2.体重が何キロを割ったら「拒食症」と考える必要があるのでしょうか?

【質問2】体重が何キロを割ったら「拒食症」と考える必要があるのでしょうか?

【答 え】拒食症と診断するのは体重だけでなく他の条件もありますが、体重に関しては次の数式があります。

標準体重の出し方(平田法)身長から体重を算出する方法(『摂食障害診療』 診断と治療社 2009

  • 身長160cm以上なら:標準体重(Kg)=(身長cm-100)×0.9
  • 身長150~160cm :標準体重(Kg)=(身長cm-150)×0.4 + 50
  • 身長150cm以下なら:標準体重(Kg)=(身長cm-100)

拒食症と診断される体重は次の通りです。(厚生労働省・神経性食欲不振症調査班)

*拒食症は、「標準体重の-20%以上のやせ」とされています。身長の例をとって計算してみましょう。

例:

身長160cmなら、標準体重は54Kg。その-20%やせは、43.2Kg。

身長150cmなら、標準体重は50Kg。その-20%やせは、40.0Kg。

身長148cmなら、標準体重は48Kg。その-20%やせは、38.4Kg。

拒食症と診断する他の疾患がなく、標準体重より-20%以上のやせの体重が、3ヶ月以上続くようなら一度専門家に相談することをおすすめします。

2011.03.24  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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