もがかかる可能性のある精神障害とも言えるでしょう。生涯有病率が100人のうち6人程度と身近な病気となったうつ病は、誰にでも発症する可能性があります。
うつ病の症状
うつ病の症状は、心の症状と体の症状に分けられます。
心の症状
抑うつ気分:憂鬱な気分や沈んだ気持ちが一日中続く。
興味や喜びの喪失:これまで楽しめていた活動に興味がわかず、何をしても楽しくない。
意欲の低下:何もする気が起きず、おっくうに感じる。
思考力・集中力の低下:物事に集中できない、決断できない、考えがまとまらない。
自責感・無価値感:自分を責めてしまう、自分には価値がないと感じる。
不安・焦燥感:イライラして落ち着かない、じっとしていられない。
希死念慮:「死にたい」「消えてしまいたい」といった考えが浮かぶ。
体の症状
睡眠障害:寝つきが悪い(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)といった不眠症状や、逆に寝すぎる(過眠)こともある。
食欲の変化:食欲が減退したり、逆に過食になったりする。それに伴い体重が増減することもある。
疲労感・倦怠感:疲れやすく、体がだるい、体が動かない。
頭痛、肩こり、めまい、動悸、吐き気、胃の不快感、便秘・下痢など、身体の不調。
うつ病の症状は、朝の調子がいちばん悪く、午後から夕方にかけて改善してくる「日内変動」がみられることもあります。
うつ病の原因
うつ病のはっきりとした原因はまだ完全には解明されていませんが、脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)の働きが悪くなることに加え、さまざまな要因が重なって発症すると考えられています。主な要因としては以下が挙げられます。
・ストレス
大切な人との死別、環境の変化(昇進、結婚、引っ越しなど)、人間関係のトラブル、経済的な問題、病気などがストレスとなり、発症の引き金になることがあります。
・性格要因
几帳面、真面目、完璧主義、他人に配慮しすぎる、悲観的に物事を捉えやすいといった性格傾向(メランコリー親和型気質など)がうつ病になりやすいと言われることもあります。
・遺伝要因
近親者にうつ病の人がいる場合、発症しやすい傾向があると言われています。
・淀屋橋心理療法センターの見解
何かが気になると、それがしばらく続くとなると その人の持ち味であると思いますが、そういった人が、責任感や世の中の圧力などで追い詰められてしまった結果、うつになるのではないかと考えています。
うつ病の診断
うつ病の診断は、主に症状に基づいて行われます。国際的な診断基準(DSM-5やICDなど)では、特定の症状が2週間以上にわたって続き、日常生活や社会生活に支障をきたしている場合にうつ病と診断されます。
うつ病の一般的な治療法
一般的なうつ病の治療は、主に「休養」、「薬物療法」、「精神療法」の3つが柱となります。
休養
まずは心身を休ませることが非常に重要です。ストレスの原因から離れる環境を整え、十分な睡眠と休養をとることが回復への第一歩となります。
薬物療法
主に抗うつ薬が用いられます。抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで症状の改善を目指します。効果が現れるまでに時間がかかることや、副作用がある場合もあるため、医師の指示に従って服用し、自己判断で服用を中断したり量を変更したりしないことが大切です。
認知行動療法
悲観的な考え方や行動のパターンを特定し、より現実的で適応的な考え方や行動に変えていくことを目指します。
対人関係療法
対人関係の問題がうつ病の引き金になっている場合に、その問題の解決をサポートします。
重症の場合や、薬物療法や精神療法で改善が見られない場合には、電気けいれん療法や経頭蓋磁気刺激法などの専門的な治療が検討されることもあります。
淀屋橋心理療法センターのうつ病治療
休養、薬物療法、精神療法など、うつ病の治療にはさまざまな治療法があります。
淀屋橋心理療法センターの主な治療方法は、精神療法です。当センターの治療法にはどのような特徴があるのか、その一部をご紹介いたします。
ご本人の来所が不要
淀屋橋心理療法センターのうつ病治療では、うつ病を抱えるご本人に直接カウンセリングを行うのではなく、ご家族(親御さんや配偶者の方)に対して、ご本人の性格にぴったり合った対応をアドバイスをしています。
当センターでは、ご家族(特にお母さん)との関係性を見直し、ご本人の性格に合った対応を日常的に実践することで、うつ病の改善・完治に取り組んでいます。
カウンセリングにはお子さんご本人の来所は不要
薬に頼らないうつ病治療
淀屋橋心理療法センターでは、薬に頼らないカウンセリング治療を基本としています。
といっても、不安が強かったり、睡眠障害が深刻な場合など、うつ病の症状はひとり一人違います。薬を服用することで症状が落ち着いたり、薬を服用しないと余計不安になったりする場合は、無理に薬を止めるように指導することは、当センターでは行っていません。
「薬の服用をどうするか」については、ご本人の希望や症状に合わせてカウンセラーにご相談いただければと思います。当センターのカウンセリングを開始するにあたり、必ず薬の服用をやめなければいけないというわけではありませんのでご安心くださいね。
薬を使わない(頼らない)治療については、以下のページもご覧ください。
全く薬を使わない治療ーカウンセリングー
淀屋橋心理療法センターのうつ病へのカウンセリング効果
淀屋橋心理療法センターのカウンセリング治療では、以下のような効果が現れる事が特徴的です。
うつ病治療に効果的なご家族のサポート体制強化とご本人への理解の深まり
一般的なうつ病治療において、ご家族に対して出される治療アドバイスは、うつ病を悪化させない(重症化させない)ためのアドバイスであることが多く、うつ病を積極的に治していくというものではない場合が少なくありません。
悪化させない、重症化させない現状維持のためのアドバイスでは、うつ病治療への効果をあまり感じることができないため、ご家族が主体的にうつ病治療に取り組む(ご家族のサポート体制を強化する)ということは難しいでしょう。
淀屋橋心理療法センターがご家族に実施しているうつ病治療へのアドバイスは、現状を維持するため(悪化しないため)ではなく、ご本人の心をうつ病治療に効果的なレベルにまで成長させ、うつ病を積極的に改善していくためのご家族へのアドバイスを心がけています。
当センターのカウンセリング治療は、ご本人をどのように支え、どのように関われば良いのかを具体的にご家族に学んでいただくことから始まります。ご家族にお出ししたアドバイスをご家庭で実践していただいた後は、後日、その様子を詳しくお伺いし、ご家族へフィードバック。次回はどのように対応したらより効果的なのかアドバイスを行い、どのように治療の効果が出ているのかまでお伝えします。
ご家族が実践したことが、うつ病治療の効果に結びついたということを実感していただくことで、カウンセラー頼みではなく、ご家族に治療に取り組む主体性を持っていただくことが可能になります。治療に効果的なご家族のサポート体制を、ご本人が多くの時間を過ごす家庭内に築くことができるということです。
さらに、「どのように支えるか」「どのように関われば良いのか」にご家族が真剣に向きあうことで、ご本人への理解が自然な形でできるようにもなります。
うつ病治療へのモチベーション維持
うつ病の治療は、完治するまでに長い時間を要する場合が多く、治療効果がでているかどうかもわかりづらい場合が少なくありません。そのため、治療に協力的なご家族であっても、途中で治療へのモチベーションを維持するのが困難になってしまうこともあります。
当センターのカウンセリングでは、ご本人に合った対応方法のアドバイスだけでなく、カウンセリング治療を通して、ご本人がどのように変化をしてきているのかのフィードバックをしていきます。
治療の効果が現れるのは、ほんの些細な変化から。
それを、専門家であるカウンセラーが見つけ出し、ご家族と共有することで、治療の効果を実感する事ができます。治療の効果への実感は、治療に関わるご家族のモチベーションの向上に大きく影響します。
症状の改善と再発予防
淀屋橋心理療法センターのカウンセリングは、単に症状を抑えるのではなく、うつ病の背景にある心理的・社会的な要因、特に家族という重要な環境に働きかけることで、より本質的な心の回復と成長を目指しています。薬に頼らず、ご本人自身の力や家族の力を引き出すことで、持続的な心の健康を取り戻すことを重視しているのが特徴です。
そのため、一時的なうつ病の改善ではなく、根本的なご本人の心の回復(うつ病が再発しづらい心へ成長)をゴールとして、治療に望んでいます。
「うつ病治療への覚悟と治療をご家族に」淀屋橋心理療法センター所長 精神科医・福田俊一の言葉
子どもさんのうつの場合には親御さんに、ご主人や奥さんのうつの場合には配偶者の方にご本人への対応の仕方を工夫していただくことで、うつが綺麗に治るということを、当センターではたくさん経験しております。
例えば、ご夫婦でのうつ病治療の場合…
大黒柱であるご主人が倒れてしまったら困るけれども、うつ病になってしまい、
休職することになってしまった
あるいは、休みがちになってしまった
元気だった人がすっかり人が変わってしまったというような時でも、
奥さんにご主人を元気なパターンに持ち込むための工夫があるのです。
奥さんがコツコツ努力する心構えで来所していただければ、
ご主人に対してどのように対応していただいたら元気になるかという方法をアドバイスすることができます。
ただし、普段のご主人のご様子や普段どのような話しかたをされているかなどを
詳しくお聞きする必要がありますし、
最初の3ヶ月はすぐには効果がでないかもしれません。
でも、3ヶ月くらいの間にしんどいパターンから良いパターンまで、
まずご主人のパターンを伸ばしていき、
まず専門家が先に「良いパターンに乗ってきましたよ」と言いますが、
奥さんが気が付かれるのはそれよりも少し後になると思います。
我々は、小さな目標で軌道に乗ったかどうかに気がつくことができますが、
奥さんの実感としてわかるようになるのはそれよりも少し後になるかもしれません。
地道に対応を続けていただければ、うつ病は怖くないということをご理解いただけると嬉しいと思います。
うまくいくケースといかないケースもあるのでご注意ください!
ただ、中にはご主人がうつ病だけれども、奥さんがなかなか協力する気になれないというケースもあります。
今まで様々な場面で、奥さんがご主人の尻拭いをしてきたというケースで、
奥さんもご主人への愛想が尽き果てて、
なかなかご主人のために頑張ろうという気になれないという場合
こんな場合は、ご主人の回復に向けたお手伝いをすることが非常に困難です。
けれども、奥さんが大切な大黒柱を復活させたいという気持ちをしっかりと持っていただけるなら、お役に立つことができるのではないかと思いますので、ご相談いただければと思います。
当センターでは、「うつ病の人への対応はこう!」と一般的なアドバイスをするのではなく、ひとり一人の性格(心)に寄り添った対応をすることで、うつ病であるご本人の心が本当の意味で成長し、単なるうつ病の重症化予防ではなく、ぐんぐん良くなる糸口になるということを発見し、実践しております。
「うつ病になってしまったら、一旦は良くなったとしても、どうせ再発してしまう」と諦めないでください。
ご本人の持ち味がはっきりわかり、ご家族(親御さん・配偶者の方)がご本人の持ち味にぴったり合った対応ができ、カウンセラーの道案内があれば、うつ病は高い確率で薬無しで治す事ができます。
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