性格・行動関連編:引っこみ思案

「うちの子、学校から帰っても自分から遊びに行こうとしないんです」。お母さんの心配は、幼稚園に通う達也君の引っこみ思案な性格です。

幼稚園の個別懇談でも先生からこんな指摘を受けました。「達也君は、ちょっと変わってますね。『さあ、今から好きなことしていいですよ』って言うと、ほとんどみんな運動場に飛び出して遊びだすんです。それなのに達也君、教室のすみの桜文庫のまえで一人絵本を読んでるんです。おうちでもそうですか」と。自分から手をあげて発表しない。わからないんじゃないという。あてられると、ちゃんと答えられる。でも自分からは積極的に手をあげて言うことはしない。

「私の育て方が悪いのかしたら。それともこの子、変わっているのかしら。こんな引っこみ思案で将来だいじょうぶかしら」と、お母さんの不安はふくらみます。

『引っこみ思案』(別冊PHPより)

「引っこみ思案」は現代では、つい価値がないように思われています。もっと積極的な子になってほしいというのがお母さん方の思いでしょう。

でも引っこみ思案な子は、よい意味で慎重な子のことなのです。それに「引っこみ思案」は一方で、前に出たいという強い気持ちがあって、それができないということなのです。「引っこみ思案」の子は前にでたい、表に立ちたいという積極性を心の中にもっていることを、まず理解してあげてください。

そのうえで、嫌がる子のお尻を押してもいいですし、それが逆効果になると思ったら視点を変えて、日常生活のなかで自分から能動的に動こうとしている場面を思い起こしてほしいのです。本来、能動性の芽があるのに、親が面倒がってそれを育てていない、生かしてやっていないことが見つかるはずです。

それを認めて、できそうなことはやらせていく、それを繰り返すことで、前に出たい気持ちが生かされ、積極的な子どもに変わっていきます。

また、子どもの話をよく聞いてやることも引っこみ思案を直します。しゃべりたい気持ちは強いのですから、話したそうにしているとき、しっかり目を見て、じっくり聞いてやることで、引っこみ思案は確実に治っていきます。もちろん早急に改善するということはありません。何年も積み重ねていくことで、子どもは変わっていくのです。

関連記事

2014.11.21

【不登校】会話の少ない時は「テレビ」などを活用して!

子どもさんが不登校やひきこもりになると、親子の会話も減ってしまうことがあります。一生懸命話しかけると嫌がられ、同じことを何回か言うと「しつこい!、うるさい!」の一言どまり・・。会話が少なくなると家庭の雰囲気も次第に暗く・ […]

2015.08.31

【不登校・非行】カウンセリングが親御さんの「薬=安定剤」に

淀屋橋心理療法センターの不登校・非行のカウンセリングでは、子どもさんへの対応のアドバイスを親御さんにお出しし、次回こられた際に、その間の子どもさんの反応=対応の良し悪し(向き・不向き)を検証します。 カウンセリングで前回 […]

2012.11.15

気付き(アスペルガー 発達しょうがい)

アスペルガー 発達しょうがいの人で自分が嫌いだ自信がないと自己評価の低い人を沢山みてきました。もったいないと思います。自分が短所だと思っている所は裏を返せば長所になる所が結構あるのです。 我々はまずそれに気付いてもらうお […]

シリーズ記事

1.性格・行動関連編:チック

『チック』(別冊PHPより) 目をパチパチさせたり、肩をひくつかせたりして、それをしないと落ち着いていられない状態がチックです。元来、心配な病気ではありませんので、親があまり気にせず、そうっと見守っていれば自然に治ると言 […]

2.性格・行動関連編:引っこみ思案

「うちの子、学校から帰っても自分から遊びに行こうとしないんです」。お母さんの心配は、幼稚園に通う達也君の引っこみ思案な性格です。 幼稚園の個別懇談でも先生からこんな指摘を受けました。「達也君は、ちょっと変わってますね。『 […]

3.性格・行動関連編:吃音

『吃音』(別冊PHPより) 小さい子は焦ってしゃべろうとするので吃音になりがちです。それは落ちついてゆっくりしゃべれば解決 することですので、案外治りやすいものです。「あわてなくていいからね」と言ってやったり、会話の雰囲 […]

4.性格・行動関連編:粗暴・暴力児

『粗暴・暴力児』(別冊PHPより) 暴力児には二つのパターンがあります。まず、非行型の徒党を組む子は、「認められない」気持ちから、 「寂しさ」がつのって、同じような「仲間」に惹かれていく子です。こういう子は暴力以外にも、 […]

5.性格・行動関連編:動作がのろい・ぐず

幼稚園でお弁当を食べるのがいつもビリという子がいました。みんなお昼の外遊びで、元気よく走り回って いるのに、その子だけはいつも先生がそばについて「さあ、はやくたべましょうね」と、せかさないと終わりま せん。 懇談会で、先 […]

6.性格・行動関連編:無表情

表情のない子でも、心のなかは豊かな子もいるよ 子どもは元来むじゃきで、表情がゆたかな者という印象があります。でも表情がないからと言って「この子は、子どもらしくない」と、決めつけてしまわないように。 不登校で来所していた佳 […]

7.性格・行動関連編:落ち着きがない

疲労困憊してしまったお母さんがこられました。ご主人と一才半になる男の子もいっしょでした。 母:なんでこの子、こんなに動くんやろね。一時もじっとしてないんです。 父:あんたもそうやで。ずーとなんかしてんと、気がすまへんタイ […]

コラム一覧へ