強迫性障害(強迫神経症)の相談が増えています。ある高校2年の男の子(H君)の相談です。
休み時間に友達とわいわい大騒ぎする元気な子ですが、友達が大声で話し唾が飛ぶ事が嫌で仕方ないのです。『お前汚いなー!』『悪い悪い』と最初はそれで終わっていたし、他の子は今でもそんなノリで楽しそうに会話を続けているのですが、H君は次第にそれでは流せなくなってきました。もちろんその場では我慢して場の空気を壊さないよう必死で楽しそうにしているのですが『唾が制服に飛んだ 嫌だ嫌だ』という思いがその後もずっと頭から離れません。ようやく家に帰るとすぐさま制服を脱ぎお母さんに消毒するよう言います。
だんだんそれはエスカレートして制服から体まで汚く感じ玄関で裸になり自分は2時間お風呂に入りお母さんが制服をアルコール消毒という所まできました。お母さんも毎日の事で疲れ果てています。
最初は申し訳なさそうにお母さんに頼んでいたH君ですが、今は『俺の辛さはわからないだろう もう外にも出たくない でも単位が取れないと進級できない 学校を休めないんだ』と家では頭を抱えて苦しんでいます。
そんなH君に妹もご両親も腫れ物に触るように顔色を見ながら過ごしています。H君の強迫性障害(強迫神経症)に家族みんなが巻き込まれ疲弊している状態でした。こじれてしまった強迫性障害(強迫神経症)を治すのは時間も努力も要するものです。できれば早い段階で治療を開始することが望ましいのです。
このご家族も最初は『消毒してくれ』と頼まれたら『はいはい』と気軽にスプレー消毒剤で除菌していましたが、だんだん彼の要求がエスカレートしてきてあっという間に強迫性障害(強迫神経症)のスパイラルに巻き込まれてしまわれたようです。やはり早い段階で専門家が介入することが早期解決に繋がることは間違いありません。
スタッフU
2015年2月19日
