対人恐怖症・対人緊張症になる人のメカニズムをお話しましょう
対人恐怖症・対人緊張症の人のつらさ
最近とくに若い人のあいだに対人恐怖症・対人緊張症で悩む人が増えている。人とのおつきあいで異常に緊張してしまい、家に帰るとぐったり。人との接触をさけていくうちに、だんだん孤立してしまう。気がついたら学校にも行けない、会社も休みがちといった窮地に陥っている。
この症状にかかった人のつらさは「外から見た目には、ごく普通の元気な人」に見られること。緊張して話もできず、こわばって頭の中は真っ白といった状態は、およそ相手からはわからない。「この人、私(僕)のこと、どんなふうに思っているのかしら」「私一人が場をしらけさせているんじゃないかしら」など。そんなことが気になって話しを楽しむことができず、友だちの輪のなかに入っていけない。
誰にも言えない、誰にもわかってもらえない、はた目には元気そうにみえるからこそ、よけいつらさが大きい。
対人恐怖症・対人緊張症の人は純粋で正直な人が多い
対人恐怖症・対人緊張症の人は計算して話すということができない。相手によって「この人とはあいさつだけ」「この人とは趣味の話しまで」「この人には心の悩みをきいてもらっても大丈夫」といったふうに。誰とでも親友やお母さんと接するときのように、心を割って誠実に接しようとする。
また状況を計算に入れて、ということも苦手である。職場でしないほうがいい話しもあるし、そばに聞かれたらまずい人がいることもあるだろう。また相手が急いでいる場合もあるし、落ち込んでいることもある。相手の様子をみて、状況を判断して、自分の話を持ち出すということができない。心に思ったことを、すぐに口や表情にだしてしまう。コアの部分で接しないといけない、誠実でない気がするのである。しかしそれが相手に違和感を与えていることになっているのだが。相手の様子がおかしいのは「自分が悪いから、場をしらけさせている」と、思いこむ。それだけ純粋で正直な人と言えるのだが。
対人関係はここから始めよう
- 無理に人のなかに入っていこうとしないほうがよい。一人の気楽さを否定せず「これでええんや」と、一人の気楽さを楽しんで。
- 外にでるときは、サングラスをかけたり、帽子をかぶったりすると楽になることが多い。
- 人と話しをするときに、心に思ったことをストレートに口にだしてしまわないよう。ワンクッションをおく練習をしてみよう。
- 自分の興味あることや好きなことを、しゃべって大丈夫な人(母親が一番いい)に、いっぱい話してみよう。「自分が他人にどう思われてるか、気になってしかたがない」という持ち味の人は、こんなことから元気がでてくる。