ストレスとは

◆ストレスとは◆

ストレスとは、外部からのさまざまな刺激や出来事(ストレッサー)によって、身体や心に過剰な負荷がかかることです。 ストレスを溜め込みすぎると、腹痛・不眠・うつなど心身に様々な不調が起こります。   また、ストレスの感じ方も人により様々です。 多くの人があまりストレスに感じない状況や環境下であっても、とても強いストレスを感じて心身に様々な不調が現れる人は少なくありません。 これは、ストレス耐性の差によるものです。 ストレス耐性とは、ストレスに耐えられる力のことで、 ストレスの原因となる刺激や出来事に対して、ポジティブにとらえ、うまく対処する力がある人ほど、ストレス耐性が高いと言えるでしょう。

◆ストレスの仕組み◆

 
ストレスの原因となる刺激や出来事のことをストレッサーといい、 ストレッサーによって生じた心身の歪みをストレスと言います。 ストレッサー(ストレスの原因)には、 人間関係や仕事・学校・環境の変化によるものなど様々なものがあります。   ストレス反応が重度になるか軽度で済むかは、ストレスそのものの大きさにもよりますが、 その人の持つストレス耐性(ストレスに耐えられる力)によっても変わってきます。 ストレス耐性が高ければ、ストレス反応も軽くなり、 ストレスへの耐性が低ければ、ストレス反応は重くなるでしょう。

◆ストレッサー(ストレスの原因)の種類◆

どんな刺激や出来事がストレッサーとなるのかは人それぞれです。 その人の置かれた生活環境や職場・ストレス耐性によって、様々な刺激や出来事がストレッサーになりえます。

◆どんな性格の人がストレスを抱えやすいのか◆

  特に、本当の自分はこだわりが強く、思い通りに物事を進めたいのに、 良い人に見られようと、周囲の状況に過剰に適応しようとして、 本当の自分とは違う自分を演じている人は、 ストレスが身体の不調として現れやすいことが多くあります。 そのような方でも、ご本人の生まれ持った性格をしっかり分析し その人に合ったストレスの対処法を身に着けることでストレス反応を軽くすることは 可能であると当センターでは考えています。

◆ストレスによる症状◆

《精神症状》

気力がわかない、常に不安と恐怖が襲ってくる、ちょっとしたことでイライラする など  

《身体症状》

疲れやすい、身体がだるい、寝つきが悪い・眠れない、 腹痛、吐き気、下痢、頭痛、めまい、音に対して過敏になる、多汗、食欲不振 など

◆ストレスが原因による病気◆

不眠症・適応障害・自律神経失調症・過敏性腸症候群・うつ病 ひきこもり・ゲーム(ネット)依存・摂食障害・アルコール依存 など

◆ストレス解消法◆

ストレス解消の方法は人それぞれです。 身体を動かしたり、大声を出したりしてストレスを発散する人もいれば、 静かにリラックスしたり、デトックスしたりすることでストレスを解消(浄化)する人もいます。

ストレス発散方法具体例

  • スポーツ
  • カラオケ
  • ショッピング
  • 愚痴を言う
  • サウナで汗をかく
  • 散歩
  • 掃除をする
  • 旅行をする
  • ゆっくりと睡眠をとる
  • アロマテラピー
また、ストレスが大きくなりすぎてしまって、ご本人だけで解決できない状態になってしまった場合は、 以下のような訓練法やカウンセリングを受けることで、心身を改善していく必要があります。

◆自律訓練法◆

自己暗示によって体の筋肉の緊張を解きほぐし、 中枢神経や脳の機能を調整して本来の健康な状態へ心身を整えることを目的とした訓練法です。 心療内科における代表的な治療法として広く使われています。 疲労回復やストレスをやわらげるなどの効果があります。   自律訓練法の原則は、
  1. できるだけ静かな場所で楽な姿勢をとる
  2. 「言語公式」と呼ばれる言葉を頭の中でゆっくり反復する
  3. (3)さりげない集中(受身的集中)を行う、などが挙げられます。
リラックスした状態で目を閉じ、言語公式(安定感“気持ちが落ち着いている”、重量感“手足が重い”など)を、決められた順序に従って段階的に心の中で繰り返すことで自己催眠状態に入ります。 この訓練法は目的に応じて使用され、広く心身症、神経症、ストレス解消、精神統一などに効果があります。 自律訓練法を終了する際は、手足の屈伸など決められた終了動作を必ずする必要があります。終了動作を行わないと、脱力感や、不快感が体に残ってしまう場合があります。   参考:e-ヘルスネットより

◆精神科や心療内科・カウンセリングセンターなどでのカウンセリング◆

不眠やうつなど、心身に不調がある場合は、 精神科や心療内科などの受診やカウンセリングを受けたほうが良いでしょう。 その場合は、あなたと相性の良い医師やカウンセラーと出会えるかが大切です。

ストレスをため込みやすい性格でも、

ご本人の持ち味・自主性・自己肯定感を伸ばすことで

ストレスにうまく対応できる性格に成長させることは可能です。

ご自身の心の中に抑え込まずに

ご家族や医師・カウンセラーと協力して改善していきましょう。

2022.08.16  

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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