最近とくに目立ってきたような気がします。新聞などで報道されるわが子への信じられない「虐待・体罰」です。食事を与えず、一間に軟禁状態のまま衰弱するのを見て見ぬフリ。ほんとうに信じられません。そこまでのケースは当センターではありませんが、それでも「つい怒ってしまう、手をあげてしまう。どうしたらいいでしょうか」という相談はあります。
『虐待・体罰』(別冊PHPより)
「子どもに手をあげてしまい罪悪感をもつ」ことは多いと思います。でも、母と子は長時間一緒にいるわけですから、イライラして「キレても仕方がない」のです。お母さんの疲れがたまって怒りっぽくなったりしないために、「自分の余裕づくり」が重要になります。それには、お父さんが協力して、お母さんを子どもから離してあげる工夫も役立ちます。
すぐパチンとやるお母さんのなかには、「しつけがうまくいっていない」と思っている人も多いようです。そういう人は「しつけのツボ」をはずしていないかを再検討してみてください。他の方法を考えてみる、しつけのタイミングをはずしていないか、自分の気分で「ダメ」と言ったり「OK」と言っていないかなど、子どもに応じた関わり方が必要です。
また、上の子に手がかからなかったお母さんは「それが普通」と思っています。ですから、二人目に手を焼かせられるとショックを受けて、思いどおりにさせようと手をあげがちです。きょうだいでも子どもの気性には違いがあることも知っておいてください。
お母さんの中には、子どもに辛くあたってしまう自分をすごく責めるタイプの人がいます。しかし、世の中にはどんなひどい育てかたをされても立派な大人に育つ例がたくさんあります。「子育ては失敗しても、子は育つ」のです。
でも子どもにチック症状が出てきたり、叩いてケガをさせてしまったときは、親身になって話を聞いてくれる人に相談すべきでしょう。自分だけの殻に閉じこもると、いつしか「虐待」に進むかもしれませんから。
