【不登校】「転ばぬ先の杖」vs「失敗から学ばせる」

不登校の子をお手伝いしていると、「この子はまだ不登校だけど、ずいぶんとたくましくなってきたなー」と、家庭の中の様子をうかがっているだけで実感する場合があります。たとえば、近所の皮膚科に行かないといけない日。以前は「そろそろ薬がなくなってきたから行かないとなー」と、気の向くまま出かけ「くそー、せっかく行ったのに休診だったー!」と、せっかく行ったのに無駄足に終わってしまった事を悔しがっていたのです。しかし、一ヶ月後の再診日。出かける前にしっかり診察券をチェック。「よし、今日はやってる。あっ、早く行かないと午後の診察が終わってしまう。行ってきまーす」。

一見すると当たり前のような行動なのですが、もし今日が休診日だと親御さんが知っておられた場合、「無駄足になることを承知で放っておく」という判断ができるでしょうか。現実的には、子どもさんが出かける前に「ちょっとー、今日は休診よー」、さらに「明日は木曜だから午前中だけよー」と声をかけてあげる場合が多いのでは?。さらにもっと気の利く親御さんならば「もう薬がなくなるころでしょ。明日ぐらいに行っておいたら?」と、良かれと思って先手を打たれる場合も・・。

では、いったいこれらの一連の親子の行動は「不登校問題解決」とどのようにつながってくるのでしょうか。実は、「失敗を経験する・失敗に慣れる」というのは「自信」や「自立心」と密接につながっているのです。失敗して悔しい思いをしたからこそ「次は失敗しないぞ!」という意志や、「忘れないようにカレンダーに印をつけておこう!」という工夫につながってくるのです。このような力がついてくると、たとえば学校で嫌なことを言われた時でも、「よーし、今度言われたらこんな風に言い返そう!」という前向きな工夫ができるようになってくるのです。

一方、失敗をしたことが無い子や失敗に不慣れな子は、失敗することを恐れるようになり、「失敗するのでは」という不安が頭をよぎるだけで、どうしても腰が引けてしまうようになります。これを学校での問題に置き換えると、何かで失敗したり、嫌なことを言われたりすると「また失敗するのでは?、また嫌なことを言われるのでは?」となり、不安な気持ちが浮かぶたびに、気持ちそのものが逃げ腰になってしまいがちに・・。「不安なことに向き合う」どころか、スマホ中毒・ゲーム中毒に代表される「現実逃避」の方向に舵をきってしまうハメに・・

そのため、不登校のカウンセリングでは、失敗しても取り返しのつくことならば、あえて失敗させて「失敗から学ばせる」方法をお勧めする場合があります。不登校が心配(その失敗が翌日の不登校につながる)ならば、まずは学校以外の話題から。まず多いのは前述の病院の診察日と同様に、散髪屋の営業日、図書館の休館日など。一番多いのは「傘」が必要かどうかを教えることでしょうか。「今日は雨が降るから傘を持っていきなさいよー」とか、「今日は土曜日だから電車は○時○分だからねー」といった「転ばぬ先の杖」をあえて我慢していただくことを、お勧めする場合があるのです。

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