1.「ゆるみ、先読み、口出し」はまだ早い。お母さん、十分に気をつけましょう(春美 14才 中2 拒食症歴1年)|摂食障害 カウンセリング治療専門外来(過食症・拒食症)

摂食障害 カウンセリング治療専門外来(過食症・拒食症)
1.「ゆるみ、先読み、口出し」はまだ早い。お母さん、十分に気をつけましょう(春美 14才 中2 拒食症歴1年)

摂食障害(拒食症)のカウンセリング治療は、大阪にある淀屋橋心理療法センター「摂食障害専門外来」で行っております。
大阪府豊中市寺内2丁目13-49 TGC8-201
(TEL: 06-6866-1510 FAX: 06-6866-2812 www.yodoyabasift.com/)

目次

  1. 半年間のカウンセリング治療の結果、体重と体力が回復し再登校が可能に
  2. 娘の体への心配がうすらぐと、母親はつい先の先を読み出してあせりが
  3. 「ゆるみ、先読み、口出し」はまだ早い。お母さん、十分に気をつけましょう

1) 半年間のカウンセリングの結果、体重と体力が回復し再登校が可能に

中学2年になる春美さんは拒食症になって1年になります。母親が一人で大阪にある淀屋橋心理療法センターの「摂食障害専門外来」で、拒食症のカウンセリング治療をうけてきました。半年のカウンセリング治療ののち、拒食症の症状は少しずつ良くなり、体重も安全圏に入り、食べられる食材も増えてきたので体力的にも安定してきました。

*「太った体見られるのいや」「体力がなくて登校できない」という二つの理由で学校を長期欠席していた春美さんですが、毎日登校できるようになりました。「太った体・・・」とありますが、これは拒食症の人のやせてガリガリになった体のイメージとちがってきます。が、拒食症の人は「私の体は太っている。だからもっとやせなくては」という気持ちを強くもっています。母親は頑張って一人でカウセリング治療を受けてここまでこれたことを心からうれしいと思う反面、またいろんな問題がおきてきます。ここでは母親が学んだ「本人への対応コツ」と、「困った場面をカウンセラーのアドバイスによりどう切り抜けていったか」をお話ししましょう。

(*ここで「太った体見られるのいや」とありますが、これについて説明しておきましょう。拒食症の人は、端から見れば「やせてガリガリになった体型」が多くみられます。ところが意識のなかでは「私の体は太っている。だからもっとやせなくては」という気持ちを強くもっています。実際の見た目と本人の意識では体つきが違うことがよくあります。これを「ゆがんだボデイ・イメージ」と言います。)

2) 娘の体への心配がうすらぐと、母親はつい先の先を読み出してあせりが

この一年母親はカウンセリング治療で受けたアドバイスをコツコツと家で実行してきました。「やっと体重が増えてくれた。すこしずつでも食べてくれるようになったし。ヤレヤレだわ」と、母親はホッと胸をなでおろしています。ところがこのときこそ気をゆるめてはいけないのです。母親にはうれしい気持ちの向こうに、次の望みが出てきがちです。

体重が改善したとはいえ来年は中学三年生です。間もなく始まる受験勉強には、春美の体力ではまだまだ十分とは言えません。母親からみると春美さんの食べる量は少ないし栄養は偏っています。ご飯かるくお茶碗一杯と、カロリーの低いおかずひと品。それに足らないときはヨーグルトとかカロリーゼロ食品を食べて補っています。「これではねー、もっとタンパク質をとらないとねー。受験戦争で戦えるかしら」と、母親の不安は先の先を読みだしました。

口出しはいけないとわかっているのですが、春美さんの食へのこだわりにはわずかながら融通が利くようになっていました。「もう言ってもだいじょうぶだろう。体重は安全領域に入ったし。人のアドバイスも聞けるようになってるし」と、つい口出しをしてしまいました。「春美ちゃん、そんなに少ない食事の量でだいじょうぶ?。もうちょとお肉なんかも食べないと、体が弱ってくるんじゃないの?来年は受験だしね」。これを聞いた春美はキッとした目つきをして言い返してきました。「お母さん、わたしの食べることに口出ししないって約束したでしょ。もういらない。私食べたくない!」と言って春美は部屋に駆け込んでしまいました。

3) 「ゆるみ、先読み、口出し」はまだ早い。お母さん、十分に気をつけましょう

娘の拒食症がよくなって体重も安全圏にはいってくると、母親のなかには「もうだいじょうぶだろう」というゆるみが出てきます。低体重からくる「この子死んでしまうのではないかしら」という不安でいっぱいだった母親にとっては、無理もないことです。「来年受験だからもっと体力をつけないと、受験戦争を勝ち抜けない」という普通の母親としてのあせりが湧いてくるのも当然のことです。

しかし春美さんの拒食症は改善の道を歩んでいるとはいえ、まだ道半ばにあります。山登りにたとえると6合目くらいでしょうか。ですから「太る」ことへの恐怖はうすれていません。ちょっとでも体重が増えると春美さんは何も手につかなくなってしまいます。まだこんなパニック状態になる恐れが十分あります。母親のゆるみから出る「食べることへの口出し」が、娘との温度差を引き起こしがちです。せっかく築いた母娘の信頼感に傷をつけてしまわないよう、拒食症は良い状態になったように見えても十分に気をつけないといけない段階です。

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福田俊一 所長・精神科医(カウンセリング治療歴40年)
増井昌美 摂食障害専門セラピスト(治療歴30年)
淀屋橋心理療法センター・摂食障害専門外来(大阪)
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2014年3月25日

拒食症の娘と母親の信頼関係をきずく

娘の拒食症の状態が安定し体重も危険ラインを乗り越えると、母親はホッとして気がゆるんだようになりがちです。つい先読み、口出しをしてしまいます。ここで気をゆるめると元の状態になることもよくありますので、気をつけましょう。拒食症歴1年の中学2年生の事例です。

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