本音で書かせていただこう。
私は淀屋橋に勤務して4ヶ月になる。毎日、膨大なカルテ等をスキャナーにかけている。要するに、毎日職場へ朝から終了時迄ひたすら、いわゆるコピーをとるような仕事をするといってもいいだろう。ほとんど誰ともしゃべらずに。
皆さんの中には、私と同様の仕事をなさっている方もおられるかもしれません。最初は「これでいいのか?」「意味のある仕事をしているのか…」とか思いませんでしたか?私は、正直、ずっとこの仕事が続けられるか考えていました。皆さんの中にも、レベルは違っても心当たりがある方がおられると思います。
私はある日、こんな考えをするようになりました。特に現代の会社には資質に富んだ人、クリエイティブな仕事をする人が必要です。しかし、地味な「単純作業」もまた必要不可欠だと気づいたのです。
カウンセラーの仕事内容や質の良いカウンセリングを考えると、時には過去の膨大なカルテ等が必要となる。その際、あるクライアントの何年も前の詳細なカルテ等を探し出して、参考にしてみたくなる。そして、何分もかけてその方のファイルを引っ張り出し、あのオレンジ色の指サックをつけたり、指先を湿らせたりして、ある時は何百枚もの中から必要なページを見つけ出す。「あ~、この方は、こんな状況の時に、こんな感情を抱き、このような言葉がつい出て、それからこんな風に変わっていかれたのだなあ~」とか思い出す訳だ。過去のケースから学ぶところは山ほどある。
そこで、私の今の仕事が、現在も将来的にも、カウンセリングに役立つということだ。指先一本でコンピュータを使い、必要な資料が見られるからだ。これでカウンセラーの仕事の時間が何割短縮されるかをみたい衝動にかられる。
そう考えると、私のこの「単純作業」が「意味のあるもの」だと気づき、真に受容した訳です。ですから、皆さんも「今、自分のしていることには必ず意味がある」「単純だからこそ意味がある」と思って頂きたい。かなり飛躍してしまうが、たとえ、病に苦しんでいるとしても、辛い状況におかれているとしても、そして、毎日生きていることに意味があるのだと思いたい。
長くなってしまったが、そう考えて、私の任された仕事に、「意味」を感じながら力を注いでいる毎日である。
スタッフT
