
2025年11月6日(木)、浪速区役所にて開催された浪速区 学校保健協議会 研修会で講師を務め、「ネット依存の子供たちをどう支えるか」というテーマでお話をしました。
当日は、学校の先生方、学校医、保護者の皆さまがご参加くださいました。
研修会では、温かい雰囲気づくりをこころがけ、グループディスカッションを何度かして頂きました。

ストーリーで伝える“理解しやすさ”
ネット・ゲーム依存は実際の事例を通したストーリー形式のほうが理解していただきやすいと感じています。
今回は、以下の2つの事例を紹介しました。
①ゲーム依存で協調性が全く見られなかった中学生男子
②ゲーム依存がきっかけで不登校になり、母親に暴力を振るうようになった中学生男子
どちらも、家庭でのコミュニケーションが整うことで、
徐々に改善していったケースです。
先生や保護者から寄せられる
“子どものネット依存・ゲーム依存”に関するQ&A

以下は、今回の研修会で参加者さの皆さまから実際に寄せられた質問を、一部抜粋してまとめたQ&Aです。
Q1:子どもの話を否定してはいけないのは分かったが、否定すべき時もあるのでは?
A:ゲーム依存にハマりやすいお子さんの場合には雑談をしている時に、子どもが多少間違った理解をしていても、すぐに大きなダメージにつながらない場合は否定する必要はありません。
そのまま受け止めてあげてください。
その方が子どもの口数が増え、それがゲーム依存の解決につながるのです。
ただし、誤解したままだと深刻な問題になることだけ修正してあげれば十分です。
Q2:事例では改善に半年かかっているが、半年も待てる自信がない。
A:半年という期間だけを見ると長く感じるかもしれません。でも実際には、
- 口数が増えた
- 笑顔が増えた
- 食事中にスマホを見なくなった
- ゲーム中でも宅配便を受け取るようになった
- 買い物から帰ってきたお母さんのスーパーの袋から
- 冷蔵庫に食材を入れるのを手伝うようになった
など、細かい“変化”がたくさん起こります。
その変化を “喜びながら見守る” ことができれば、半年でも1年でも待てるようになります。
Q3:(養護教諭の方からの質問)
保護者に専門機関に相談するように伝えてみたが反応が薄かった。ゲーム依存の生徒の話を聞くことしかできず、無力感を感じた。
A:「話を聞いてあげるだけだった」と思うかもしれませんが、話を聞いてもらえること自体が、子どもにとっては大きな支えです。
そのように丁寧に話を受け止めてくださること自体が、子どもにとって大きな安心につながっています。先生の対応は確かにお子さんの力になっています。
また、反応が薄い保護者に動いてもらうのは簡単ではありませんね。
普段から生徒の様子をこまめに伝え、少しずつ信頼関係を築いていくことができたら、保護者に話が通じやすくなることがあります。
私がスクールカウンセラーとして関わっている学校でも、学校側が何度も何度も保護者に働きかける中で、ようやく私(スクールカウンセラー)につながり、改善したケースがあります。
研修会参加者の声:ネット依存・ゲーム依存支援に関するアンケート(抜粋)

今回の研修を受けていただいた皆さまのご感想を、アンケートより一部ご紹介します。





研修を終えて

今回の浪速区での研修が、先生方や保護者の皆さまの日々の支援の一助となれば幸いです。
講師としてお呼び頂き、ありがとうございました。
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