「あ、怒ったらあかん。がまんせな、母親といえへんよ」って、お義母さんは言うんです。子どもが私がみてるTVドラマのチャンネルをガチャガチャ回してしまうのに。どうやら姑さんの子育て干渉に、耐えかねている母親の相談でした。なかでも頭にきたせりふは「そんなんかめへんやないの。やらせとき。この子の姿はあんたそっくりやで」と。
『同居・生活干渉』(別冊PHPより)
「核家族化」と言われて久しいですが、姑と「同居」する若夫婦は、ますます少なくなってきました。ただ最近は、住宅事情や経済事情で、親と「同居」する夫婦もで始めています。不況で失業した若夫婦の家族が、ふるさと回帰で同居するというケースもありました。
「同居」に踏み切るとき、心がけておきたいことがあります。まず夫とのチームワークがとれているかどうかを確かめてください。「嫁と姑」という関係が一つ屋根の下で始まるわけですから、波風が立たないという保証はありません。そういうとき、助けてくれるのは夫しかいないのです。夫が味方をしてくれるかどうかを確認しておきましょう。
また、できるなら前もって、お互いにある程度ズケズケ言って、それでもお互いに傷つかない関係を築いておきたいものです。もしそういう関係が作れないと、お互いに気づかいでくたびれはて、陰で不満をもらすしかない、惨めな生活になるおそれがあります。
「同居」を始めて問題になるものの一つが、「生活干渉」です。基本的には、誰でも干渉されるのはイヤなものですが、人によっては干渉されてもあまり気にしない人もいます。逆に干渉されることに対する嫌悪感がとても強い人もいます。そういう人は、姑さんに抗議するときは、「干渉をやめて」という言い方はしないで、「私はそういうことは、とてもイヤな性格なんです」と告げるほうがいいでしょう。なぜなら「干渉をする側」は、自分のしていることが「干渉」であることを知らないことが多いからです。
「受け止める側」が、なにを「干渉」と感じるかを、しっかりと正攻法で相手に伝えておくことがたいせつです。
