家族ぐるみの治療をめざして2|所長・医師 福田俊一

所長・医師 福田俊一
家族ぐるみの治療をめざして2

まずは、子どもに向かって「君ね、このあいだ言ってたけど、あれはすごく大事なことのようやな。お父さんに言いたい気もちあったな。あれ、ここでちょっと話してみないか」と水を向けます。私の希望としては、ここで勇気をだして普段言えなかったことを言ってほしい。これだけ大きなトラブル、入院というような事態になったんだから、やっぱりそれぐらいの勇気をもってほしいという気もちなんです。実際に子どもは勇気を持ち始めていました。だからこそ普段あまり誰にも語らなかったことを、治療者の私に話すというようなことができてきたわけです。

ところが、いざお父さんの前へ行きますと、子どもの態度がガラッと変わるんです。私と話している時は、割と素直に話してくれてたのですが、いざお父さんに向かうと急に緊張して黙りこくってしまったり、あるいは急に挑戦的なポーズをとったり、態度がガラッと変わるんです。「あれっ」とびっくりしました。しかし、ここで負けてはいけないと思い、人生の一大事ここで一勝負してみろという感じで「君、ここで言わんかったり一生お父さんにわかってもらえないぞ」と、子どもを少しプッシュしました。そうすると、グズグズはするものの、子どもは一大決心をしたかのように思い切ってお父さんにこう言いました。「お父ちゃん、あんなー、前から言おうと思とったんやけどな、こんなんわかってたか・・」・・、お父さんに自分の気もちをポツポツとしゃべり始め、終わったかと思うとワーッと泣き出しました。「やったー、これはすばらしいドラマだ!」、私はすっかり陶酔してしまいました。「これをきっかけにきっとこの家族はうまくいくに違いない」と思っておりますと、今度はお父さんの方がぽかーんとした表情で「先生、まだ息子の病気、悪いようですね。なんとかなりませんか」と言われ、ガックリきてしまいました。「これは難しい。家族というものは難しいなー」と思い始めたのが、家族ぐるみの治療をめざすきっかけになったんです。

友だち追加
このエントリーをはてなブックマークに追加 淀屋橋心理療法センターRSS配信

淀屋橋心理療法センター
福田 俊一(所長、精神科医)

SNS

淀屋橋心理療法センター Facebook 淀屋橋心理療法センター Google+ 淀屋橋心理療法センター Twitter 淀屋橋心理療法センター RSS

出版物

克服できるリストカット症候群

克服できるリストカット症候群

事前相談

約1時間の事前相談は無料です。

不登校タイプ別対応の仕方

タイプ別に不登校への対応の仕方を掲載。当センター発行の機関誌「RAINBOW」から、学校の先生方向けに書いたものを加筆・修正したものです。

不登校タイプ別対応の仕方

ご相談件数

ご相談件数の多い順番に、摂食障害不登校うつ・・・となっています。

地域別割割合

京阪神・近畿圏以外の遠方から来所される方もたくさんおられます。

QRコード

淀屋橋心理療法センターのQRコード

よくある質問

 息子にカウンセリングの話をしても行きたがらないと思うのですが、どうしたらよいでしょうか。

 カウンセリングは初めてで、どんな場所でどんな形でするのか不安です。


アクセス
新書籍発売「克服できるリストカット症候群」