淀屋橋のお茶会

淀屋橋のお茶会

お茶会といえば、「なんでもない日おめでとう!」と大騒ぎする、不思議の国のアリスに出てくるお茶会や、「いちご水」で有名な赤毛のアンのお茶会が思い浮かびます。どちらのお茶会も、豪華なケーキやクッキーや紅茶が用意されていて美味しそうで、小さな頃からこのシーンを観るのが大好きでした。

また、家事の合間に家族や近所の人と集まって、おせんべいを食べながらのんびりお喋りをする「サザエさん」のようなお茶会もあれば、缶コーヒーのCMで観る、工事現場のお兄さんたちが仕事の休憩中に道端に座り込んで、缶コーヒーを飲んでいるのも一つのお茶会です。

とにかく中身がどんな内容でも、誰かが「お茶にしましょう」と言って集まれば、それだけで立派なお茶会になります。

ここ淀屋橋心理療法センターでも、スタッフみんなでするお茶会があります。 それは仕事の合間にする10分程度の短いお茶会なので、不思議の国のアリスのように盛大にとはいきませんが、仕事の片手間に席に座ったままなんとなくお茶を飲む、というわけでもありません。 誰かが決まった時間になると「そろそろお茶にしましょうか」と声をかけてくれて始まります。 そしてみんなでベランダに移動し、所長が用意してくれたアウトドア用の椅子とテーブルで、お茶会が始まるのです。 不思議なもので、こうやって少しだけ場所を移動して、「お茶にしましょう」という掛け声のもと、お茶を飲むだけで、とても楽しくて特別な気持ちになります。 お茶会は、私たちを少しだけ日常から切り離し、気持ちをわくわくさせてくれます。 みんなでちょっとした旅に出かけて戻ってくるような特別感、といったら大袈裟でしょうか?笑 お茶会のあとは、旅から帰ってきた時のように、気持ちが軽くなってすっきりしています。

私たちは当センターに来られる皆様に対しても、いつでもすっきり気持ち良くお迎えできたらと思っています。

お茶会の話とは少し異なりますが、当センターに相談にいらしているかたの話で、このようなものがありました。 普段娘との会話がいまいち盛り上がらないため、お母さんは「これからはお喋りの時間を作って、隣の部屋で話そうか」と、娘を誘ってみたのです。 いつも一緒に過ごしているリビングとは別の部屋を使い、あえて「話す時間」を作りました。すると娘は、いつもより口数が多くなり、お母さんも、いつもより娘の話をじっくり聞くことができたとのことです。 「リビングとは別の部屋」や「お喋りするための時間」は、二人を特別な場所に連れて行ってくれたのかもしれません。隣の部屋へ移動する、というたったそれだけのことだけど、小さな変化を楽しめることは素敵です。

ちなみに今日の淀屋橋のお茶会は・・・所長がお土産に買ってきてくれたケーキがあったので、いつもより特別でした。まさに不思議の国のアリスのお茶会です。そして私は、お喋りも並行しつつこの美味しいケーキをたった10分で味わい尽くすという技術を身につけました・・・!

淀屋橋のお茶会

2020.11.30  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》湯浅愛美

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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