1.食べることに関しては、母親は口をはさまないほうがいいんでしょうか?

【質問5】娘は今17才ですが、三年間拒食症が続いています。発症当時50キロあった体重は35キロまで減りました。お料理を作るのは好きで、家族のためにいっぱい作ってくれるのですが、自分では食べようとしません。「Kちゃんも食べないと」とか「ほらこれ、栄養あるよ。一つでも食べてごらん」といって、進めていたのですが一向に食べないばかりか、よけいかたくなになるような気がして。とうとう親も我慢できなくなって「食べないんだったら、せめて自分から栄養ドリンク剤くらい飲まないでどうするの!」と、怒ったように言ってしまいました。食べることに関しては、心配でも親は口をはさまないほうがいいんでしょうか?

【答 え】「食べなさい」と言ったら、ますます反発して食べなくなるということも考えられます。言わなければ自分から食べるようになるかというと、拒食症の子にそれは期待うすでしょう。どこで押すのか、どこで引くのか・・なかなかデリケートな問題です。内科医で処方された栄養ドリンク剤は、一本500Kカロリーほどあります。食べない子にとっては文字どおりの命綱です。食べて欲しいところですが、「カロリー」という言葉を聞いたとたん、いっぺんに喉を通らなくなったという拒食症の子もいます。我々もケースバイケースで対応しています。

ただ「食べろ、食べない」の押し問答をしていても不毛地帯のようなもの。どれだけしても花を咲かせるのは難しいでしょう。

少しこの問題から目をそらして、子どもの全体像を見てみましょう。14才から17才というと年齢的に子どもから大人になるちょうど変わり目にきています。わりと自己主張が強かった子なんかは自然に脱皮して変わっていきますが、我が強いのに我を出しにくいという子の場合、ここらで止まって行き詰まってしまうことがよくあります。小さい頃から慣れ親しんだ自分のようにはできないし、かといってどうしていいかわからない、もやもやした気持ちでいることがよくあります。摂食障害とはこのもやもやしているうちにポコッとやせ願望にはまってしまったようなものです。このあたりで子どもから大人へ、脱皮ができるお手伝いが必要です。

子どもの体重がこれ以上下がったりしないよう、また体に不調はでていないか十分気をつけながらすすめていきます。そして親子のコミュニケーションがこじれないよう注意しながら、一番効果のあがる本質的なところを解決すべく着々と手を打っていきます。

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