養護教諭の月刊誌「健康な子ども」(2004年1月号)に淀屋橋の記事が掲載される

特集養護教諭の仕事Q&A 「今、いちばん知っておきたいこと」

「健康な子ども」は、京都発「生活医学研究所」が発行している養護教諭むけの月刊誌です。編集長の安見氏より、養護の先生からよく出される質問(Q)に回答をとの執筆依頼がありました。以下は本文より抜粋、要約したものです。全文はぜひ本誌をご覧ください。

養護教諭の月刊誌「健康な子ども」

Q.養護教諭からの質問「登校しない子どもに、どうはたらきかけたら良いでしょうか?」

福田俊一(所長、精神科医)と増井昌美(家族問題研究室長)が回答(以下↓)

A.傷ついた子どもは警戒心が強い。あせらず、一つ一つ扉を開くように

保健室に来ているうちにできること

「もしこの子が学校にこなくなったら,どんなことができるか」。保健室に来ているうちに子どもとの心の絆をしっかりと築いておく。養護教諭は。子どもを細かく観察できる立場にある。ピンチへの陥り方、解決のくせなど、不登校になってから親に子どもの情報を話すことで信頼感を得ることもできる。また子どもが「ほっといて」と張っているバリアの向こうにも近づくことができる。

子どもの心の三重の扉を開けるには

第一の扉さりげない雑談で気持ちをほぐす — 安心感

子どもが興味をもつものならなんでもいい。先生はできるだけ「聞き役」に徹して、相づちを上手にうつこと。夢中になって子どもが話せるように。「安心感」が育つ中、子どもは心の奥をふとかいまみせることがある。

第二の扉ぐちも批判もしっかりとうけとめて — 自己主張の芽

先生批判、学校批判、友だちの悪口など、いっぱいでてくる。正論、常識論でそれを締めくくらない。せっかくでてきた強気な面をどんどんださせて芽をのばそう。

第三の扉不安や弱音が話せるか — 本音を出す

「勉強ついていけるかな」「友だちになんか言われたらどうしよう」といった弱音や不安がでてくる。これは現実=学校=クラスを、しっかりと見つめ出している証拠。「不安なのね」「行こうとしたら、なにが一番不安になる」など、不安を共有する言葉がけを。

好きな物でコミュニケーションを

子どもの心をつかむのは、「勉強しなさい」「しっかりがんばるのよ」という言葉ではない。保健室にきたころ、どんな話題に目を輝かせていたか、思い出してみよう。テレビゲーム、ケイタイ、野球、サッカー。 子どもの心をつかむ一番の近道は「好きな物でコミュニケーション」をとることである。

たまには「叱る」ことも大事

「叱る」ことが一番むつかしい。子どもとの信頼感がしっかりと結べていることが必要である。子どもが不登校を「人のせいにしている」「問題意識がうすい」「誰かがなんとかしてくれる」といった状態のとき、ピシッと一言釘をさすことが大事。

生活面の崩れをどうするか

元気はいいが、非行っぽい子たちへの対応

非行っぽい子たちは、意外にさみしがりやで甘えん坊。 自分を理解してくれる人には、なついてくる。 ときどきやさしい言葉掛けを。

大人しいが、引きこもりがちの子への対応

親に知られるのを警戒するむきがある。がみがみ言われても言い返すことができない。 大人しくみえても、内心は「がんこでこだわり性」。 ゆっくりじっくりがキーワード。

養護教諭の月刊誌「健康な子ども」

Q.家庭への支援「保護者との連携の難しさに困っています」

回答(以下↓)

A.養護教諭からのアプローチは、心身ともに疲れた母親をなごませます

孤立感を強める母親に、保健室での情報を提供

「育て方が悪かったから」と、母親は自分を責めたり、友人の輪から遠ざかったりで孤立感を強めている。保健室にきていた頃の子どもの様子を書き留めていたノートをもって、養護教諭が家庭を訪問。それをみて子どもの不登校は「クラスでいじめられていたから」とわかった。原因がはっきりして母親は、気持ちをおちつけ、やみくもに「学校へ行きなさい」と、追い立てることがなくなった。

「お父さん、そろそろ出番ですよ」と、うながそう

事例:勇中1

不登校になって三ヶ月。母親だけでなく、父親の参加も望まれた。

アドバイス1 子どもをめぐる情報を両親で共有する

一日の勇の様子をノートにつけて父親に読んでもらう。細かな情報がわかり、父親も正論や常識論をふりまわさなくてもよくなる。

アドバイス2 子どもと父親をつなぐ心のパイプをさがそう

いじめられての不登校。だから「強くなりたい」という勇の気持ちがわかった。そこで母親が父親に頼んだ。「なにか強くなれる手助けをしてやって」。父親と息子が二人で協力してできるものがみつかったと、母親も安堵。

担任と親との橋渡し役に

担任もクラス全体をみなくてはならない。「お宅の子どもさんだけが生徒じゃないんです」と、母親に告げなくてはならないときもある。母親もこの言葉で、命綱を断たれたような気持ちになる人もいる。そんなとき養護教諭が間にはいって、学校と家との情報を交換する橋渡し役を努められたら、親もほっとするだろう。 毎日の小さな学校での様子がわかると、子どもも「見捨てられていない」と思うにちがいない。

お母さん、「聞き役」に徹するのがいいんですよ

子どもが話始めたら、「お口をチャック、耳をダンボ」。これが鉄則。できるだけ母親は聞き役に。自分の意見をいったり、他の話題をだしてしまったりしないよう。じょうずな相づちが打てる工夫を。

「昼夜逆転」を直そうとあせらないで

不登校になると子どもの生活リズムが夜へ夜へとづれこんでくる。深夜番組とか、インターネットとか。これを直そうと「がみがみ」言っても逆効果。「親のいいなりになるもんか」と、よけい反発。それよりも父親にも入ってもらって、家族でなにか楽しいことを計画するとか、遊ぶとか。親への安心感や信頼感が得られるようになることが、先に大事なことといえる。

2019.04.17  著者:福田俊一 増井昌美

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