男性の摂食障害 誰かと一緒に来所し、なぜかはじめはさらりと他人事のよう|摂食障害 カウンセリング治療専門外来(過食症・拒食症)

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男性の摂食障害 誰かと一緒に来所し、なぜかはじめはさらりと他人事のよう

母親や妻にともなわれて、というより促されてといった感じが強い。自分からやってきたという人はいない。そばにいる人が「おかしいぞ。このままではいけない」と感じ、電話をしてくる。主に連れてきた女性が状況を説明し、そばでおとなしく、いや小さくなって遠慮がちに座っている(ように見える)。

しかし拒食や過食の内容は、いままで聞いてきた多くの女性の症状とそう変わらない。「やせ願望」は強いし、カロリーへのこだわりも大きい。男性だからどうというよりは、やはり早期治療を開始することがなによりも大事なようである。簡単ではあるが、症例の概略を紹介しよう。

(内容は特定できないよう、多少かえてあります。)

男性の摂食障害。

症例1: Aケース(35才、両親と妻に伴われ来所)

両親に経済的に依存しているので、母親に反発できない。また万引きなどを数回ひきおこしたこともある。両親との葛藤が表面化したのち、自立の芽が出てくる。そこからの脱却ののち、妻と支えあって一歩一歩動き出せた。

症例2: Mケース(30才、独身、母親と妹と三人家族。妹はOL)

毎回カロリー計算をしながら自分で食事の支度をする。「やせ願望」が強く、ちょっとでも多く食べ過ぎたと思うと母親に不安をぶつける。できた料理はまず母親に食べてもらい、たくさん食べと安心する。少しでも量が少ないと「食べろ、食べろ」と強制する。母親が食べる姿をみて、またその量をみて「これくらいなら安心」と、自分の食べる分量を決める。過食の行動パターンに母親を巻き込んだ重症の例。

症例3: Bケース(妻と二人ぐらし)

一人でいるより二人でいたほうが安心するからと結婚。妻が心配し電話をかけてきた。主に症状も妻が説明する。本人は妻の背中をじーとみつめている。「摂食障害はどうしたら治せるんですか?」と、本人が単刀直入にさらりと聞いてきた。今までこんなふうな聞かれ方をしたことは少ない。たいていの場合「治るんでしょうか」と聞いてくる。その様子からは今まですでに自分で悪戦苦闘し、疲れはて「もうだめなんじゃないか」と思い詰めてやってきたのが感じられた。「こんなに苦しんでるんです。でもあの病院ではこんなことをいわれました」とか。「こういう話をしても親はわかってくれない。もう話す気もなくなっています」とか。「親に心配かけたくないから、一人で治したいんです」といった質問が多かった。

男性の摂食障害。

過食症/拒食症の人は周りの人への気づかいが上手なので、かわいがられるのが得意。反面きらわれたり、いがみあったり、切れたりするのが苦手な人が多い。表面的にはおとなしい、やりやすい人という印象を与えている。ところが内面的には激しさや厳しさを秘めている。外と内のギャップがある。やせることで快感や達成感や生きがいを感じたりしてそれを埋めている。やせること以外にそれらを見つけだせることが脱却の秘訣である。本来のその人の持ち味を十分に伸ばしてあげ、花をさかせるように治療ではもっていく。

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