真弓(小学校6年不登校)【後編】

「彼女に負けないぐらいのお元気な先生はおられないでしょうか」。カウンセラーの依頼をうけた母親は、真弓にぴったりの先生を捜すためさっそく小学校をおとずれた。そこで白羽の矢が立ったのは保健室のT先生だった。相談に訪れた母親も驚くぐらい活気のある方で、まるで「私にまかしとき!」といわんばかりの頼もしさを感じたという。一方の真弓も、先生に実際に会ってみるまではブツブツ言っていたものの、T先生と話をはじめるや否や様子は一変した。

「これほどうまくいくとは・・」。母親も驚くほど、真弓はみるみるT先生にうちとけていった。T先生はベテランの先生らしく、真弓の口の悪さや態度のデカさには目もくれず、見事なほどに話を盛り上げてくださった。

「以前の元気な真弓に戻ったようです!」。カウンセラーに報告する母親もうれしそうだった。真弓は毎日よろこんで保健室登校をするようになり、帰ってきたかと思えばすぐさま母親をつかまえ、うるさいぐらいにその日の出来事を話すようになった。

保健室登校をはじめて一ヶ月、T先生の手配で仲の良いクラスメートが一人二人と保健室を訪ねてくれるようになった。時には一緒に給食を食べてもらったり、昼休みにはクラスの大半の女子が保健室につめかけてくれることもあった。

やがてクラスの子にともなわれて「今日は終わりの会だけ」「今日は5時間目から行ってみる」と、少しずつではあるが自分で時間を決めてクラスに入れるようになっていった。いったんクラスに入りはじめると、完全登校まではスムーズだった。クラスの中でもにぎやかだし、家に帰ればさらに拍車をかけたようにうるさい真弓。T先生が築いてくださった「うるさいほどしゃべれる」相手がクラスメートや母親へと引き継がれていった。

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