中学2年生の女子のケースです。起床時間、朝食のメニュー、食べる順番、歯磨きの時間、時間割の確認、着替えの順番、トイレタイム、出発・・・。毎朝分刻みにタイムスケジュール通り動かないと不登校になってしまう娘さんです。
親御さんもスムーズに登校出来るように毎朝細心の注意を払い、子どもさんの行動の邪魔をしないように動かれていました。無事登校出来るとようやく一息つけお母さんはゆっくりコーヒーを味わえるそうです。春休みになり登校の必要がなくなり親御さんも余裕が出来たことで相談に来られました。
彼女のように自分の決めたスケジュール通り動かなければどうしても先に進めないというご相談は沢山あります。この完璧主義は常にご本人もご家族も緊張の糸を張りつめていることで窮屈な生活になってしまいます。それはとてもしんどい生活です。
そこで日々の対応を工夫することで完璧主義の一角を崩していくのです。「まあこれくらいいいか」と自分を許せることで娘さんを柔軟に動きやすくしていきます。
しかし完璧主義が自分を縛っている、生きにくくしているとわかっている人は意外と少ないのです。ご本人はそれ以外の生き方を知らないのですから。いくら周りが『完璧主義はしんどいよ』と説得したところでご本人には響きません。自分自身で楽な生き方があることに気づいてもらえるよう親御さんに対応のアドバイスをしていきます。
進級進学を控えた春休みの今が対応の工夫を始める大きなチャンスです。