毎年、7月8月あたりから各高校ごとの「オープンスクール」や、大手進学塾・新聞社・教育関連業者などが主催・協賛する「合同進路説明会」が各地で開催されるようになります。
また、いずれの場合も、多くは「個別相談」の時間・特設ブースが設けられているようです。「うちの子は不登校だけど、個別相談まで受けていいのかしら・・」「子どもの名前を言った上で不登校だと知れたら余計に不利になるのでは・・」と、二の足を踏まれる親御さんもたくさんおられます。しかし、実際に個別相談を受け、子どもが不登校であることを打ち明けたところ、「うちは出席日数よりも当日のテストの結果を重視しますから大丈夫ですよ」とか、「毎年、不登校の子は○人ぐらい合格していますよ」「もし入学後も登校しにくいようなら、色々サポートさせていただきます」など、丁寧に説明していただけたという話をよくお聞きます。また、個人の名前は伏せて受けることが可能な場合もあるようです。
今は多くの学校(特に私立)で趣向や工夫を凝らしたホームベージを作っておられます。しかしながら、表立って「不登校の子の受け入れ」について説明されているサイトはあまり見かけません。そういった意味では、このような説明会・相談会は不登校の子や親御さんの不安を解消したり、進路を左右するきっかけになりやすいと言えるでしょう。
また、「子どもと一緒に行きたいけど、本人は嫌がるので・・」という場合は親御さんだけでも参加される価値は十分にあります。不登校の最中で、「(説明会は)行きたいけど知ってる子に会ったらどうしよう・・」と、人の目が気になる子は行きにくくて当たり前。うまくいけば、親御さんが説明会から帰って来たら「どうやった?、何て言われた?」と気にしたり、もらってきたパンフレットを渡すとすぐに読み出す子もいます。不登校のカウンセリングでも、このようなきっかけ(説明会に行った・パンフレットを目にした)を機に、進路(高校受験)に向けての話し合いができるようになったというケースがたくさんあります。
淀屋橋心理療法センター
所長 福田俊一(精神科医・心療内科医・児童精神科医)
担当 小川和夫(不登校・非行問題研究室長 ファミリーセラピスト・心理カウンセラー)
2015年7月28日
