非行の解決策 その1

このところ「非行」の相談が増えています。私どもでは「非行」は得意分野なのですが、一つ心配なことがあります。どの親御さんも真剣に悩み、とても困っておられる様子は伝わってくるのですが、一方で「疲れているなー」と感じるのです。これまで試行錯誤しながら努力してきたものの、なかなか結果を出せなかったからかもしれません。周囲からの圧力もきっとあるでしょう。私どものカウンセリングでは、ご本人の「悪さ」よりも、親御さんの「やる気=気力」の方を重要視します。いくら良いアドバイスであっても気力がないとうまくいきません。そこで、親御さんが疲れ切ってしまう前に、だいたい子どもさんがどんな風になってくれば良いのか、数あるポイントの中から「さびしがり屋の生かし方」に絞って、その方向性をご紹介します。

親子の会話を増やす

さびしがり屋の子にとって親御さんとの会話が「できない・少ない」となると、「家=おもしろくない・気まずい」と感じてしまい、ますます家庭に居着きにくくなります。親御さんからの話しかけが学校を休んだことや深夜の外出といった重要な話題ばかりに集中するのも同様です。子どもさんは重たーいムードの家庭を脱出し、軽ーいムードの友だちの方に流れていってしまいます。いくら表面的には強がっていても、重要な話題を面とむかって話せるほどの勇気はないのです。軽い話題もふんだんに盛り込んで「会話がはずむ→家庭に居着く→重要な話ができる」を目指してください。

親子のスキンシップを促進する

これは「女の子」と「母親」といった組み合わせが一番条件が良いようです。「男の子」でもベタベタひっつくのは難しくても、一緒に行動したりペラペラ喋るようになる子がけっこういます。「スキンシップ=親子のふれあい・親を身近に感じること」なのです。ですから「ドライブ・散歩・外食」を一緒にするだけでも効果的です。誘いをかけても嫌がることがあるかもしれませんが、照れているのかもしれません。たとえ誘ったことが実現しなくても「誘ってやる」という働きかけそのものを喜んでいるはずです。また、お母さんの手作りのおにぎりが好きな子が多いのですが、これも一種のスキンシップですね。

家庭のムードを明るくする

親御さんがうかない顔や落ち込んだ顔をしていると、さびしい気持ちがいっそう強まってしまい、その場に居づらくなります。それがたとえ子どもさんの悩みでなくても同じです。友だちと電話でしゃべっている様子をご覧になったことはありませんか。特に女の子は親の前でも平気で、大声でベラベラしゃべる子が多く、男の子も部屋に隠れて話すことはありますが、だいたい明るくしゃべっていることが多いようです。おそらく相手も明るくしゃべっているのでしょう。子どもさんは常に相手の「顔色」をうかがいながら近寄ったり離れたりしています。テレビをみてゲラゲラ笑ったり、両親で話が盛り上がるのも効果的です。

不満やグチもしっかり言わせてやる

不登校の子なら、学校でもさびしい思いをしていた可能性が十分あります。この話題も再登校をめざすならば必ず通らなければならない道です。クラスの中でポツンと浮いていたり、授業態度が悪い子は先生方から見放されている場合もあります。これが出ないと登校の話が前に進みません。そのためには「不満」や「グチ」が普段から出せている必要があります。食事中やテレビをみている時など「まずい」「おもろないわー」「きしょー」など、耳の痛い言葉であっても「気になること・言いたいこと」はなるべく言わせてあげて下さい。他の話題で不満やグチが出しやすくなってくると、学校の話題も出しやすくなってきます。

非行の解決策

いかがですか。一見、「それでは余計に悪くなってしまうのでは」と思われる要素もあると思います。しかし、非行に走ってしまう子にとって「さびしさ」は大敵なのです。家に居着かない子であれば家庭が、不登校の子であれば学校が「さびしい」場所になっている可能性があるのです。子どもさんはそんなさびしい気持ちを「行動」で表しているのですが、これをぜひ子どもさんからの「S.O.S」だと考えて下さい。今回あげたテーマは数あるポイントの中のほんの一例ですが、少しずつでも伸びてくれば先行きも開けてきやすくなります。逆に、最初に方向が間違ってしまうと努力すればするほど裏目に出てしまいます。ぜひご参考になさって下さい。

2019.04.17  著者:福田俊一 小川和夫

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