
2026年8月18日、淀屋橋心理療法センターでは「夏休みスキルアップ研修」と題した養護教諭向けセミナーを開催いたしました。
今回は、さまざまな教育現場で働く先生方から多くのお申込みをいただきました。
ご参加いただいた先生方には、心より感謝申し上げます。
本レポートでは、当日の様子とともに、研修を通じて生まれた先生方同士の交流や、印象に残ったお話の一部をご紹介します。

【なお、当セミナーは養護教諭の先生方だけでなく、日頃から学校現場や地域で子ども・家庭を支えているスクールソーシャルワーカー(SSW)の皆様のご参加も歓迎しております。
今回はSSWの方のご参加はありませんでしたが、次回以降もぜひご参加をお待ちしております】
目次
各地から養護教諭の先生方が集まった、ハイブリッドセミナー

対面参加は関西地区の先生方で満席となり、Zoomによるオンライン参加も、北は北海道から南は九州まで、全国各地から30名近くの先生方にご参加いただきました。
これほどの規模で、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式のセミナーを開催するのは、当センターにとって初めての試みです。
カウンセラーをはじめスタッフ一同、いくぶん緊張しておりましたが、先生方の温かい笑顔に触れ、わたしたちもかえって元気をいただきました。
少しの緊張から始まった、先生方の交流

講師・福田俊介の自己紹介では、一風変わった趣味(ここでは秘密とさせていただきます)が紹介されました。
そのあとは、先生方にバトンタッチ。小グループに分かれて「自己紹介タイム」を行いました。
対面参加の先生方だけでなく、オンライン参加の先生方も、Zoomのブレイクアウトルームを活用して、グループごとにお話しいただきました。
筆者も対面参加の先生方に交じり、お話をうかがいました。そのなかで特に印象に残ったのが、
- 子どもたちに「目に見える前進」がないと、親御さんがなかなか安心しないこと
- 中学校、高校では3年間という短い期間で子どもたちと向き合わなければならないこと
というご意見です。
「いつでも行ける」と思われがちな保健室。しかし、先生方が子どもたちと向き合える時間には限りがあります。
「その子のために何ができるか」という言葉が、心に残りました。

セミナーで印象に残った「子どもの成長を見る視点」

セミナーでは、不登校やリストカット、癇癪など、当センターのカウンセリング事例を通して、児童生徒への関わり方をお伝えしました。
そのなかでも特に先生方から反響が多かったのが、「子どもの成長をどのように見るか」という視点です。
「学校でできるようになったこと」だけを成長と捉えない
児童生徒としてできることが増えたからといって、それだけで「良くなっている」と捉えないことが大切です。
一見、状態が良くなったように見えても、その子自身の本当の成長とは限りません。
たとえば、「保健室に来られるようになったから、次はクラスへ」、「次は朝から登校」のように、子どもたちがひとつできるようになると、周囲は「次のステップ」を求めがちです。
しかし、これらを達成できたとして、その子の心は本当に成長していると言えるでしょうか。
もし再びつらいことがあったとき、心が成長していなければ、また元の状態に戻ってしまう、と福田は指摘します。
「学校以外の場での成長」に目を向ける
学校を欠席していたとしても、ほかの面で変化はないでしょうか。
たとえば、「部屋からリビングに出てきた」「お母さんの手伝いをしてくれた」など。
学校のなかで目に見えるステップアップをしていなくても、家庭で小さな成長を重ねているのであれば、それも大切な変化です。
養護教諭の先生方が、こういった変化を捉える視点を持つことで、その子の全体像が見えてくると、福田は言います。

アンケートから見えた「先生同士の対話」へのニーズ

初対面の先生方同士での自己紹介やディスカッションでしたが、皆様、積極的にご参加くださいました。
セミナー終了後のアンケートでは、
「こういった場で他の先生の意見や悩みを聞けるのが有意義だった」
といった声をいただきました。また、
「グループディスカッションの時間を長くしてほしい」
といったご要望も寄せられました。
複数回設けたディスカッションタイムでは、先生方の間で活発な意見交換が行われていました。
日頃は他府県の先生方と交流する機会がほとんどないとうかがっており、こうした場が、新たな気づきや知見につながっているのかもしれません。
グループディスカッションでは「もっと話したかった」と感じていただけるほど、ニーズの高い時間だったことにも気づかされました。
この経験を、今後のセミナー運営に活かしてまいります。
ご参加いただいた先生方へ、感謝を込めて

今回の研修では、全国各地から多くの先生方にご参加いただきました。
先生方との交流を通して、スタッフ一同にとっても、多くの気づきや学びを得る一日となりました。
2学期を迎えるこれからも、日々子どもたちや保護者の方と向き合う先生方のお力になれるよう、今後もこのような学びや交流の機会をつくってまいりたいと思います。

最後になりましたが、本セミナーの開催にあたり、告知案内の情報を誌面に掲載していただいている日本学校保健研修社の皆様に、心より御礼申し上げます。
当日は同社編集部の方にもお越しいただき、先生方とともにグループディスカッションにも加わっていただきました。
この場をお借りして、改めて深く感謝申し上げます。
本セミナーの学びや交流が、全国の養護教諭の先生方やスクールソーシャルワーカーの皆様にとって、日々の支援を考えるうえで、少しでもお役に立てば幸いです。
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