「親にアドバイスをくれる所」これが来所の決め手です(清美25才 摂食障害・過食症歴7年)

清美(25才)は、過食症にかかって7年になる。病院の精神科に3度入退院をくりかえしたが過食症は治らず、その後はひきこもり同然の生活を送っていた。三年前の春、当センターが出した本「過食・拒食の家族療法」と「過食症と拒食症ー危機脱出の処方箋」の2冊を読んで来所した。

「親にアドバイスをくれる所」、これが来所の決め手

「今までの所と、ここはちがうなって感じました。強制しないっていうか、食べる食べないを任せてくれるっていうか」と清美。「本を読んで、親にどうしたらいいかをアドバイスくださる所って印象があって」と母親。「遠いけれど、行ってみよう」と決心した気持ちを、二人はこう話してくれた。「いろんな所へ行きました。病院、心療内科、カウンセリングセンターなどです。子どもに『ああしたらいけません。こうしたらいけません』という指示はでても、親にたいしてはなにも言ってもらえませんでした。家に帰って『この子のために、母親としてなにをどうしてやったらいいんだろう』と、いつもわからなくて困っていました」と、母親は話した。

清美の過食症は決して軽いとはおせじにも言えない状態だった。18才で食べ吐きがはじまって、19才のころからひきこもりになって、毎日4~5回の食べ吐きをくり返している。体も歩くのがやっとというくらい細く弱々しい。

「頑張って通います」と、母親は力強く答える

「過食症になって7年がたっていますね。いろんな治療を受けられて、もしかしたら『もうなにをしてもだめだ』というお気持ちになっておられませんか?」と、念のためセラピストは聞いてみた。長期化したケースによくあることだが、本人は「もうあかん、なおらへんわ」と自暴自棄になっていたり、親のほうも疲れはててしまって、途中で治療をストップせざるを得ない状態になることがよくある。

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