真弓(小学校6年不登校)【前編】

五年生の時、同じクラスのY子にイヤなことを言われたことをきっかけに真弓は学校を休みはじめた。真弓はもともと勝ち気だったもののY子には叶わなかった。Y子はクラスの女子をたばねるリーダー的な存在で、男子といえどもY子に逆らう者はいなかった。

真弓の気の強さはカウンセリング中でも健在だった。カウンセラー相手にも「タメぐち」で話し、母親の話がちょっとでも気にさわれば「ちがうやん!、○○や、○○!」とすぐさま修正した。カウンセラーは、これほど勢いのある子ならこの持ち味を再登校の原動力にしようと考えた。

しかし、真弓の勢いは学校の話題になるととたんにトーンが落ちた。六年生になってY子とクラスは分かれたものの、真弓の不安は消えることはなかった。やはり、学校にいけばY子の目がすごく気になるし、母親が学校の話題を出すだけで泣いてしまうこともあった。一方の母親も、ふだんは元気すぎるぐらいの子なだけに、いつしか真弓が落ちこむ話題は避けるようになっていた。

教室登校ができない間、真弓は登校時間をずらして別室(相談室)登校をしていた。そこでは物腰が柔らかで、穏やかなM先生が彼女の相手をして下さっていた。しかし、登校時の様子をきいたカウンセラーは今ひとつしっくりこないものがあった。M先生のおかげで別室登校は無理なくできるものの、そこでの彼女は「真弓らしくない」のだ。このままで果たして教室まで戻れるようになるのか・・。【後編へつづく】

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