ギリギリ再登校(2003.01.21)

ご家族対象の不登校勉強会は毎月第三火曜日に開催しています。(※只今休止中です。)

2003.01.21夕方から、ご家族対象の不登校勉強会が開かれました。テーマは"ギリギリ再登校"。数名の父親もまじえ、みなさん真剣な表情。はじめはまず親御さんたちの思いこみを解くために、頭をほぐすような話しからスタートしました。その様子をかいつまんでお伝えしましょう。

淀屋橋における不登校カウンセリングとは

最近は価値観の多様化から、先生、親、子どもがまとまりにくいまた合いにくい世の中になっています。不登校への取り組みも多くの相談機関が独自のやり方をすすめており、それに加え精神科や心療内科などもあります。不登校のカウンセリングといっても、カウンセラーによつて取り組み方がちがうこともよくあります。大切なのは、親が「うちの子には、どのカウンセリングがいいのか」を選ぶ目をもつことでしょう。

淀屋橋が主として取り組むカウンセリング法とは

淀屋橋では「エコロジカル・アプローチ」という取り組みを中心にしております。これは人間と環境を一体ととらえるといった考え方です。動物の「キリン」の例をあげてみます。ケニヤの草原で生息しているキリンと動物園の檻のなかにいるキリン。同じキリンでもずいぶん違う姿が浮かんできます。子どもについてもこれと同じことが言えます。家にいるとき、学校にいるとき、友だちといるとき、どういう顔をしているのでしょう。それぞれの環境にとけ込んだときの様子を含めて、子どもをみていこうというのが「エコロジカル・アプローチ」の考え方です。

子供の問題を解決しようとするときに、よくおきる考え違い

子どもの一面だけを見て決めている(原因-結果思考の落とし穴)

「家の子は友だちのことで」とか「先生とあわなくて」と、不登校の原因を決めてこられるお母さんが多いです。ほんとうにそれだけか、他にも要因が隠れていないか。子どもを360度の視点から観察してみましょう。

わが子を「わかってるつもり」で、見落としている

今一度親が理解している子どもの姿を棚上げして、よーく観察してみましょう。「おとなしい」と思っていた息子が外では暴れん坊だったり、親にはぶっきらぼうなのに近所の人にはきちんとあいさつをしたり。子供のことをわかっているという思いこみは捨て、もういちど子供を環境において観察し、理解しなおさなければいけません。身近な人ほどこの落とし穴にはまりやすいと言えましょう。

つまづいた後、その子はどうしたかが大切

人間は自動修理機能つきの精密機械のようなものです。なにか問題がおこると、自ら必死で解決しようと努力します。そこが機械とのちがいですね。つまづいた後、その子はどうしたか。いろいろ取り組んでみたけど、うまくいかない。その取り組み方を吟味します。このなかにこそこれからの解決の指針が隠されています。

家庭で身近にできることは

日々確実に解決に向かっているとわかるための指標は?これがあればほんとうにやりやすいですね。「子どもが元気になっていってるか」これが道しるべになります。解決に一生懸命になっているうちに、親は基本的なことを忘れがちです。子どもが何をしているとき目を輝かせているか。何に夢中になっているか。その対象はかならずしも親の希望とは一致しないかもしれません。しかし子どもが元気になる方向を選んでいたら、まちがいはありません。「話したくて仕方がない、テレビをみておもいっきり笑っている」といった元気さは必ず必要です。子どもがどっちにいったら元気になるかは、専門家でなくてもお父さんお母さんのほうがよくわかります。

不安を乗りこえる力をつける

「元気になったなあ」と思っても、これだけで登校できるわけではありません。解決に近づくために今何をすればいいか?自主性を尊重するまえに、たくましさが育っていかないと。「登校したら勉強ついていけるやろか」「友だちにからかわれたらどないしよう」「先生からなんかいわれるんちゃうか」など。登校が現実のものとなって近づいてくると、必ず子どもの頭のなかは不安がかけめぐります。この不安に向き合う力、一歩ふみだすたくましさが必要です。

そのあと"ギリギリ再登校"がいかに可能になってくるかの話になり質疑応答がおこなわれました。

勉強会後、皆さんにアンケートを書いていただきます。

その抜粋を紹介しましょう。

中2男子の母:もっと知りたい!今までしてもらったカウンセリングと随分違うのでびっくりしました。もっと聞きたいという気持ちです

小6男子の父:子どもを元気にする。子どもの心にゆとりをもたせる。これからそうしたいと思います

中3男子の父:エピソードを集めて、パターンをみつけ。その例外をさがす手法が参考になりました
(注:エピソードとは日常生活でのさりげない出来事、パターンとは家族のやりとりのほぼ決まったやり方。例外はいつもと違うやりとりのことです。)

中3女子の母:たいへん良かった。一年早く淀屋橋と福田先生を知っていれば、ここまで不登校がこじれることはなかったのに

中2男子の母:もっと知りたい!今までうけたカウンセリングとずいぶん違うのでびっくりしました。もっと聞きたいという気持ちです

小6男子の母:子どもを元気にする、子どもの心にゆとりをもたすようにしたいと思います

中1男子の父:不安があるていどなくなりました。子どものためにがんばります

2003.01.21  著者:福田俊一 小川和夫

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