「小さなひっかかること」が、言葉で言えだした(佳代30才 摂食障害・過食症歴5年)|摂食障害 カウンセリング治療専門外来(過食症・拒食症)

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「小さなひっかかること」が、言葉で言えだした(佳代30才 摂食障害・過食症歴5年)

「小さなひっかかることを書き留めて」が効果をあげて

過食症で佳代が淀屋橋心理療法センターにかよいだして、半年がたつ。佳代自身の問題、家族とのかかわり、職場でのストレス、友人関係などいろんな面に焦点をあてながらカウンセリングはすすめられた。母親とは雑談ならかなり長く話せるようになったし、休みがちだった職場にも、遅刻をはさみながらも通勤できるようになった。とりあえずカウンセリングの第一段階はクリアーできたと言えよう。

さらにここからみていかないといけないのは、家族との関係である。毎日いっしょに暮らしているだけに、小さなことが心にひっかかる。口に出して言うと角がたち、ぎくしゃくする。我慢していると「腹ふくるるわざなり」の諺どおりもやもやとたまってくる。そこでカウンセリングの課題としてだしたのが「小さなひっかかることを書き留める」だった。

「書き留めることやったらできます」という佳代の言葉。それを繰り返しやっていくうちにみえてきた変化をいくつかあげてみた。

  1. 「『小さなひっかかること』って、ようけあるんやな。自分でもびっくりやわ」
  2. 「このごろよう話ししてくれるようになりました」と、母親の笑顔。
  3. 「過食あっても、朝ちゃんと起きられるで。なんとか会社いけてるもん」と、胸をはる佳代。
  4. 「過食の食べ方が、変わってきましたね」と、母親のほうから安心コメントが。

「小さなひっかかること」が、言葉で言えだした

書き留めた「小さなひっかかること」を、カウンセリングで読みあげてもらう。母親とセラピストをまえに、言葉にだしてみる練習をするのだ。「えー、これよむの?お母さん、気ーわるうせーへんやろか」と、ちゅうちょしていたが、佳代は読み出すとだんだん声もしっかりしてきた。母親も「そんなことが気になってたんかいな」と、驚くような気持ちで聞き入っている。

そんな練習を何回もくり返してしたある日、カウンセリングで次のような報告があった。以下はそのようすである。

セラピスト:こんにちわ。どうですか。なんか明るい感じがしますけど。

母親:はい、先生。佳代がこのごろ私に文句を言うようになったんです。文句って、言葉わるいですけど、つまり「小さなひっかかること」を、口で言えだしたってことなんですけど。

セラピスト:えー、口で、ですか。それはすごいことですね。佳代さん、ほんとうですか?

佳代:えへへへへーッ(てれくさそうに笑う)気がついたらゆうてたって感じなんですけど。

セラピスト:いや、それでいいんです。話しの流れのなかで言えてたっていうのが、いいんですよ。どんなことで?

佳代:ね、ようけあるね。(母親の顔をみてうれしそう)

母親:ほら、あのことお話したら。お料理のときに・・・

佳代:あ、私が言う。お母さん、また先走ってるよ。私が言うこと、よう先に先にゆうてしまうやろ。あれ、あかんよ。これからきーつけてね。

セラピスト:おやおや、目の前で「小さなひっかかること」がすぐに口に出せるっていう場面がでてきましたね。

佳代:あのね、そのお料理のことなんですけど、お母さんたらすぐに自分でかってにメニューを決めてしまうんです。私が「今夜は魚の料理がええかな」ってゆうただけやのに、「そうか、ほなちり鍋にしようか」って。私は、お鯛の煮付けが食べたいからそないゆうたのに。「お母さん、また先々ゆうてるやんか。私なんもちり鍋がええって、ゆうてないやろ」ってすぐに文句が言えて。

母親:ほんまにこんなことがようけあったんやろな、って思います。私が気づかんかっただけで。

セラピスト:そうですか。すぐ言えるようになってきたんですね。それはいい。そしたらお腹のふくれ具合はどうですか。ましになってきましたか?

佳代:うーん、まだよくわからないけど、気持ちがすっきりします。ああ、やっぱり言うほうがええんやなって思います。

セラピスト:そうですか。それはよかった。お母さん、これから文句がふえてきますよー!いいですか。覚悟しといてくださいね。

母親:はい、わかりました。どんな文句でも批判でもしっかり聞きます。大丈夫です。

「小さなひっかかること」が、すぐさまその場で言えだした。これができるようになれば、やがては自分の考えや感情を、しっかりと言えるようになるだろう。ずーとあとになって佳代はこんなふうに話している。

「私がしんどくなったり、食べたくなったりするのは、このひっかかることを抑え込んだり、気づかずにきてしまったからや。これがたまってくると、しんどーくなってた。過食したーくなってたと思う。『お母さんがいやな思いしないかな』とか、『お母さんに負担がかからないかなー』とか、そっちへ気づかいがいっぱいで、自分を抑えてしまっていたんだなと思う」と。

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 息子にカウンセリングの話をしても行きたがらないと思うのですが、どうしたらよいでしょうか。

 カウンセリングは初めてで、どんな場所でどんな形でするのか不安です。


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