ギリギリ再登校

新しい年が明け、年度末が近づいてきました。これまで子どもさんの不登校で悩みつづけてこられたご両親にとって、そろそろ「学年の変わり目の方が行きやすいだろう」「四月からは何とか」と、次の学年に目を向けはじめる方が増えてくる時期です。この時期に留年がかかってくる高校生ならば「この際、通信制や定時制など環境そのものをかえてやろう」と考える方も増えてきます。

たしかに「新しい環境の方が気分が切り換えやすい」「キリの良い時期からの方が動きやすい」と考えるのはもっともです。実際に学期や学年の変わり目から動き始める子もたくさんいます。しかし、一方では環境の変化やキリの良さだけでは動けず、逆にせっぱつまってようやく重い腰を上げる「ギリギリに動く子」も意外と多いのです。そんな子を見分ける方法はないでしょうか。また、そんな子の場合はどんな対応に心がければ良いのでしょうか。

ギリギリに動く子かどうかを見極めるヒントは日常生活の中にあります。特に「夏休みの宿題」「部屋の掃除」などが良い例です。40日ぐらいある長い夏休み。宿題もたくさんでます。早めにやってしまう子、毎日コツコツと計画的にこなす子、9月の間際にようやく動きだして徹夜で仕上げる子。子どもさんはどのパターンですか。また、部屋の掃除はどうでしょうか。日頃からマメに掃除する子、きつく言うと片づける子、「明日中にしないと全部すてるわよ」とタイムリミットを決めてようやく動く子・・・。ギリギリに動く子は登校だけとは限りません。昔から気の重たいことは、ギリギリにならないと動けないのです。

対応の方も同様です。「早めにした方があとが楽よ」「いつもギリギリに苦労するんだから先にやってしまいなさい」と、いくら口をすっぱくして言っても結果は同じ。留年がかかってくるとなおさらです。「風邪でもひいたらどうするの。せめて一週間ぐらい余裕を残さないと・・」と、現実的なアドバイスをしても耳を貸せないのです。子どもさんによっては、親が詰めよるほど「もう行かない」「あんな学校やめてやる」と退学宣言をしてしまう子もいます。

ギリギリに動く子は、ギリギリになってくるほどお尻に火がついてきます。日数にゆとりがある間は心の中では焦っていても、見た目は落ち着いているように見えるのです。ギリギリが近づいてイライラ・そわそわしてきた時がチャンスです。「だから早めに動けと言っただろう」という気持ちをぐっとおさえて下さい。ギリギリの時点で親子が気まずい関係になっていると投げやりになってしまう場合もあります。「ようやくその気になってきたか」と思って、しっかりと話につきあってあげて下さい。

(2003.01.21)

2003.01.21  著者:福田俊一 小川和夫

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